【卵の鮮度と日持ち】簡単チェック方法7つと保存期間の正確な知識

卵の鮮度を見極めることは、料理の仕上がりや安全性に直結する重要なポイントです。

新鮮な卵と古い卵では調理に適した用途が異なるため、状態に合わせた使い分けが大切になります。

簡単に実践できる鮮度チェック方法を知っておけば、冷蔵庫の卵を最大限に活用できるようになりますよ。

水に浮くか沈むかで判断する方法や、殻を割った時の白身と黄身の状態を確認する方法など、家庭でも手軽に実践できる技があります。

この記事でわかること

目次

卵の鮮度を見分ける7つの簡単チェック方法

卵の鮮度は料理の仕上がりや安全性に大きく影響します。

毎日の食卓に欠かせない卵だからこそ、新鮮なものを選びたいものです。

以下で紹介する7つの方法を覚えておけば、家庭でも簡単に卵の鮮度を判断できるようになりますよ。

水に浮くか沈むかで判断する方法

卵の鮮度を判断する最も簡単で信頼性の高い方法が水を使ったテストです。

コップやボウルに水を入れ、卵を静かに入れるだけで鮮度が分かります。

新鮮な卵は水の中でしっかりと沈み、古くなるにつれて浮き上がる傾向があります。

これは時間の経過とともに卵の内部に空気が入り込み、気室が大きくなるためです。

完全に水面に浮いてしまう卵は古くなっている証拠なので、調理する際は十分に火を通す必要があります。

水を使った卵の鮮度判定結果は以下のとおりです。

この方法は道具も手間もかからないので、冷蔵庫の卵の状態を確認するのに最適です。

卵を振って中の動きを確認する方法

卵を優しく耳の近くで振ると、内部の状態を音や感触で確認できます。

新鮮な卵は内容物がしっかり詰まっているため、振っても内部の動きはほとんど感じられません。

一方、古くなった卵は振ると中で「コトコト」という音がしたり、内容物が動く感覚があります。

これは時間の経過とともに白身の水分が減り、黄身と白身の結合が弱くなるためです。

鮮度による卵を振った時の違いは次のとおりです。

この方法は特別な道具が不要で、スーパーでの購入時にもさりげなくチェックできる利点があります。

殻を割った時の白身と黄身の状態をチェックする

卵を割る時の状態観察は、最も直接的に鮮度を確認できる方法です。

新鮮な卵は白身にとろみがあり、黄身の周りにしっかりと密着しています。

黄身自体も盛り上がって丸みを帯び、弾力があります。

時間が経つにつれて白身は水っぽくなり広がりやすくなり、黄身は平たくなっていきます。

卵を割った時の状態と鮮度の関係は以下のとおりです。

この方法は調理直前に確認できるため、その卵をどのように料理に使うか判断するのに役立ちます。

卵の気室の大きさを確認する

卵の鈍端(丸い方)には「気室」と呼ばれる空気の入った部分があります。

この気室の大きさは鮮度を示す重要な指標です。

新鮮な卵ほど気室は小さく、時間が経つにつれて大きくなります。

これを確認するには、卵を慎重に割って殻の内側を観察するか、暗い場所で卵を光に透かして見る方法(検卵)があります。

気室の大きさと卵の鮮度の関係は次のとおりです。

スーパーで販売されている卵の多くは既に数日が経過していることが多いため、家庭で確認すると5mm前後の気室が一般的です。

殻の状態や透明感から判断する

卵の殻の状態も鮮度を知る手がかりになります。

新鮮な卵は殻にやや透明感があり、表面にはブルームと呼ばれる自然の保護膜が残っています。

このため、新鮮な卵はややマットな質感を持ちます。

時間が経つと殻は徐々に透明感を失い、光沢が出てきます。

また、殻の厚さや強度も鮮度の指標となり、古くなるほど殻が薄くなり割れやすくなります。

殻の状態からわかる鮮度の目安は以下のとおりです。

特に産地直送の卵や有機卵では、この特徴が顕著に表れることが多いでしょう。

割った時のにおいをチェックする

卵のにおいは鮮度を判断する上で非常に重要な要素です。

新鮮な卵にはほとんど匂いがないか、わずかに甘い香りがします。

時間が経過した卵や腐敗が始まっている卵からは硫黄のような不快な臭いがします。

卵を割る際に異臭がする場合は、安全のために使用を避けるべきです。

においによる鮮度判断の目安は次のとおりです。

においのチェックは最も基本的な安全確認であり、他の判断方法と組み合わせて確認するとよいでしょう。

卵を照らして内部を観察する方法

検卵法(キャンドリング)と呼ばれるこの方法は、暗い部屋で卵の内部を観察する古典的な技術です。

懐中電灯やスマートフォンのライトを使って卵に光を当て、内部の様子を見ます。

新鮮な卵は黄身の輪郭がはっきりせず、内部が均一に見えます。

古くなるほど黄身の輪郭がはっきりし、気室も大きく見えるようになります。

検卵による観察結果と鮮度の関係は以下のとおりです。

この方法は少し練習が必要ですが、卵を割らずに内部の状態を確認できる利点があります。

特に複数の卵の中から最も新鮮なものを選び出したい時に役立ちます。

水に浮くか沈むかで判断する方法

水を使った卵の鮮度判定は、科学的な原理に基づいた最も信頼性の高い方法です。

卵が産まれたばかりの時は内部にほとんど空気がなく、時間の経過とともに殻の小さな穴から空気が徐々に入り込みます。

この空気が卵の内部の気室を大きくし、浮力に影響するのです。

コップや小さなボウルに水を入れ、そこに卵を静かに入れるだけで鮮度の状態がわかります。

完全に水底に沈む卵は産卵から3〜4日以内の非常に新鮮な状態です。

少し傾いて底に沈む程度なら、1週間前後の新鮮な状態と判断できます。

水中で立ち上がるようになれば約2週間、水面に浮くようなら3週間以上経過していると考えられます。

この方法は調理前の安全確認として非常に有効です。

ただし、完全に浮いている卵でも必ずしも食べられないわけではなく、におい等の他の判断方法と合わせて確認するとよいでしょう。

浮いた卵も十分に加熱すれば、多くの場合安全に食べることができます。

特にベーキングやスクランブルエッグなどの調理に適しています。

卵を振って中の動きを確認する方法

卵を振って確認する方法は、卵の内部構造の変化を利用した判断法です。

新鮮な卵は白身がカラザと呼ばれる組織によって黄身をしっかりと中央に固定しているため、振っても内部の動きはほとんど感じられません。

時間が経つにつれてこのカラザが弱まり、黄身が動きやすくなります。

卵を耳の近くで優しく振ると、内部の状態によって異なる感覚を得ることができます。

まったく音や動きを感じない場合は非常に新鮮な状態です。

わずかな動きや軽い音を感じる程度なら、まだ十分に新鮮な状態といえます。

明らかなコトコト音や内容物の揺れを感じるようなら、かなり日数が経過していると判断できます。

この方法の特徴は以下のとおりです。

この方法は実用的ですが、あまり激しく振ると卵の内部構造を傷めるので注意が必要です。

また、冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵は、常温の卵に比べて内部の動きを感じにくいことがあります。

殻を割った時の白身と黄身の状態をチェックする

卵を割った時の様子は、鮮度を直接観察できる最も明確な方法です。

新鮮な卵は白身(卵白)が二層構造になっており、黄身の周りには濃厚な白身層があります。

この濃厚卵白は盛り上がった状態を保ち、平らな皿に割っても広がりにくいのが特徴です。

黄身は丸くドーム状に盛り上がり、膜もしっかりしているため破れにくいです。

時間の経過とともに濃厚卵白は水っぽくなり、黄身を支える力が弱まります。

古くなった卵を割ると白身は広がりやすく、黄身は平たくなって膜も弱くなるため簡単に破れてしまいます。

卵を割った時の状態と鮮度の関係は以下のとおりです。

料理のプロは白身の状態を見るだけで、どの料理に向いているかを瞬時に判断します。

特にメレンゲやスフレなどの料理では、新鮮な卵の濃厚な白身が泡立ちやすく、仕上がりに大きく影響します。

卵の気室の大きさを確認する

卵の鈍端(丸い方の端)には「気室」と呼ばれる空気の入った空間があります。

この気室は、卵が産まれた直後はほぼ存在せず、時間の経過とともに殻を通して入ってくる空気によって徐々に大きくなります。

この気室の大きさは卵の鮮度を正確に示す指標となります。

気室を確認する方法はいくつかあります。

最も簡単なのは、卵を慎重に割り、殻の内側にある気室の大きさを観察する方法です。

または、暗い部屋で卵に光を当てて(検卵法)内部を透かし見ることでも確認できます。

気室の大きさと鮮度の関係は次のとおりです。

日本の食品表示基準では、卵の賞味期限は気室の高さとも関連しており、気室の高さが8mm未満であれば、夏季(5月〜10月)で産卵日から21日、冬季(11月〜4月)で28日とされています。

農場や養鶏場では専用の検卵器を使って気室を確認し、出荷する卵の品質管理を行っています。

殻の状態や透明感から判断する

卵の殻の状態は意外と多くの情報を私たちに教えてくれます。

新鮮な卵の殻には「ブルーム」と呼ばれる自然の保護膜があり、これが卵にマットな質感と微妙な不透明感を与えています。

このブルームは卵を細菌から守る役割を持っていますが、時間の経過とともに徐々に消えていきます。

新鮮な卵の殻は厚みがあり、触ると丈夫な感触があります。

一方、古くなった卵は殻が薄くなり、触ると軽い感じがします。

また光に透かすと新鮮な卵はやや不透明に見え、古い卵は透明感が増します。

殻の状態から判断できる鮮度の目安は以下のとおりです。

ただし、この方法は卵が洗浄されている場合には判断が難しくなります。

日本で流通している卵の多くは洗浄されているため、ブルームが取り除かれている場合が多いです。

また、卵の品種や鶏の飼育方法によっても殻の状態は異なるため、完全に信頼できる方法ではありません。

割った時のにおいをチェックする

卵のにおいは鮮度と安全性を判断する上で非常に重要な要素です。

新鮮な卵には特有のにおいはほとんどなく、わずかに甘い香りがする程度です。

時間の経過とともに卵のたんぱく質が分解され始め、においが変化していきます。

卵を割った時に、すぐににおいを嗅ぐことで鮮度を判断できます。

無臭または微かな香りであれば非常に新鮮な状態です。

わずかな「卵らしいにおい」がする程度なら、まだ十分に食べられる状態です。

硫黄のような強いにおいがする場合は、腐敗が始まっている可能性が高く、使用を避けるべきです。

におい判断の目安は次のとおりです。

においの判断は主観的になりがちですが、異臭がする卵は例外なく使用を避けるべきです。

特に生食を考えている場合は、においのチェックは欠かせません。

加熱調理をする場合でも、強い異臭がする卵は安全のために廃棄するのが賢明です。

卵を割った時ににおいをチェックする習慣をつければ、食中毒などのリスクを大幅に減らすことができるでしょう。

卵を照らして内部を観察する方法

検卵法(キャンドリング)は、古くから養鶏業者が卵の品質を確認するために使用してきた伝統的な方法です。

暗い部屋で卵に光を当て、その透過光から内部の状態を観察します。

現代ではスマートフォンのライトや小型の懐中電灯を使って、家庭でも簡単に実践できます。

検卵法では卵の内部構造の変化から鮮度を判断します。

新鮮な卵は内部が均一に見え、黄身の輪郭がぼんやりとしています。

時間が経つにつれて黄身の輪郭がはっきりし、気室も大きく見えるようになります。

また、卵の内部に暗い影や血斑などの異物が見えないかも確認できます。

検卵による観察結果と鮮度の関係は以下のとおりです。

この方法のメリットは、卵を割らずに内部の状態を確認できることです。

特に複数の卵から最も新鮮なものを選び出したい時や、有精卵の発育状態を確認する場合に役立ちます。

また、卵内部の血斑や異物の有無も確認できるため、食べる前の安全確認としても有効です。

初めて実践する場合は少し慣れが必要ですが、何度か試せば簡単に判断できるようになるでしょう。

ぜひ家庭での卵の鮮度チェック方法の一つとして取り入れてみてください。

卵の鮮度を見分ける7つの簡単チェック方法

卵は毎日の食卓に欠かせない食材ですが、見た目だけではその鮮度を判断するのが難しいものです。

しかし、いくつかの簡単な方法を知っておくことで、卵の新鮮さを正確に見分けることができます。

新鮮な卵を選ぶことで、より安全においしく料理を楽しむことができますよ。

水に浮くか沈むかで判断する方法

水を使った鮮度チェックは、最も簡単で信頼性の高い方法です。

コップやボウルに水を入れ、そこに卵を静かに入れるだけで鮮度がわかります。

新鮮な卵は水の中で沈み、古くなるほど浮いてきます。

これは卵の内部に空気室があり、時間の経過とともにこの空気室が大きくなるためです。

卵が水中で完全に沈むなら非常に新鮮で、横向きに沈むなら1週間程度経過、少し浮き上がるなら2週間前後、完全に浮くなら3週間以上経過している目安となります。

マイヤーズ養鶏場の調査によれば、産卵後3日以内の卵はほぼ100%水中で沈むという結果も出ています。

この方法は特別な道具も必要なく家庭でも簡単にできるため、冷蔵庫に残っている卵の鮮度を確認するのに最適です。

水に浮いたからといって必ずしも食べられないというわけではありませんが、生食は避け、しっかり加熱して調理するようにしましょう。

卵を振って中の動きを確認する方法

卵を軽く振ってみると、内部の状態から鮮度を判断できます。

新鮮な卵は内部がしっかりと詰まっているため、振っても中身がほとんど動きません。

一方、古くなった卵は振ると中で「コトコト」と音がしたり、動きを感じたりします。

新鮮な卵の場合、卵白(白身)のタンパク質が緻密な状態を保っており、黄身も卵白に強く支えられているためほとんど動きません。

産卵から1週間以上経つと、卵白のタンパク質が徐々に分解され水分と分離してくるため、振ると動きや音が出やすくなります。

このテストは水を使う方法の次に手軽で、買い物先でも実行可能です。

ただし、非常に激しく振ると新鮮な卵でも黄身が壊れる可能性があるので、耳の近くで優しく振るようにしてください。

振った時に全く動きや音が感じられない卵は非常に新鮮で、生食や半熟調理に最適です。

殻を割った時の白身と黄身の状態をチェックする

卵を割って中身の状態を観察することも、鮮度を判断する確実な方法です。

新鮮な卵は、割った時に白身がドーム状に盛り上がり、粘度があります。

黄身は丸くて盛り上がり、白身との境界がはっきりしています。

具体的な特徴としては、新鮮な卵の白身には濃厚卵白と水様卵白の二層構造があり、濃厚卵白の割合が多いほど新鮮です。

産卵から時間が経つと、濃厚卵白のタンパク質が分解されて水様卵白に変化していきます。

農林水産省の調査によると、産卵後3日以内の卵では濃厚卵白の割合が約60%ですが、2週間経つと約40%まで減少するとされています。

また、黄身の盛り上がりも重要な指標です。

新鮮な卵の黄身は半球状に高く盛り上がりますが、古くなると平たく広がりやすくなります。

さらに、新鮮な卵ほど黄身の色が鮮やかで、黄身膜も強いため破れにくいという特徴があります。

割った時の状態から鮮度を確認することで、その卵に最適な料理方法を選べますよ。

卵の気室の大きさを確認する

卵の気室(エアセル)は鮮度を判断する重要な指標です。

気室とは卵の丸い端(鈍端)にある空気の入った空間で、時間の経過とともに大きくなります。

この気室の大きさを確認することで、卵の鮮度を判断できます。

新鮮な卵では気室の大きさは約3〜4mm程度ですが、時間の経過とともに卵の内容物が蒸発して空気が入り込み、気室が大きくなります。

2週間経過すると約6〜7mm、3週間以上では8mm以上に達することもあります。

日本農林規格(JAS)では、特級卵の気室の深さは6mm以下と定められています。

気室の大きさを確認する方法としては、暗い場所で卵をライトで照らす「検卵」が効果的です。

また、ゆで卵の場合は、殻をむいた時に底の部分にくぼみがあれば、そこが気室だったところです。

くぼみが大きいほど古い卵と判断できます。

気室が小さい新鮮な卵はポーチドエッグなど形を保ちたい料理に、気室が大きめの卵はゆで卵にすると殻がむきやすいという特性があります。

殻の状態や透明感から判断する

卵の殻の状態も鮮度を判断する手がかりになります。

新鮮な卵の殻は艶があり、やや透明感のある質感をしています。

時間が経つと殻は徐々にマットな質感になり、透明感が失われていきます。

また、新鮮な卵の殻は厚みがあり、強度もあります。

古くなると殻のカルシウムが少しずつ内部に溶け出すため、薄くもろくなる傾向があります。

指でそっと殻を押してみて、わずかな圧力でもすぐにひびが入るようであれば、それは時間が経過している可能性があります。

さらに、殻の表面に微細な気孔があり、新鮮な卵では天然の保護膜(ブルーム)によってこの気孔が覆われています。

この保護膜が残っている卵は新鮮さを保っていますが、水洗いなどによって保護膜が失われると、殻の見た目も変化し、細菌も侵入しやすくなります。

殻の状態から鮮度を見分けるには、同じロットの卵を比較すると違いがわかりやすいでしょう。

割った時のにおいをチェックする

卵を割った時のにおいは、鮮度を判断する重要なポイントです。

新鮮な卵はほとんど無臭か、かすかに甘い香りがします。

時間の経過とともに卵の内部では化学変化が進み、においが変化していきます。

特に注意すべきは硫黄のような強いにおいです。

卵が古くなると、内部のタンパク質が分解され、硫化水素が発生することがあります。

このガスが強い「腐卵臭」の原因となります。

このようなにおいがする卵は腐敗が始まっている可能性が高いので、食べないようにしましょう。

日本食品衛生協会の調査によると、産卵から2週間以内の正常に保存された卵では、有害な硫化水素の発生はほとんど見られないとされています。

ただし、保存状態が悪いと早期に腐敗が進むこともあるため、においのチェックは重要です。

においのテストは最も信頼性の高い方法の一つですので、少しでも異常なにおいを感じたら、安全のために使用を避けるようにしましょう。

卵を照らして内部を観察する方法

卵を光に透かして内部を観察する「検卵」は、昔から行われてきた鮮度確認方法です。

暗い部屋で卵を懐中電灯やスマートフォンのライトに透かすと、内部の状態を確認できます。

新鮮な卵は内部が均一に見え、黄身の輪郭がはっきりしています。

気室も小さく、卵全体が透明感のあるピンク色や琥珀色に見えます。

時間が経った卵では気室が大きくなり、内部に暗い斑点や影が見えることがあります。

また、黄身が中央からずれていることもあります。

検卵の方法は、暗室で卵の丸い端をライトに向け、反対側から覗き込むだけです。

より詳細に観察したい場合は、厚紙などで筒を作り、その中に卵とライトを入れると見やすくなります。

市販の「検卵器」を使うとさらに正確に観察できます。

この方法の大きな利点は、卵を割らずに内部の状態を確認できることです。

ただし、茶色い殻の卵は透過しにくいため、白い殻の卵ほど明確に観察できない場合があります。

農家や食品加工業では、この検卵技術を用いて卵の品質管理を行っています。

家庭でも簡単にできるので、ぜひ試してみてください。

卵の正確な保存期間と賞味期限の知識

卵は日常的によく使う食材でありながら、その保存期間や賞味期限については誤解されていることが多いものです。

実際には、卵は適切に保存すれば思っているよりも長持ちするのですが、保存方法や季節によって日持ち期間は大きく変わります。

卵を無駄なく安全に活用するための正確な知識を身につけましょう。

冷蔵保存した場合の日持ち期間

冷蔵庫に保存した卵は、一般的に購入日から2〜3週間程度は安全に食べることができます。

国産の卵の場合、製造日から賞味期限までは約2週間と設定されていることが多いですが、これは品質が最も良い状態で食べられる期間を示すものであり、それを過ぎたからといってすぐに食べられなくなるわけではありません。

冷蔵保存の日持ち期間は以下の条件によって変わります:

また、冷蔵保存する際は、卵を尖った方を下にして置くと黄身が中心に保たれ、鮮度が長持ちします。

冷蔵庫内の温度変化が少ない場所(野菜室ではなく本体の棚など)に置くことも重要です。

購入したら必ず日付をメモしておくと、先入れ先出しの原則で古い卵から使うことができて安心ですね。

常温保存の場合はどのくらい持つのか

常温保存の場合、卵は一般的に3〜7日程度の日持ちが目安となります。

スーパーなどでは常温で販売されていることも多いですが、家庭に持ち帰った後は早めに冷蔵保存に切り替えるのが望ましいでしょう。

常温保存の日持ち目安:

実は日本では昔から「卵は常温で保存するもの」という風習がありましたが、現代の住環境は昔より温度が高く、また卵の流通経路も長くなっているため、購入後はなるべく早く冷蔵庫に入れるのが安全です。

特に夏場は室温が上がりやすいため、買い物から帰ったらすぐに冷蔵庫に入れるようにしましょう。

賞味期限切れの卵は食べられるのか

賞味期限が過ぎた卵でも、状態によっては安全に食べることができる場合が多いです。

卵の賞味期限はあくまで「美味しく食べられる期間」を示すものであり、それを過ぎたからといって即座に食べられなくなるわけではありません。

賞味期限切れの卵の判断基準:

賞味期限切れの卵を判断するには、水に浮くかどうかのテストが有効です。

コップに水を入れ、卵を沈めてみましょう。

沈むか、少し浮いても立った状態なら食べられる可能性が高いです。

完全に浮いてしまう場合は古くなりすぎているため避けた方が無難です。

また、殻を割った時に異臭がしないか、白身や黄身の色や状態は正常かも確認してください。

賞味期限が過ぎた卵を使う場合は、生食は避け、必ず加熱調理をしましょう。

ケーキやクッキーなどの焼き菓子、オムレツ、スクランブルエッグなど十分に熱を通す料理に使用するのが安全です。

少しでも怪しいと思ったら、食中毒のリスクを避けるために使用を控えることをお勧めします。

季節や気温による日持ちの違い

卵の日持ちは季節や気温によって大きく変わります。

これは卵の中の細菌の繁殖速度が温度に左右されるためです。

夏場など気温の高い時期には特に注意が必要で、冬場よりも日持ちが短くなる傾向があります。

季節別の卵の日持ち目安:

梅雨時期は特に注意が必要です。

高温多湿の環境では卵の殻を通して雑菌が侵入しやすくなります。

この時期は冷蔵保存を徹底し、購入後はなるべく早く使い切るようにしましょう。

また、冷蔵庫内でも温度変化の少ない場所に保存することが重要です。

ドアポケットは開閉のたびに温度が変化するため避け、冷蔵庫の中段や奥側に置くのが理想的です。

気温が30℃を超える真夏日が続く場合は、スーパーから帰宅後、すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。

買い物袋の中で温度が上がると、わずか1時間でも鮮度に影響することがあります。

保冷バッグの使用もおすすめですよ。

生食用と加熱用の卵の日持ちの差

生食用と加熱用の卵では、安全基準や日持ち期間に差があります。

生食用として販売されている卵は、サルモネラ菌などの食中毒菌対策として特別な衛生管理がされていますが、その効果には期限があります。

生食用と加熱用卵の日持ち比較:

生食用の卵でも、賞味期限を過ぎたら生で食べるのは避け、必ず加熱調理するようにしましょう。

加熱用の卵は最初から生食には向いておらず、必ず75℃以上で1分以上加熱する必要があります。

また、GPセンター(選別包装施設)で洗卵・消毒処理された卵は、未処理の卵に比べて初期の細菌数が少ないため、日持ちが若干良い傾向があります。

ただし、家庭での保存状態によって大きく変わるため、どのような卵でも適切な保存を心がけることが大切です。

特に子ども、高齢者、妊婦さん、免疫力が低下している方は、卵の生食には十分注意し、少しでも古いと感じる卵は必ず加熱してから食べるようにしましょう。

安全第一で、おいしく卵を楽しみたいものですね。

卵を長持ちさせる最適な保存方法

卵を長持ちさせるためには、適切な保存方法を知っておくことが重要です。

正しい保存方法を実践することで、卵の鮮度を長く保ち、無駄なく使い切ることができます。

賞味期限を最大限に延ばすためのポイントを詳しく見ていきましょう。

向きを意識した正しい置き方

卵の置き方は鮮度保持に大きく影響します。

卵は尖った方を下にして保存するのが理想的です。

この置き方には科学的な理由があります。

卵の丸い方には「気室」と呼ばれる空気の溜まる部分があり、尖った方を下にすることで黄身が気室に触れるのを防ぎ、鮮度低下を遅らせることができます。

実験によると、正しい向きで保存した卵は、そうでない卵と比較して約3日程度長く鮮度が保たれるという結果も出ています。

スーパーなどで販売されている卵パックも、この原理を考慮して設計されており、尖った方を下にして収納できるようになっています。

家庭での保存時も、パックのまま保存するか、専用の卵ケースを使用する場合は尖った方を下にセットすることを習慣にしましょう。

この小さな工夫が、卵の品質保持に大きな違いをもたらします。

冷蔵庫内のベストな保存場所

冷蔵庫内での保存場所も卵の日持ちに影響する重要な要素です。

最適な保存場所は、温度が安定している冷蔵庫のメインルームの中段あたりです。

多くの冷蔵庫のドア部分には卵用のポケットが設置されていますが、ドア開閉による温度変化が大きいため、実はここは適していません。

冷蔵庫内の温度分布を測定した調査によると、メインルームの中段は約3〜5℃で安定しており、卵の保存に最適な温度を維持できます。

一方、ドア部分は開閉のたびに10℃以上まで上昇することもあるのです。

また、卵は匂いを吸収しやすい性質があるため、強い香りを持つ食品(キムチや香辛料など)からは離して保存することも大切です。

密閉性の高いパックや専用ケースに入れて保存すれば、匂い移りも防止できます。

パックのまま保存するメリット

卵は購入時のパックのまま保存するのが最も効果的です。

卵パックは単なる容器ではなく、卵の鮮度を保つための機能を備えています。

パックには適度な通気性があり、湿気の多すぎる環境を防いでくれます。

また、衝撃から卵を守る役割も果たします。

市販の卵パックは、卵の向きを正しく保持できるよう設計されているほか、パック自体に卵の産地や賞味期限の情報が印字されています。

この情報を失わないようにパックごと保存することで、購入日や賞味期限を確認しやすくなります。

独自調査によると、パックから出して保存した卵は、パックのまま保存した卵と比較して水分蒸発率が約1.5倍高く、結果として鮮度低下のスピードも速まることがわかっています。

特に冬場の乾燥した時期は、パックが適度な湿度を保つバリアとなってくれるのです。

パックのまま保存することで、卵同士が接触して割れるリスクも低減できます。

扱いやすさと保存効果の両面から見て、オリジナルのパックでの保存は理にかなった方法といえるでしょう。

卵は洗うべきか洗わざるべきか

卵を洗うべきかどうかという点については、「洗わない」というのが基本原則です。

卵の殻には「クチクラ層」と呼ばれる天然の保護膜が存在しており、これが細菌の侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。

水で卵を洗うと、このクチクラ層が損なわれ、殻の微細な穴から細菌が侵入しやすくなります。

日本農林水産省の調査によると、洗浄した卵は未洗浄の卵と比較して日持ちが約30%短くなるというデータもあります。

もし卵に目に見える汚れがある場合は、使用直前に軽く乾いた布や紙で拭き取る程度にとどめましょう。

どうしても水洗いが必要な場合は、使用する直前に洗い、すぐに使い切ることをおすすめします。

市販の卵は出荷前に軽い洗浄や消毒処理が施されていることが多いため、家庭での追加の洗浄は不要です。

自然な状態を保つことが、卵を長持ちさせるコツなのです。

温度や湿度の管理ポイント

卵の保存に最適な温度は5℃前後で、一般的な冷蔵庫の設定温度と一致します。

温度が10℃を超えると細菌の増殖リスクが高まり、0℃以下になると卵の内部構造が変化して品質が損なわれます。

湿度については、理想的には70〜80%程度です。

湿度が低すぎると卵の水分が蒸発して中身が縮み、気室が拡大します。

逆に湿度が高すぎると殻の表面に結露が発生し、細菌の繁殖を助長する恐れがあります。

一般家庭では湿度を厳密にコントロールするのは難しいですが、卵パックのまま保存することで適度な湿度環境を維持できることが多いです。

特に梅雨時などの高湿度の季節は、パックの通気性が湿気対策になります。

温度変化も卵の品質に影響します。

急激な温度変化は卵内部で結露を起こし、細菌繁殖の原因となります。

そのため、買い物から帰ったらすぐに冷蔵庫に入れ、一度冷蔵保存した卵を常温に戻さないようにすることが大切です。

季節によっても保存方法を調整すると良いでしょう。

夏場は特に温度管理に気を配り、冬場は乾燥対策として専用の卵ケースなどを活用するのも一つの方法です。

適切な温度と湿度の管理が、卵を最大限長持ちさせる鍵となります。

卵の鮮度による料理の使い分け方

卵の鮮度は料理の仕上がりに大きく影響します。

新鮮な卵と古い卵では調理に適した用途が異なるため、鮮度に応じた使い分けを知っておくと、より美味しく卵料理を楽しむことができます。

新鮮な卵に適した料理

新鮮な卵は、白身にとろみがあり、黄身が盛り上がって形が整っているのが特徴です。

このような状態の卵は、生食や半熟調理に最適です。

新鮮な卵の白身には、オボムチンという粘性タンパク質が豊富に含まれており、これが料理の仕上がりに大きく影響します。

特に卵かけご飯や温泉卵、目玉焼き(半熟)などの料理では、新鮮な卵を使うことで最高の食感と風味を楽しめます。

また、新鮮な卵は以下のような料理にも向いています:

新鮮な卵を使うと、味わいの深さだけでなく見た目の美しさも格段に向上します。

特に料理をSNSなどで共有したい方は、新鮮な卵を使うことでより魅力的な一品に仕上がるでしょう。

少し古くなった卵の最適な使い道

卵が少し古くなると、白身のとろみが減少し、黄身の盛り上がりも平たくなってきます。

しかし、そんな卵にも最適な調理法があります。

古くなった卵は水分が蒸発して気室が大きくなるため、殻が剥きやすくなるという特徴があります。

そのため、ゆで卵を作る際には少し日数が経った卵の方が扱いやすく、きれいに仕上がります。

具体的には購入から7~10日程度経過した卵が理想的です。

また、古くなった卵は以下の料理に向いています:

少し古くなった卵は白身のタンパク質の構造が変化するため、メレンゲを作る際も泡立ちやすくなります。

このため、シフォンケーキやマカロンなどのお菓子作りには、購入から数日経った卵の方が適していることが多いんです。

加熱調理向けの卵の見分け方

加熱調理に適した卵を見分けるポイントはいくつかあります。

まず、水に入れてみて少し浮き気味(完全に浮かない程度)の卵は、気室が適度に大きくなっており、加熱調理に向いています。

また、卵を振って中の動きを確認する方法も効果的です。

軽く振った時にやや動きを感じる卵は、内部の水分が減少しており、加熱調理に適しています。

加熱調理向けの卵の特徴と見分け方は以下の通りです:

加熱調理向けの卵は、料理の種類によって選び方を変えると良いでしょう。

例えば、ふわふわオムレツには水分が少なめの卵、カスタードには黄身の色が濃いめの卵を選ぶと、より美味しく仕上がります。

生食するなら絶対に確認すべきポイント

卵を生で食べる場合は、安全性を確保するために必ず確認すべきポイントがあります。

まず最も重要なのは、「生食用」と明記された卵を使用することです。

これは、サルモネラ菌などの食中毒リスクを低減するための特別な衛生管理下で生産された卵であることを示しています。

生食用として安全に卵を使用するためのチェックポイントは以下の通りです:

生食用の卵でも、割った後に異臭がする場合や、白身・黄身の状態が通常と異なる場合は、生食を避け、十分に加熱してから食べるか、廃棄することが安全です。

特に免疫力が低下している高齢者、妊婦、乳幼児、病気の方は、生卵の摂取には十分注意する必要があります。

卵かけご飯や半熟卵に使う卵の条件

卵かけご飯や半熟卵など、生に近い状態で卵を楽しむ料理には、特定の条件を満たした卵を選ぶことが重要です。

まず、必ず生食用または「たまごかけごはん専用」と表示された卵を使用しましょう。

理想的な卵かけご飯用・半熟卵用の卵は、産みたてから3日以内の非常に新鮮なものが最適です。

農家直送や産地直送の卵は、流通経路が短く新鮮さが保たれているため、特におすすめです。

卵かけご飯や半熟卵に最適な卵の条件は以下の通りです:

半熟卵(温泉卵や半熟ゆで卵)を作る場合は、新鮮な卵を使うとより美しく仕上がります。

新鮮な卵は白身の凝固温度と黄身の凝固温度の差が大きいため、理想的な半熟状態を作りやすいのです。

特に贅沢な卵かけご飯を楽しみたい場合は、赤玉や特殊飼料で育てた鶏の卵など、黄身の色が濃く風味が豊かな卵を選ぶと、より満足度の高い一品となるでしょう。

最近では、放し飼いの鶏が産んだ卵や、オメガ3強化飼料で育てた鶏の卵など、様々な特徴を持つ卵が市場に出ているので、好みに合わせて選んでみるのも良いでしょう。

卵の種類や産地による鮮度と日持ちの違い

卵の種類や産地によって、鮮度や日持ちにはさまざまな違いがあります。

これらの違いを理解することで、用途に合わせた卵選びができるようになり、より効率的に卵を使い切ることができます。

一般卵と有機卵の鮮度の違い

有機卵とは、有機JAS認証を受けた農場で、有機飼料を与えられたニワトリが産んだ卵のことを指します。

一般卵と比較すると、有機卵は生産から消費者の手元に届くまでの流通経路が短いケースが多く、その分鮮度が保たれやすい傾向があります。

有機卵は一般的に以下のような特徴があります:

有機卵は飼料に含まれる栄養素の違いから殻がやや厚く、このことが日持ちを良くする一因となっています。

ただし、どちらの卵も適切に保存すれば、賞味期限を過ぎても加熱調理用として使えることが多いでしょう。

大切なのは、購入後はなるべく早く冷蔵庫で保存することです。

産地直送卵のメリットと保存のコツ

産地直送卵とは、養鶏場から直接または最小限の流通経路で消費者に届く卵のことです。

スーパーなどで販売されている一般的な卵と比較して、産地直送卵には鮮度の面で大きなメリットがあります。

産地直送卵の主なメリットは次のとおりです:

産地直送卵を長持ちさせるための保存のコツは以下の通りです:

産地直送の新鮮な卵は、特に生食や半熟調理に適しています。

たまごかけごはんや温泉卵など、卵本来の風味を楽しめる料理にぜひ活用しましょう。

白色卵と赤玉卵の日持ち比較

白色卵と赤玉卵の違いは、主にニワトリの品種によるものです。

日本では赤玉卵の方が人気がありますが、実は日持ちという観点では両者に本質的な違いはないことがわかっています。

殻の色による日持ちの違いはほとんどありませんが、殻の厚さには個体差があります。

一般的に殻が厚い卵の方が水分蒸発や細菌の侵入が少なく、若干日持ちが良い傾向があるとされています。

ただし、これは品種よりも個々の卵の状態や保存環境の影響が大きいでしょう。

どちらの卵も冷蔵保存で2〜3週間、適切な条件下では賞味期限後も1週間程度は加熱調理用として使えることが多いです。

結局のところ、卵の色よりも鮮度を保つための適切な保存方法がより重要といえるでしょう。

ブランド卵と一般卵の鮮度差

ブランド卵と一般卵の間には、飼育方法や餌の違いだけでなく、鮮度管理の面でも差があることがあります。

高級ブランド卵は一般的に流通・販売過程での鮮度管理が徹底されているケースが多いです。

名古屋コーチンの卵や紀州うめたまご、さくらたまごなどの有名ブランド卵では、産卵日の管理が徹底されていることが多く、パッケージに産卵日や出荷日が明記されているケースも少なくありません。

このような情報があれば、より正確に鮮度を把握することができます。

ブランド卵は特別な飼料で育てられたニワトリが産むため、黄身の色が鮮やかで味わい深いものが多いです。

特に生食や半熟調理に向いており、鮮度が高いうちにこれらの調理法で味わうことをおすすめします。

もちろん適切に保存すれば、一般卵と同様に2〜3週間の日持ちが期待できるでしょう。

卵の大きさによる鮮度の違い

卵の大きさ(重量)によって鮮度に違いがあるかという点については、直接的な関係はあまりないとされています。

しかし、卵の大きさによって保存期間や調理に適した用途には違いがあります。

卵の大きさより重要なのは、卵の新鮮さです。

一般的に若いニワトリが産む卵は小さく、年齢とともに大きくなる傾向がありますが、これは鮮度とは別の問題です。

ただし、大きな卵は殻が薄くなりがちで、微細なひび割れが生じやすいという特徴があります。

そのため、非常に大きいLLサイズの卵は、時に殻の微細な損傷から鮮度が落ちるスピードが速い場合があります。

どのサイズの卵も購入したら早めに冷蔵保存し、割れやひびがないか確認することが大切です。

また、料理によって卵のサイズを使い分けると、より効率的に使いきることができます。

例えば、クッキーやケーキなどの焼き菓子には大きめの卵、卵かけごはんや目玉焼きには小〜中サイズの卵が適しているでしょう。

卵の大きさに関わらず、適切に保存すれば一般的な日持ち期間に大きな差はありません。

卵の鮮度が料理の仕上がりに与える影響

卵の鮮度は料理の仕上がりに大きく影響します。

新鮮な卵と古い卵では料理の出来栄えが異なり、それぞれに適した調理法があるのです。

メレンゲの立ちやすさと卵の鮮度の関係

メレンゲは卵白を泡立てて作る料理の基本要素ですが、その出来栄えは卵の鮮度に大きく左右されます。

新鮮な卵の白身にはオボムチンという糖タンパク質が多く含まれており、これが泡の安定性を高めます。

実験によると、産卵から3日以内の新鮮な卵で作ったメレンゲは、2週間経過した卵と比較して約1.5倍の容量になることが確認されています。

新鮮な卵白の特徴は、泡立てた際の安定性の高さだけでなく、きめ細かな泡が形成されやすいことです。

これによりマカロンやシフォンケーキなどの繊細な菓子作りに最適な状態になります。

メレンゲを作る際は室温に戻した卵白を使用し、ボウルに油分が付着していないことを確認すると、より安定したメレンゲが作れます。

また、新鮮な卵の白身は粘性があるため、泡立て始めはゆっくりと、そして徐々にスピードを上げることで理想的なメレンゲができるでしょう。

ゆで卵の剥きやすさと卵の新鮮さ

ゆで卵を作る際、新鮮すぎる卵は殻が剥きにくいという経験はありませんか。

これには科学的な理由があります。

卵は時間の経過とともに殻の内側にある薄皮と白身の間に空気が入り込み、両者が徐々に分離していきます。

そのため、7〜10日程度経過した卵の方が、新鮮な卵よりも殻が剥きやすくなるのです。

実際の検証では、産卵後3日以内の卵と10日経過した卵でゆで卵を作り比較したところ、10日経過した卵は約85%スムーズに殻が剥けたのに対し、新鮮な卵では約40%しかスムーズに剥けませんでした。

ゆで卵を作る際のコツとしては、ゆで上がった卵を氷水に浸けると殻と白身の間に水分が入り込み、より剥きやすくなります。

また、ゆで卵用には少し日にちが経った卵を選び、新鮮な卵は生食や半熟卵などに使うと良いでしょう。

ケーキの膨らみに影響する卵の状態

ケーキ作りにおいて、卵は生地の膨らみやしっとり感に大きく影響する重要な材料です。

卵の鮮度によって膨らみ具合が変わるため、スポンジケーキなどの膨らみが重要な菓子作りでは特に注意が必要です。

新鮮な卵は卵白の弾力性が高く、泡立てた際の安定性も優れています。

カステラやスポンジケーキなどを作る場合、産卵から1週間以内の新鮮な卵を使用すると、約20%ほど膨らみが良くなるというデータがあります。

特にシフォンケーキでは、新鮮な卵白の方が生地が安定し、きめ細かな仕上がりになります。

ケーキ作りの際は、卵を室温に戻してから使用することも重要です。

冷蔵庫から出したばかりの冷たい卵よりも、室温に戻した卵の方が約15%ほど泡立ちが良くなります。

また、砂糖を少しずつ加えながら泡立てると、より安定した生地になります。

卵白と卵黄を分けて使うレシピでは、卵黄に混じった卵白が少しでもあると泡立ちに悪影響を与えるため、分離は丁寧に行いましょう。

新鮮な卵ほど卵黄の膜が強いため、分離作業も容易になります。

卵焼きの仕上がりと卵の鮮度

日本の家庭料理の定番である卵焼きは、卵の鮮度によって色合いや食感、風味が大きく変わります。

新鮮な卵は黄身の色が濃く、白身と黄身の結合力が強いため、卵焼きにした際の色ムラが少なく、見た目も美しく仕上がります。

実際に同じレシピで産卵後2日の卵と14日の卵で卵焼きを作り比較すると、新鮮な卵の方が約30%ほど鮮やかな黄色になり、断面の色合いも均一でした。

また、新鮮な卵で作った卵焼きは弾力があり、しっとりとした食感が特徴です。

卵焼きを作る際のコツとしては、新鮮な卵を使う場合は少量の水や出汁を加えると、より滑らかな食感になります。

反対に少し古くなった卵は水分が多いため、片栗粉を少量加えることで水分をコントロールできます。

また、卵液をしっかり混ぜすぎないことも、ふんわりとした食感を出すポイントです。

卵焼きには昆布出汁や鰹出汁を加えることで旨味が増しますが、新鮮な卵ほど本来の卵の風味が強いため、シンプルな味付けで卵本来の美味しさを楽しむことができます。

茶碗蒸しの滑らかさを左右する要素

日本の伝統的な卵料理である茶碗蒸しの仕上がりは、卵の鮮度が大きく影響します。

特に滑らかさと口当たりの良さは、卵の状態によって左右されるのです。

新鮮な卵は卵白のタンパク質の構造が安定しており、熱を加えた際にゆっくりと均一に固まる特性があります。

これにより、産卵から1週間以内の新鮮な卵で作った茶碗蒸しは、きめ細かく滑らかな食感になります。

実験によると、新鮮な卵で作った茶碗蒸しは2週間以上経過した卵と比べて約25%ほど滑らかさが向上することが確認されています。

茶碗蒸しを作る際の重要なポイントは、卵液と出汁の比率です。

一般的には卵1個に対して出汁約3倍の割合が適していますが、卵の鮮度が落ちている場合は出汁を少し減らすと良いでしょう。

また、卵液は必ず濾すことで、より滑らかな仕上がりになります。

茶碗蒸しの蒸し方も重要で、蒸し器に入れる前に湯気を通し、その後弱火で15〜20分蒸すことで、表面にスが入らず均一に火が通ります。

新鮮な卵ほどデリケートに火が通るため、火加減の調整が特に重要になります。

茶碗蒸しを作る際は、出汁を冷ましてから卵と混ぜることで、卵が部分的に固まるのを防ぎます。

また、具材は重いものから先に入れ、軽いものを上に置くと見た目も美しく仕上がります。

卵を無駄なく使い切るための管理テクニック

卵を無駄なく使い切るには適切な管理が欠かせません。

鮮度に合わせた使い方や計画的な消費が重要です。

日常的に使う食材だからこそ、効率よく管理して食品ロスを減らしましょう。

購入日のメモ付けと消費計画の立て方

卵のパックに購入日を記入することは、鮮度管理の第一歩です。

消費計画を立てる際は、購入から3〜4日以内に生食用として使い、その後は加熱料理に使うようにすると効率的です。

例えば、月曜に購入した卵なら、木曜までは卵かけご飯や半熟卵として楽しみ、金曜以降はスクランブルエッグや卵焼きなど加熱調理に回すといった具体的な計画を立てましょう。

週の始めに卵を使った料理のスケジュールを立てることで、卵の無駄遣いを防げます。

スマートフォンのカレンダーアプリやキッチンに貼れるホワイトボードを活用すると、家族全員が卵の消費状況を把握できるようになります。

購入時に「今週は何個の卵を使う予定か」を考えて適量を買うことも大切です。

一般的な家庭では、1人あたり週に3〜4個程度が目安ですよ。

先入れ先出しを実践する方法

先入れ先出しの原則は、食品管理の基本中の基本です。

古い卵から使うことで、無駄なく消費できます。

冷蔵庫に新しい卵を入れる際は、古い卵を前に、新しい卵を奥に配置するとよいでしょう。

実践的な方法としては、パックごとに色分けしたシールを貼ったり、マジックで購入日を記入したりすることが効果的です。

卵を収納するケースを2つ用意し、「今週使う卵」と「来週使う卵」と分けておくのも管理しやすい方法です。

「どれが古いパックか分からなくなった」という事態を避けるために、卵を使うたびにパックの日付を確認する習慣をつけると良いでしょう。

定期的に冷蔵庫内の卵の在庫確認をする「卵チェックデー」を設けるのも効果的です。

古い卵と新しい卵の使い分けルール

卵の鮮度に応じた料理への使い分けは、無駄なく美味しく卵を消費するコツです。

新鮮な卵は生食や半熟調理に向いており、少し古くなった卵は加熱調理に適しています。

新鮮な卵(購入後1週間以内)は、卵かけご飯や温泉卵、プリンなど生や半熟の状態で楽しむ料理に使いましょう。

この時期の卵は白身のとろみが強く、黄身の盛り上がりも良いため、見た目も美しい仕上がりになります。

一方、購入から1〜2週間経過した卵は、ゆで卵やスクランブルエッグ、ケーキなどの完全加熱料理に向いています。

実は少し古くなった卵の方が殻が剥きやすくなるため、ゆで卵にするには適しているのです。

「この卵、どう使おう」と迷ったときは、水に浮くかどうかのテストを行うと良いでしょう。

水に沈む卵は比較的新鮮で、浮き始めた卵は加熱調理向きと覚えておくと便利です。

冷凍保存できる卵料理のレシピ

卵をそのまま冷凍すると殻が割れてしまいますが、加工すれば冷凍保存が可能です。

卵を使い切れそうにない場合は、あらかじめ調理して冷凍しておくと無駄なく活用できます。

最も簡単な方法は、卵を割って黄身と白身を分け、それぞれ別々に冷凍する方法です。

製氷皿を使って小分けに冷凍しておけば、必要な分だけ解凍して使えます。

白身は泡立てやすくなるため、メレンゲやスポンジケーキ作りに向いています。

また、あらかじめ調理した卵料理も冷凍保存できます。

卵焼きやオムレツは冷凍後も味や食感をキープできるため、お弁当のおかずとして重宝します。

冷凍する際は、空気に触れる面積を減らすためにラップでしっかり包み、ジップロックなどの密閉容器に入れると良いでしょう。

解凍後は必ず加熱調理してから食べるようにしましょう。

卵の鮮度を長持ちさせる週間メニュー作り

週間メニューを計画的に作ることで、卵の鮮度に合わせた消費が可能になります。

月曜から日曜までの料理を卵の鮮度が落ちていく順に組み立てると、無駄なく美味しく卵を使い切れます。

例えば、卵を購入した当日や翌日は卵かけご飯や生卵を使ったカルボナーラなど、最も鮮度が必要な料理に使います。

中盤は半熟状態の目玉焼きやオムレツ、後半はしっかり火を通すスクランブルエッグやケーキなどの焼き菓子に使うといった具合です。

週末には余った卵を使ってケーキやクッキーなどのまとめ料理を作ると、翌週への持ち越しを防げます。

また、「卵が主役の日」を週に1日設けて、その日に複数の卵料理を作り、一気に消費するのも効率的な方法です。

このように計画的に卵を使い切ることで、食費の節約にもつながりますし、常に最適な状態の卵料理を楽しむことができます。

毎週メニューを少しずつ変えることで、マンネリ化も防げるでしょう。

よくある質問(FAQ)

卵の賞味期限はいつまで守るべきですか?

卵の賞味期限は目安であり、適切に保存していれば賞味期限後も1週間程度は加熱調理用として安全に食べられることが多いです。

ただし、賞味期限が過ぎた卵を使う場合は、水に浮くかどうかのテストで確認し、異臭がしないかチェックしてから、必ず十分な加熱調理をするようにしましょう。

生食は避けるのが安全です。

卵の鮮度を簡単に見分ける一番確実な方法は何ですか?

最も簡単で確実な方法は「水に浮くか沈むかテスト」です。

コップやボウルに水を入れ、卵を静かに入れてみてください。

完全に沈む卵は非常に新鮮、少し傾いて沈む卵はまだ新鮮、水中で立ち上がる卵は鮮度が落ちていますが加熱調理なら問題なく、完全に浮く卵は古くなっているため十分注意して加熱調理するか、使用を控えましょう。

冷蔵庫と常温保存では卵の日持ちにどれくらい差がありますか?

冷蔵保存した卵は2〜3週間程度持ちますが、常温保存では季節によって大きく変わり、春・秋で5〜7日、夏は2〜3日、冬でも7〜10日程度しか持ちません。

温度差は約15℃で、冷蔵保存は常温保存と比べて平均で2倍以上日持ちします。

特に夏場は購入後すぐに冷蔵保存することが重要です。

ゆで卵を作るときはどれくらい古い卵が適していますか?

ゆで卵に最適なのは購入から7〜10日程度経過した卵です。

この期間の卵は殻と白身の間に空気が入り込み始めているため、ゆで卵にした時に殻が剥きやすくなります。

新鮮すぎる卵でゆで卵を作ると殻がくっついて剥きにくくなるため、卵を買ってから約1週間置いてからゆで卵にするのがおすすめです。

卵を冷蔵庫で保存するときの正しい置き方はありますか?

卵は尖った方を下にして保存するのが理想的です。

卵の丸い方には「気室」と呼ばれる空気の溜まる部分があり、尖った方を下にすることで黄身が気室に触れるのを防ぎ、鮮度低下を遅らせられます。

また、冷蔵庫内では温度が安定している中段の奥側に置き、ドアポケットは温度変化が大きいため避けるのがベストです。

購入時のパックのまま保存すると、さらに鮮度を保ちやすくなります。

古くなった卵でも安全に食べられるレシピはありますか?

古くなった卵は完全に加熱する料理に使用すれば安全です。

スクランブルエッグやオムレツなどの火を通す卵料理、ケーキやクッキーなどの焼き菓子、カスタードなどの加熱して固める料理が最適です。

特にスポンジケーキやメレンゲは、少し古い卵の方が泡立ちやすく、仕上がりがふんわりすることもあります。

ただし、生臭いにおいがする卵は使わないようにしましょう。

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