卵コレステロール最新情報!1日に食べて良い個数は?健康効果とリスクを医師が解説

「卵はコレステロールが高いから体に悪い」そう思っていませんか? 実は、卵とコレステロールの関係については、近年様々な研究が進み、以前の常識が覆されつつあります。卵を安心して美味しく食べるための知識が身につき、毎日の食卓をさらに豊かに彩ることができます。結論として、卵は適切な量を摂取すれば、健康に役立つ栄養豊富な食材です。この記事で、あなたにぴったりの卵の摂取量を見つけて、健康的な食生活を送りましょう。
卵のコレステロールと健康ガイド
卵のコレステロールと1日の摂取量の関係
卵は栄養価が高い食品ですが、コレステロール含有量が多いことも知られています。コレステロールを気にされている方にとって、卵を1日にどれくらい食べて良いのかは気になる点でしょう。
コレステロールについての基礎知識
コレステロールは、細胞膜やホルモンの合成に不可欠な脂質の一種です。体内で生成されるほか、食物からも摂取されます。しかし、コレステロール値が高すぎると、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
コレステロールの種類と役割
コレステロールには、LDLコレステロールLow Density Lipoprotein:低密度リポタンパク質。コレステロールを全身に運ぶ役割(悪玉コレステロール)とHDLコレステロールHigh Density Lipoprotein:高密度リポタンパク質。余分なコレステロールを回収する役割(善玉コレステロール)の2種類があります。
種類 | 役割 |
---|---|
LDLコレステロール (悪玉コレステロール) |
コレステロールを全身の細胞に運ぶ役割。過剰になると血管壁に蓄積し、動脈硬化のリスクを高めます。 |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
血管壁に蓄積したコレステロールを肝臓に戻す役割。動脈硬化の予防に役立ちます。 |
コレステロール値が高いとどうなる?
動脈硬化のリスク:
LDLコレステロール値が高い状態が続くと、血管壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な病気を引き起こす危険因子となります。
1日に食べて良い卵の個数
最新の研究結果
2015年に発表された「日本人の食事摂取基準」では、コレステロールの摂取量の上限値が撤廃されました。これは、食事由来のコレステロールが血中コレステロール値に与える影響は小さいという研究結果に基づいています。
健康な人の安全な摂取量
近年の研究では、健康な人であれば、1日に1~2個の卵を摂取しても、血中コレステロール値に大きな影響はないとされています。ただし、糖尿病や高脂血症などの持病がある場合は、医師に相談することをおすすめします。
持病がある場合の摂取量の注意点
コレステロール値上昇リスク評価
以下の項目に該当する場合は注意が必要です:
卵を食べることによる健康効果
卵は完全栄養食品と呼ばれるほど栄養価が高く、様々な健康効果が期待できます。特に、成長期の子どもや、健康維持に気を遣う大人にとって、卵は毎日の食生活に取り入れたい食材です。
良質なタンパク質の供給源
卵のタンパク質の特徴
卵は良質なタンパク質の宝庫です。タンパク質は筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などを構成する重要な栄養素であり、体の成長や修復に欠かせません。必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。
ビタミン・ミネラル豊富
抗酸化作用
卵の抗酸化成分
卵には抗酸化作用を持つ栄養素も含まれています。ビタミンE、セレン、ルテイン、ゼアキサンチンなどが、体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぎます。特に、ルテインとゼアキサンチンは目の健康維持に重要です。
満腹感の持続
朝食の卵による満腹感の持続
朝食に卵を食べると昼食まで満腹感が持続します
卵を食べることによるリスク
卵は栄養価の高い食品ですが、食べることで発生するリスクも存在します。リスクを正しく理解し、安全に卵を摂取しましょう。
コレステロール値の上昇リスク
コレステロール値が上がりやすい人の特徴
- 遺伝的にコレステロール値が高い
- 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取量が多い
- 運動不足
- 肥満
- 喫煙
- 糖尿病
サルモネラ菌食中毒のリスク
注意:サルモネラ菌のリスク
卵はサルモネラ菌に汚染されている可能性があります。特に、生卵や半熟卵はサルモネラ菌食中毒のリスクが高いため、注意が必要です。小さなお子さん、高齢者、妊婦などは特に注意しましょう。
サルモネラ菌食中毒の予防法
常温保存は避け、10℃以下で保存しましょう
期限を過ぎた卵は加熱調理を徹底しましょう
殻にひびが入った卵は菌が侵入している可能性があります
石鹸で20秒以上洗いましょう
特に抵抗力の弱い方は注意が必要です
75℃で1分以上の加熱が目安です
アレルギーのリスク
卵は食物アレルギーの原因食物の中でも上位に位置する食品です。卵アレルギーは、卵に含まれる特定のタンパク質に対する免疫反応によって引き起こされます。
症状の程度 | 症状 | 対処法 |
---|---|---|
軽度 | じんましん、かゆみなど | 抗ヒスタミン薬の内服 |
中等度 | 嘔吐、下痢、呼吸困難など | 医療機関を受診 |
重度 | アナフィラキシーショック | 救急車を呼ぶ |
卵の選び方と食べ方のポイント
毎日食べるものだからこそ、卵は賢く選びたいですよね。新鮮でおいしい卵を見分けるポイントと、栄養を逃さずおいしく食べるための調理法、そして健康効果を高める食べ合わせについてご紹介します。
新鮮な卵の見分け方
賞味期限をチェック
パックに記載されている賞味期限を確認しましょう。賞味期限は生食できる期限です。加熱調理する場合は、賞味期限が少し過ぎても問題ありませんが、できるだけ期限内に使い切るようにしましょう。
パックの日付を確認
パックされた日付も重要な情報です。より新しい日付のものを選びましょう。
卵の殻をチェック
殻の表面がザラザラとしたものが新鮮です。つるつるしたものは時間が経っている可能性があります。また、ひび割れや汚れがないかも確認しましょう。
卵を割ったときの状態
新鮮な卵は黄身が盛り上がっていて、白身は弾力があり水っぽくありません。また、卵黄の周りの白身(カラザ)が盛り上がっているのも新鮮な証拠です。
おすすめの調理法
食べ合わせでさらに健康効果アップ
どちらもタンパク質が豊富。筋肉の増強や免疫力の向上に効果的です。オムレツやスクランブルエッグにチーズを加えるのがおすすめ。
ほうれん草の鉄分は、卵と一緒に摂取することで吸収率がアップ。貧血予防に効果的な組み合わせです。
アボカドの良質な脂質は、卵のビタミンAの吸収を助けます。美肌効果や眼精疲労の改善に効果的。
特定保健用食品(トクホ)の卵について
特定保健用食品(トクホ)とは、消費者庁が特定の保健の用途を表示することを許可した食品です。卵にもトクホ商品が存在し、コレステロール値が気になる方にとって選択肢の一つとなります。
トクホの卵とは?
トクホ認定の卵の特徴
トクホの卵は、特定の成分が調整されています。コレステロールを下げる効果が期待できる成分を強化したり、逆にコレステロールの含有量を低減したりするなど、様々な工夫が凝らされています。
トクホの卵の種類と効果
商品名 | 特徴 | 対象者 |
---|---|---|
機能性表示食品 キューピーの卵 |
血中コレステロールが気になる方に適した卵。1日2個の摂取で、LDLコレステロール値を下げる効果が期待できます。 | コレステロール値が 気になる方 |
朝の輝き | DHA・EPAを強化した卵。中性脂肪値を下げる効果が期待できます。 | 中性脂肪値が 気になる方 |
トクホの卵を選ぶ際の注意点
トクホ商品の注意点:
• あくまでも食品であり、医薬品ではありません
• 効果には個人差があります
• 過剰な摂取は控えましょう
• 一般の卵より価格が高い傾向があります
まとめ
厚生労働省はコレステロールの摂取量の上限を特に設けていません。
持病がある方は医師に相談しながら、適切な量を摂取しましょう。
この記事を参考に、卵をバランスよく食事に取り入れて、
健康的な食生活を送りましょう。