卵1個のカロリーは意外と低い!栄養満点で健康効果も解説

卵1個のカロリーって気になりますよね。実は卵1個のカロリーは約80kcal前後と、意外と低カロリー。この記事では、卵のサイズ別・調理法別のカロリーを徹底解説します。「卵は高カロリーだから控えたほうがいい」という誤解が多いですが、実は低カロリーで栄養バランスの優れた食品なんです。

「どんな調理法が一番カロリー控えめ?」といった疑問にもお答えします。卵の持つパワーを最大限に活かして、健康的な食生活を始めましょう!

目次

1. 卵1個のカロリーは何kcal?サイズ別に徹底比較

毎日の食卓に欠かせない卵は、手頃な価格で栄養満点の食材です。でも、「卵1個って実際何カロリーなの?」と疑問に思ったことはありませんか?実は卵のカロリーは、そのサイズによって大きく変わります。家族の健康を考える主婦の方や、ダイエット中の方にとって、正確なカロリー知識は大切ですよね。

卵1個あたりのカロリーは、一般的なMサイズ(正味58g)で約76kcalと言われています。これは茶碗半分のご飯(約168kcal)と比べても、かなり低カロリーな食品だということがわかります。

こちらでは、卵のサイズ別カロリーを徹底比較してみましょう。

1.1 Mサイズの卵1個のカロリーと重さ

日本の食卓で最も一般的なMサイズの卵について詳しく見ていきましょう。Mサイズの卵は殻付きで58〜64g、殻を除いた正味重量は約52〜58gとなります。

Mサイズの卵1個(正味約58g)のカロリーは約76kcalです。これは、一般的な成人女性の1日の摂取カロリー(約1800〜2000kcal)のわずか4%程度にすぎません。

Mサイズの卵の詳細栄養素は以下の通りです:

栄養素含有量(Mサイズ1個あたり)1日の摂取推奨量に対する割合
エネルギー76kcal約4%(2000kcalベース)
たんぱく質6.2g約10%
脂質5.2g約8%
炭水化物0.3g約0.1%
コレステロール約210mg

実は、卵の白身部分は非常に低カロリーで、1個あたり約17kcalしかありません。カロリーの大部分は黄身に含まれているのです(約59kcal)。ダイエット中の方は白身だけを使ったレシピも良いかもしれませんね。

1.2 Lサイズの卵1個のカロリーと重さ

お弁当作りやおもてなし料理に重宝するLサイズの卵は、見た目のインパクトも大きく人気があります。Lサイズの卵は殻付きで64〜70g、殻を除いた正味重量は約58〜63gになります。

Lサイズの卵1個(正味約63g)のカロリーは約82kcalです。Mサイズと比較すると約6kcal高くなりますが、それでも非常に低カロリーな食品と言えます。

Lサイズの卵の詳細栄養素は以下の通りです:

栄養素含有量(Lサイズ1個あたり)Mサイズとの差
エネルギー82kcal+6kcal
たんぱく質6.7g+0.5g
脂質5.6g+0.4g
コレステロール約230mg+20mg

日本家政学会誌の研究によると、卵のサイズが大きくなるにつれて、黄身と白身の比率は若干変化し、その結果栄養価にも微妙な違いが生じるそうです。しかし、栄養素の質自体に大きな違いはありません。

1.3 SSサイズからLLサイズまで一覧表

日本の卵のサイズ規格は、JAS(日本農林規格)によって定められています。スーパーや八百屋さんで見かける卵のパッケージに「MS」「LL」などと表示されているのはこれに基づいています。それぞれのサイズごとのカロリーを比較してみましょう。

サイズ殻付き重量正味重量(約)カロリー(約)
SS40g未満36g47kcal
S40〜52g46g60kcal
MS52〜58g52g68kcal
M58〜64g58g76kcal
L64〜70g63g82kcal
LL70g以上68g89kcal

興味深いことに、SSサイズからLLサイズまで、卵のカロリーは約2倍近く差があります。料理で大量に卵を使う場合や、ダイエット中のカロリー計算をする際には、このサイズ差を考慮する必要があるでしょう。

地元の「絆養鶏場」のような直売所で購入できる新鮮な卵は、栄養価が高いことが多いです。特に、平飼いや有機飼料で育てられた鶏の卵は、オメガ3脂肪酸やビタミンEの含有量が一般的な卵より多いという研究結果もあります。

また、卵のサイズ選びは料理によっても異なります。例えば:

  • 茶碗蒸しやプリンなどの精密さが求められる料理には中サイズ(M)が適しています
  • 目玉焼きやゆで卵などの単品料理には大きめの卵(LやLL)が見栄えが良いでしょう
  • お菓子作りやマヨネーズ作りなど量を正確に計る必要がある場合は、規格が統一されているMサイズがおすすめです

カロリーを気にしながらも栄養をしっかり摂りたい方は、卵を上手に活用することで、バランスの良い食生活を送ることができます。次の章では、調理方法によって変わる卵のカロリーについて見ていきましょう。

2. 卵1個の調理方法別カロリー比較

卵は調理法によってカロリーが変わることをご存知でしょうか?同じ卵1個でも、油を使うか使わないか、どのように加熱するかによって、実際に摂取するカロリーは大きく異なります。ここでは、代表的な調理法別に卵1個のカロリーを詳しく比較していきましょう。

2.1 生卵1個のカロリー

まず基本となる生卵1個(Mサイズ・殻なし約50g)のカロリーは約76kcalです。これが卵の「素のカロリー」と考えてよいでしょう。

生卵は卵かけご飯やすき焼きなど、日本の食文化では欠かせない食べ方ですね。栄養素の損失も最小限で、たんぱく質の消化吸収率も高いのが特徴です。

ただし、生で食べる場合は必ず新鮮な生食用の卵を選びましょう。一般的なスーパーで販売されている卵のパッケージには「生食用」と表示があるものを選ぶことが安全です。

内訳含有量
総カロリー76kcal
たんぱく質6.2g
脂質5.2g
炭水化物0.3g

2.2 ゆで卵1個のカロリー

ゆで卵は生卵とほぼ同じカロリーで、Mサイズ1個(約50g)あたり約76〜78kcalです。油を使わない調理法なので、余分なカロリーが加わることはありません。

ゆで加減によっても若干の違いはありますが、カロリー的にはほとんど変わりません。半熟卵も完全に火を通した固ゆで卵も、基本的に同じカロリーと考えて良いでしょう。

ゆで卵はサラダのトッピングやおつまみ、お弁当のおかずなど様々な用途で活躍します。手軽に持ち運べて低カロリーな高タンパク食品として、ダイエット中の方にも人気です。

2.2.1 ゆで時間別の特徴

ゆで時間状態カロリー(Mサイズ1個)特徴
3〜4分半熟約76kcal黄身がとろりとして栄養吸収率が高い
7〜8分やや固め約77kcal黄身が少し固まり、カットしやすい
10分以上完全固ゆで約78kcal黄身が完全に固まり、保存性が高い

日本食品科学工学会誌の研究によると、ゆで卵にすることで生卵よりもたんぱく質の消化率がわずかに向上するという結果も報告されています。

2.3 目玉焼き1個のカロリー

目玉焼きは使用する油の量によってカロリーが大きく変わります。サラダ油大さじ1杯(約12g)を使って焼いた場合、Mサイズの卵1個で約170kcalになります。

これは生卵の約76kcalに油の約94kcalが加わった計算です。つまり、調理に使う油のカロリーが卵本体のカロリーよりも多くなることがあるのです。

カロリーを抑えたい場合は、フライパンに薄く油をひく程度にするか、ノンスティック加工のフライパンを使って油を極力減らす工夫をしましょう。また、オリーブオイルなど健康的な油を選ぶことも大切です。

2.3.1 油の使用量別カロリー比較

調理方法使用油量総カロリー
油多め大さじ1(約12g)約170kcal
油普通小さじ2(約8g)約140kcal
油少なめ小さじ1(約4g)約110kcal
ノンオイル油スプレー少量約80kcal

2.4 茹で卵と炒り卵のカロリー差

茹で卵と炒り卵(スクランブルエッグ)のカロリー差は主に調理時に加える材料によって生じます。純粋な卵のカロリー自体は変わりませんが、炒り卵には油や牛乳、バターなどが加わるため、総カロリーが増加します。

一般的な炒り卵(Mサイズ1個分)のカロリーは、調理法によって以下のように変わります:

  • 油のみで炒めた場合:約120〜130kcal
  • 油と牛乳(大さじ1)で炒めた場合:約140〜150kcal
  • バター(5g)で炒めた場合:約150〜160kcal

一方、茹で卵はMサイズ1個で約76〜78kcalなので、同じ卵1個を使った料理でも、炒り卵は茹で卵より約50〜80kcal高くなることがわかります。

ダイエット中の方は、茹で卵やゆで卵の方がカロリーコントロールしやすいでしょう。どうしても炒り卵が食べたい場合は、油を減らしてノンスティック加工のフライパンを使うなどの工夫をすることをおすすめします。

2.4.1 その他の卵料理とカロリー比較

料理名1人前あたりの卵使用量1人前のカロリー備考
オムレツ2個約300kcal具材や油によって変動
茶わん蒸し1個約100kcal具材による追加カロリーあり
卵焼き2個約230kcal砂糖や醤油を含む
温泉卵1個約76kcalほぼ生卵と同等
ポーチドエッグ1個約78kcal油不使用で低カロリー

文部科学省の日本食品標準成分表のデータによると、卵料理のカロリーは調理法によって大きく異なることがわかります。油や調味料を使わないゆで卵や温泉卵が最も低カロリーで、油を使う炒り卵や目玉焼きは相対的に高カロリーになります。

絆養鶏場の卵は、一般的な卵と比べてビタミンEが豊富なことで知られており、どの調理法でも栄養価の高い食事が楽しめます。カロリーを気にする方は調理法を工夫して、卵の栄養を効率よく摂取しましょう。

3. 卵1個に含まれる主要栄養素

卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、栄養価が高い食品です。たった1個の卵に、人間の体に必要な栄養素がバランスよく含まれています。ここでは、卵1個に含まれる主要な栄養素について詳しく解説します。

3.1 たんぱく質と脂質の含有量

卵1個(Mサイズ・約60g)には、約6.2gのたんぱく質が含まれています。これは成人女性の1日の推奨摂取量(約50g)の約12%に相当します。卵のたんぱく質はアミノ酸スコア100を誇る良質なたんぱく質で、体内での利用効率が非常に高いのが特徴です。

脂質については、卵1個あたり約4.7gが含まれています。この脂質の約60%は不飽和脂肪酸で、健康に良いとされる脂質です。特にオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)が豊富に含まれています。

栄養素含有量(卵1個・Mサイズ約60g)1日の推奨摂取量に対する割合
たんぱく質約6.2g約12%(成人女性の場合)
脂質約4.7g約7%(成人女性の場合)
コレステロール約210mg

卵に含まれるコレステロールについては長年誤解がありましたが、日本疫学会の研究によると、健康な人が適量の卵を食べる場合、血中コレステロール値に大きな影響を与えないことがわかっています。

3.2 ビタミン・ミネラルの種類と含有量

卵は多種多様なビタミンとミネラルの宝庫です。特に脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの両方がバランスよく含まれています。

3.2.1 卵に含まれる主なビタミン類

ビタミン含有量(卵1個あたり)主な働き
ビタミンA約80μg視力維持、肌や粘膜の健康維持
ビタミンD約1.0μgカルシウムの吸収促進、骨の形成
ビタミンE約0.6mg抗酸化作用、細胞の老化防止
ビタミンB1約0.05mg糖質の代謝促進、神経機能の維持
ビタミンB2約0.4mg細胞の成長・再生、エネルギー生成
ビタミンB6約0.08mgたんぱく質の代謝、神経伝達物質の合成
ビタミンB12約0.5μg赤血球形成、神経機能の維持
葉酸約25μg細胞分裂、DNAの合成

特筆すべきは、卵に含まれるビタミンB2(リボフラビン)の量です。卵1個で1日の推奨摂取量の約30%を摂取できます。ビタミンB2はエネルギー代謝や肌の健康維持に重要な栄養素です。

3.2.2 卵に含まれる主なミネラル類

ミネラル含有量(卵1個あたり)主な働き
鉄分約1.0mg赤血球の形成、酸素の運搬
亜鉛約0.8mg味覚維持、免疫機能、たんぱく質合成
セレン約20μg抗酸化作用、甲状腺機能の調整
リン約100mg骨や歯の形成、エネルギー代謝
カリウム約60mg神経伝達、筋肉の収縮

卵に含まれるセレンは、体内の抗酸化システムに重要な役割を果たします。卵1個で1日の推奨摂取量の約30%を摂取できる貴重な供給源です。

日本栄養・食糧学会誌の研究によると、卵に含まれるミネラルは生体利用率が高く、効率よく体内に吸収されるという特徴があります。

3.3 卵黄と卵白の栄養素の違い

卵は卵黄(黄身)と卵白(白身)に分けることができ、それぞれに含まれる栄養素は大きく異なります。

3.3.1 卵黄に多く含まれる栄養素

卵黄は栄養の宝庫と言われており、卵全体の栄養素の大部分が卵黄に集中しています。

  • 脂溶性ビタミン(A, D, E, K):ほぼすべてが卵黄に含まれます
  • 脂質:卵の脂質のほとんどが卵黄に含まれます
  • コレステロール:卵に含まれるコレステロールはすべて卵黄に存在します
  • ルテインとゼアキサンチン:目の健康に良い色素成分
  • コリン:脳の発達や肝機能に重要な栄養素
  • ミネラル:鉄、亜鉛、セレンなどのミネラルの多くは卵黄に含まれています

卵黄には「レシチン」と呼ばれるリン脂質も含まれており、これは細胞膜の構成成分となる重要な栄養素です。また、レシチンに含まれるコリンは脳の発達や記憶力の向上に役立ちます。

3.3.2 卵白に多く含まれる栄養素

卵白は低カロリーで高タンパクという特徴があります。

  • たんぱく質:卵のたんぱく質の約50%が卵白に含まれます
  • 水分:卵白は約90%が水分です
  • ナトリウム:卵白にはナトリウムが含まれています
  • リボフラビン(ビタミンB2):水溶性ビタミンの一部は卵白にも含まれます

卵白に含まれるたんぱく質の主成分は「アルブミン」で、これは消化吸収率が非常に高いたんぱく質です。また、卵白には脂質がほとんど含まれていないため、低カロリーで高たんぱくな食品を求める方に人気があります。

栄養成分卵黄(1個分)卵白(1個分)
カロリー約55kcal約17kcal
たんぱく質約2.7g約3.5g
脂質約4.5gほぼ0g
コレステロール約210mg0mg
ビタミン脂溶性ビタミン(A,D,E,K)、一部の水溶性ビタミン一部の水溶性ビタミン(B2など)
ミネラル鉄、亜鉛、セレンなど多数ナトリウム、カリウムなど

国内の養鶏場、例えば私たち「絆養鶏場」のような自然環境で育てられた鶏の卵は、一般的な卵に比べてビタミンEやオメガ3脂肪酸の含有量が高いという研究結果もあります。これは鶏の飼料や飼育環境が卵の栄養価に影響を与えるためです。

農林水産省の資料によると、卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養バランスに優れた食品で、世界中で重要なたんぱく源として認識されています。

3.3.3 卵に含まれる機能性成分

卵には栄養素以外にも、健康に良い影響を与える機能性成分が含まれています。

  • ルテイン・ゼアキサンチン:目の健康を守るカロテノイド
  • コリン:脳の発達や肝機能をサポート
  • オボムチン:免疫力を高める糖たんぱく質
  • リゾチーム:抗菌作用を持つ酵素

特にルテインとゼアキサンチンは、加齢による黄斑変性症のリスク低減に効果があるとされ、目の健康維持に貢献します。これらの成分は卵黄に含まれており、卵を食べることで効率よく摂取できます。

このように、卵1個には様々な栄養素がバランス良く含まれており、日々の食事に取り入れることで、健康維持や栄養バランスの改善に役立ちます。特に成長期のお子さんや、健康を意識する中高年の方にとって、卵は優れた栄養源となるでしょう。

4. 卵1個で得られる健康効果

卵は「完全食品」とも呼ばれるほど栄養価の高い食材です。たった1個の卵から得られる健康効果は驚くほど多岐にわたります。カロリーが気になる方も、その栄養価を知れば積極的に取り入れたくなるはずです。ここでは、卵1個から得られる主な健康効果についてご紹介します。

4.1 筋肉増強に役立つ良質なたんぱく質

卵1個(Mサイズ)には約6.2gのたんぱく質が含まれています。これは成人女性の1日の必要摂取量(約50g)の約12%に相当します。卵のたんぱく質が特別なのは、そのアミノ酸スコアが100と、人間の体に必要な全ての必須アミノ酸をバランスよく含んでいる点です。

アミノ酸の種類卵1個あたりの含有量(mg)筋肉への主な効果
リジン440筋肉の成長と修復
ロイシン520筋タンパク質合成の促進
バリン410筋肉組織の修復
イソロイシン340持久力向上、回復促進

特に朝食で卵を摂ることで、一日中筋肉合成に必要な栄養素を体に供給できます。日本スポーツ栄養学会の研究によると、朝食に良質なたんぱく質を摂取することで、その日1日の筋肉合成が効率的に行われることが示されています。

また、年齢を重ねるにつれて筋肉量は自然に減少していきますが、卵のたんぱく質は高齢者の筋肉維持にも効果的です。特に卵は消化吸収率が高いため、高齢者や消化機能が弱っている方にもおすすめの食材です。

4.2 目の健康を守るルテインとゼアキサンチン

現代人の多くはスマートフォンやパソコンなどのブルーライトに長時間さらされており、目の健康が懸念されています。卵に含まれるルテインとゼアキサンチンは、目の網膜に集まり、有害な光から目を保護する働きがあります

特に黄身に豊富に含まれるこれらの成分は、加齢黄斑変性症(AMD)やその他の目の疾患リスクを低減する可能性があることが、複数の研究で示されています。

成分卵1個あたりの含有量目の健康への主な効果
ルテイン約250μgブルーライトのダメージから保護
ゼアキサンチン約200μg網膜の黄斑部を保護

野菜に含まれるルテインと比較して、卵黄のルテインは脂溶性のため吸収率が高いという利点があります。毎日の朝食に卵を1個取り入れるだけで、目の健康維持に役立ちます。特にパソコン作業が多い方や、高齢者の方には積極的に摂っていただきたい栄養素です。

4.3 脳の発達に重要なコリン

卵は、脳の発達と機能に重要な栄養素であるコリンの最も豊富な食品源の一つです。コリンは神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆体として機能し、記憶力や集中力に関わっています。

特に妊婦さんや乳幼児の脳発達において、コリンは必須の栄養素です。日本栄養・食糧学会によると、妊娠中や授乳中のコリン摂取は胎児や乳児の認知機能発達に良い影響を与えることが示されています。

卵1個には約147mgのコリンが含まれており、これは成人女性の1日の推奨摂取量(425mg)の約35%に相当します。妊婦さんの場合はさらに摂取量が増えるため(450mg)、毎日の食事に卵を取り入れることは賢明な選択と言えるでしょう。

また、高齢者においても、コリンは認知機能の維持に役立つ可能性があります。年齢を重ねても健康な脳機能を保つために、卵は理想的な食品の一つです。

4.3.1 年齢別コリン推奨摂取量と卵1個の貢献度

年齢・性別推奨コリン摂取量(mg)卵1個のコリン含有量(mg)充足率(%)
成人女性425147約35%
妊婦450147約33%
授乳中550147約27%
成人男性550147約27%
子供(4-8歳)250147約59%

4.4 卵が持つ抗酸化作用

酸化ストレスは老化の主な原因の一つとされています。卵、特に卵黄にはセレン、ビタミンE、カロテノイドなどの抗酸化物質が豊富に含まれており、体内の酸化ストレスと戦う助けとなります

セレンは強力な抗酸化酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼの構成成分として機能します。卵1個には約15μgのセレンが含まれており、これは成人の1日の推奨摂取量(55μg)の約27%に相当します。

また、卵に含まれるビタミンEは脂溶性の抗酸化物質として知られ、特に細胞膜の酸化を防ぐ役割があります。さらに、前述のルテインやゼアキサンチンも抗酸化作用を持ち、全身の健康維持に貢献します。

日本健康・栄養食品協会の報告によると、バランスの取れた抗酸化物質の摂取は、生活習慣病のリスク低減につながる可能性があります。卵はそのような抗酸化物質を複合的に含む優れた食品と言えるでしょう。

抗酸化物質卵1個あたりの含有量主な効果
セレン約15μg細胞を酸化ダメージから保護
ビタミンE約0.5mg細胞膜の酸化防止
ルテイン・ゼアキサンチン約450μg目や皮膚の酸化防止

特に注目したいのは、これらの抗酸化物質が卵の中で理想的なバランスで存在していることです。例えば、ビタミンEとセレンは協力して働くことでより効果的に体を守ります。自然の食品である卵からこれらの栄養素をまとめて摂取できることは、大きなメリットと言えるでしょう。

4.4.1 年代別に見る卵の抗酸化作用の重要性

年齢を重ねるにつれて体内の抗酸化システムは弱くなっていきます。40代以降の方にとって、食事からの抗酸化物質摂取はより重要になってきます。卵は手軽に入手できて調理も簡単なため、毎日の食事に取り入れやすい抗酸化物質源と言えるでしょう。

また、お子さんの成長期にも、これらの栄養素は重要な役割を果たします。免疫システムの発達や細胞の健全な成長に抗酸化物質は不可欠です。朝食に卵を取り入れることで、一日のスタートから必要な栄養素を効率よく摂取できます。

このように、卵1個から得られる健康効果は非常に多岐にわたります。そのカロリーを気にするよりも、むしろ積極的に取り入れるべき理由がたくさんあることがお分かりいただけたでしょうか。次章では、卵のカロリーに関する最新の研究結果について詳しく見ていきましょう。

5. 卵のカロリーを気にする必要はある?最新の研究結果

「卵はコレステロールが高いから控えた方がいい」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、近年の研究では卵に対する認識が大きく変わってきています。卵1個のカロリーは意外と低く、栄養価も高いため、むしろ積極的に摂取すべき食品という見方が主流になってきました。ここでは、卵のカロリーや栄養について、最新の研究結果をもとにご紹介します。

5.1 コレステロールと卵の誤解

長い間、卵は「コレステロールが多いから控えるべき」と言われてきました。確かに卵1個には約200mgのコレステロールが含まれています。しかし、最近の研究では、食品から摂取するコレステロールと血中コレステロール値との関連性は以前考えられていたほど強くないことがわかってきました。

2015年、アメリカ心臓協会と農務省の食事ガイドラインから「コレステロール摂取制限」の記述が削除されました。これは長年の研究結果を踏まえた大きな方針転換でした。アメリカ国立衛生研究所による研究でも、健康な成人であれば、卵の摂取が直接的に心臓病リスクを高めるわけではないことが示されています。

実は体内のコレステロールの約80%は肝臓で生成されるもので、食事から摂取するコレステロールは残りの約20%に過ぎません。さらに、食事からコレステロールを多く摂ると、体は自動的に肝臓でのコレステロール生成を減らす調整機能を持っています。

5.2 ダイエット中の卵摂取の注意点

ダイエット中こそ、実は卵が味方になってくれます。Mサイズの卵1個(約60g)のカロリーは約90kcalと比較的低く、そのわりに満腹感が得られる食品です。

日本栄養・食糧学会誌に掲載された研究によると、朝食に卵を取り入れると、昼食での総カロリー摂取量が減少する傾向があることがわかっています。これは卵に含まれる良質なたんぱく質が満腹感を持続させるためと考えられています。

ただし、卵料理の調理法によってはカロリーが大幅に増えることがあります。例えば、オムレツやスクランブルエッグを作る際に使用するバターや油、マヨネーズなどの調味料には注意が必要です。

調理法卵のみのカロリー(kcal)調味料等を含めたカロリー(kcal)増加率
ゆで卵90900%
目玉焼き(油少々)90約120約33%
オムレツ(バター使用)90約150-180約67-100%
スクランブルエッグ(牛乳・バター使用)90約130-160約44-78%

ダイエット中は、茹で卵や水で作る温泉卵などがおすすめです。また、豆腐と卵を組み合わせた料理も低カロリーで栄養バランスに優れています。

5.2.1 ダイエット中の卵料理のコツ

ダイエット中でも美味しく卵料理を楽しむコツをいくつかご紹介します:

  • 油の代わりにシリコンの調理器具や、テフロン加工のフライパンを使用する
  • 卵黄が気になる方は、全卵1個と卵白1個を組み合わせる
  • マヨネーズの代わりに低脂肪のヨーグルトやプレーンヨーグルトを使用する
  • 香辛料や香味野菜(青ネギ、しそ、パセリなど)を活用して、油や塩を減らしても満足感のある味に

5.3 1日に食べても良い卵の個数

では、1日に何個まで卵を食べても大丈夫なのでしょうか?この質問に対する答えは、人によって異なります。

健康な成人であれば、1日1〜2個の卵を摂取しても健康上の問題はないというのが、現在の栄養学における一般的な見解です。実際、日本公衆衛生雑誌に掲載された研究でも、1日1個程度の卵摂取は健康に悪影響を与えないことが示されています。

ただし、以下のような方は医師や栄養士と相談の上、卵の摂取量を調整することをおすすめします:

  • 糖尿病患者
  • すでに心血管疾患を患っている方
  • 家族性高コレステロール血症の方
  • 卵アレルギーがある方

国際的な栄養指針である「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、コレステロールの上限摂取量の目安を特に設定していません。これは最新の科学的エビデンスに基づき、食品中のコレステロールよりも、飽和脂肪酸の摂取量を控えることがより重要だと考えられているためです。

5.3.1 年代別の推奨卵摂取量

年齢や性別、生活スタイルによって適切な卵の摂取量は異なります。一般的な目安として、以下の表を参考にしてください:

対象推奨される1日の卵摂取量備考
一般的な健康な成人1〜2個問題なく摂取可能
アスリート・筋トレ愛好家2〜3個筋肉の回復や増強に役立つ
子供(3歳以上)1個程度成長に必要な栄養素を含む
高齢者1〜2個たんぱく質やビタミンDの補給に有効
糖尿病患者医師と相談個人の状態に応じて調整が必要

絆養鶏場の平飼い卵のように、鶏の飼育環境に配慮された卵は、栄養価もより高いという報告もあります。特にビタミンEやオメガ3脂肪酸が豊富で、健康的な食生活に取り入れやすい食材です。

5.3.2 卵の賢い選び方

卵を購入する際のポイントをいくつかご紹介します:

  • 新鮮な卵ほど栄養価が高い傾向があります
  • 可能であれば平飼いや有機栽培の卵を選ぶと良いでしょう
  • 賞味期限をチェックし、2週間以内に食べきれる量を購入するのがベスト
  • 殻にヒビが入っていないものを選びましょう

卵は低カロリーながら栄養価の高い、優れた食品です。古い情報に惑わされず、最新の研究結果を参考に、ご自身の健康状態に合わせて適切に摂取することをおすすめします。特に成長期のお子さんや筋肉量の維持が必要な高齢の方には、毎日の食事に取り入れたい食材と言えるでしょう。

6. 卵1個を使った低カロリーレシピ

卵は低カロリーながら栄養価が高いため、ダイエット中の方や健康志向の方にとって理想的な食材です。ここでは、卵1個を使った様々な低カロリーレシピをご紹介します。毎日の食事に取り入れやすく、栄養バランスも考慮したメニューばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。

6.1 簡単ヘルシーな卵料理の基本

卵料理を低カロリーに仕上げるコツは、油の使用を最小限にすることと、野菜をたっぷり組み合わせることです。基本的な調理法から見ていきましょう。

6.1.1 シリコンスチーマーで作る蒸し卵

電子レンジとシリコンスチーマーがあれば、油を使わずに簡単に卵料理が作れます。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
だし汁または水 50ml0kcal
塩 少々0kcal
合計約90kcal

作り方は簡単です。卵をボウルに割り入れ、だし汁と塩を加えて混ぜます。シリコンスチーマーに流し入れ、ふたをして電子レンジで1分半ほど加熱するだけ。お好みで青ねぎやしょうゆを少々かけると風味がアップします。

6.1.2 フライパン1つで作るヘルシー炒り卵

油を使わずにフライパンで作る炒り卵は、カロリーを抑えつつ満足感のある一品です。

テフロン加工のフライパンを使えば、油をほとんど使わずに調理できます。キッチンペーパーで薄く油を塗る程度で十分です。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
小ねぎ 5g約2kcal
塩・こしょう 少々0kcal
油(スプレータイプ) 1吹き約3-5kcal
合計約95-97kcal

フライパンにオイルスプレーを軽く吹きかけ、溶き卵を流し入れます。木べらで大きく混ぜながら半熟状態になったら小ねぎを加え、塩・こしょうで味を調えて完成です。

6.2 野菜と組み合わせたダイエットレシピ

卵と野菜を組み合わせることで、少ない卵でもボリュームのある料理に仕上がります。食物繊維も摂れて一石二鳥です。

6.2.1 トマトと卵の簡単スープ

トマトに含まれるリコピンは抗酸化作用があり、卵のたんぱく質と組み合わせることで栄養バランスの良いスープになります。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
トマト 1/2個約10kcal
玉ねぎ 1/8個約5kcal
コンソメ顆粒 小さじ1/2約5kcal
水 200ml0kcal
塩・こしょう 少々0kcal
合計約110kcal

作り方は、鍋に水とコンソメを入れて温め、細切りにした玉ねぎとざく切りにしたトマトを加えます。沸騰したら溶き卵を回し入れ、塩・こしょうで味を調えれば完成です。味の素レシピサイトでも類似のレシピが紹介されています。

6.2.2 彩り野菜のマイクロ蒸し卵

カラフルな野菜を加えることで、見た目も華やかに栄養価もアップするレシピです。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
ブロッコリー 30g約10kcal
パプリカ(赤) 20g約6kcal
ほうれん草 20g約5kcal
だし汁 50ml約3kcal
塩 少々0kcal
合計約114kcal

野菜を小さく切り、軽く茹でておきます。卵をボウルに割り入れ、だし汁と塩を加えて混ぜます。耐熱容器に野菜を彩りよく並べ、卵液を注ぎ入れます。ラップをかけて電子レンジで2分ほど加熱すれば完成です。

野菜は季節のものを取り入れることで、一年を通じて飽きずに続けられます。また、彩りよく野菜を選ぶことで、異なる栄養素をバランスよく摂取できます。

6.2.3 きのこと卵の具だくさんスープ

きのこ類は低カロリーで食物繊維が豊富。卵との相性も抜群です。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
しめじ 30g約10kcal
えのき 30g約8kcal
舞茸 20g約7kcal
和風だし 300ml約5kcal
しょうゆ 小さじ1約5kcal
みりん 小さじ1/2約8kcal
合計約133kcal

鍋にだし汁を沸かし、食べやすく切ったきのこ類を入れます。きのこがしんなりしたら、しょうゆとみりんで味を調えます。溶き卵を回し入れ、半熟状態になったら火を止めます。お好みで小ねぎやしょうがを加えても良いでしょう。

キユーピー公式サイトでも似たようなレシピが紹介されています。

6.3 プロテイン強化の朝食アイデア

朝食に卵を取り入れることで、一日のスタートから必要なたんぱく質を摂取できます。特に運動習慣のある方や筋肉量を維持したい方におすすめです。

6.3.1 野菜たっぷりオープンオムレツ

オムレツというと油をたっぷり使うイメージがありますが、工夫次第で低カロリーに仕上げることができます。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
ほうれん草 30g約7kcal
ミニトマト 2個約10kcal
玉ねぎ 1/8個約5kcal
オリーブオイル 小さじ1/4約10kcal
塩・こしょう 少々0kcal
合計約122kcal

フライパンにオリーブオイルを薄く敷き、みじん切りにした玉ねぎを炒めます。しんなりしたらほうれん草を加え、軽く炒めます。溶き卵を流し入れ、半熟状態になったら切り分けたミニトマトをのせ、塩・こしょうで味を調えて完成です。

朝食にこのオープンオムレツと全粒粉トーストを組み合わせると、炭水化物とたんぱく質のバランスが良い朝食になります

6.3.2 卵と豆腐のヘルシースクランブル

豆腐を加えることで、卵の量を減らしつつボリュームアップできるレシピです。大豆製品と卵の組み合わせで良質なたんぱく質が摂取できます。

材料(1人分)カロリー
卵1個約90kcal
絹豆腐 50g約35kcal
ねぎ 5g約2kcal
醤油 小さじ1/2約3kcal
オリーブオイル 小さじ1/4約10kcal
合計約140kcal

豆腐を手で粗くつぶし、卵と混ぜ合わせます。フライパンに少量のオリーブオイルを熱し、卵と豆腐の混合物を入れます。木べらで混ぜながら半熟状態になるまで炒め、醤油で味付けし、刻みねぎを散らして完成です。

朝食だけでなく、忙しい夜のワンプレートディナーとしてもおすすめです。ミツカン公式レシピサイトでも豆腐と卵を使った類似のレシピが紹介されています。

6.3.3 卵とアボカドのヘルシーサンドイッチ

良質な脂質を含むアボカドと卵を組み合わせた、栄養価の高いサンドイッチです。

材料(1人分)カロリー
卵1個(ゆで卵)約90kcal
アボカド 1/4個約80kcal
全粒粉パン 1枚約80kcal
レタス 10g約2kcal
トマト 1/4個約5kcal
塩・こしょう 少々0kcal
合計約257kcal

ゆで卵を作り、薄切りにします。アボカドはつぶして塩・こしょうで味を調えます。全粒粉パンにアボカドペーストを塗り、レタス、トマト、ゆで卵をはさみます。

このサンドイッチは、良質な脂質、たんぱく質、食物繊維がバランスよく含まれている朝食の理想形です。エネルギーがゆっくり放出されるため、午前中の活動をサポートします。

お子さまのお弁当にも最適で、見た目も華やかなので喜ばれること間違いなしです。

6.3.4 卵と納豆のパワー朝食ボウル

和食の定番である納豆と卵を組み合わせた、たんぱく質豊富な朝食レシピです。

材料(1人分)カロリー
卵1個(温泉卵または生卵)約90kcal
納豆 1パック(40g)約80kcal
温かいご飯 100g約168kcal
小ねぎ 5g約2kcal
のり 2g約5kcal
醤油 小さじ1約5kcal
合計約350kcal

温かいご飯をボウルに盛り、納豆と温泉卵または生卵をのせます。刻んだ小ねぎとのりを散らし、お好みで醤油をかけて完成です。

カロリーはやや高めですが、一日のスタートに必要なエネルギーと栄養素がバランスよく含まれています。ご飯の量を調節することでカロリーコントロールも可能です。

この朝食メニューは日本の伝統的な食事で、農林水産省の食育ページでも推奨されている栄養バランスの良い食事です。

以上のレシピは、卵1個という限られた材料でもバリエーション豊かな料理が作れることを示しています。油の使用量を抑え、野菜や豆腐などと組み合わせることで、低カロリーながら栄養価の高い食事を実現できます。毎日の食事に取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。

7. 卵アレルギーの方へ~代替食品とそのカロリー

卵は優れた栄養源ですが、残念ながら卵アレルギーを持つ方も少なくありません。日本では子どもの約1〜2%が卵アレルギーを持っていると言われています。しかし、卵が食べられなくても代わりになる食品はたくさんあります。ここでは卵アレルギーの方に向けて、卵の代替となる食品とそのカロリー・栄養素について詳しくご紹介します。

7.1 卵の代わりになる食品とそのカロリー比較

卵の代わりに使える食品は、料理の目的によって様々です。まずは卵1個(Mサイズ・約60g)のカロリー約90kcalと比較しながら、主な代替品のカロリーを見ていきましょう。

代替食品(1食分)カロリー(kcal)たんぱく質(g)おすすめの使用用途
絹ごし豆腐(100g)565.0スクランブルエッグ風、デザート
木綿豆腐(100g)726.6炒め物、ハンバーグ
おから(50g)835.0パンケーキ、クッキー
バナナ(1本/約100g)861.1製菓の結着剤
アボカド(1/2個/約50g)921.0マヨネーズ代わり、ドレッシング
豆乳(100ml)443.6ドリンク、シチュー

このように、卵の代替品の多くは卵よりも低カロリーで、特に豆腐や豆乳などの大豆製品は良質なたんぱく質も含んでいます。豆腐は卵と同じく良質なたんぱく質が含まれており、特に卵アレルギーの方のたんぱく質源として優れています

7.1.1 料理目的別の代替品使い方ポイント

卵は料理の中で様々な役割を果たしていますが、その役割に応じた代替品を選ぶことが大切です。

  • つなぎや結着剤として:おから、すりおろしたじゃがいも、パン粉を牛乳で湿らせたもの
  • 膨張剤として:重曹とクエン酸(またはお酢)の組み合わせ
  • コクや風味づけとして:ナッツ類のペースト、豆乳クリーム
  • とろみづけとして:片栗粉、コーンスターチ、小麦粉

例えば、ハンバーグのつなぎには卵の代わりに豆腐やおからを使うと、食物アレルギーに関する厚生労働省の情報によれば、カロリーを抑えながらも食感を損なわない調理が可能です。

7.2 植物性代替品のカロリーと栄養価

近年は植物性の卵代替品も増えてきています。これらは卵アレルギーの方だけでなく、ビーガンの方にも人気があります。

7.2.1 市販の卵代替製品

スーパーやオンラインショップで購入できる主な卵代替品をご紹介します。

商品名(例)主原料カロリー(100gあたり)特徴・用途
卵不使用マヨネーズタイプ植物油、豆乳約450kcalサンドイッチ、サラダ
大豆ミート(ひき肉タイプ)大豆たんぱく約340kcalハンバーグ、肉そぼろ代わり
ひよこ豆の水(アクアファバ)ひよこ豆の煮汁約20kcalメレンゲ代わり、ムース

ひよこ豆の水(アクアファバ)は特に注目の代替品で、泡立てるとメレンゲのようになり、非常に低カロリーながら卵白に近い働きをします日本アレルギー学会の資料によると、このような代替品を上手に活用することで、アレルギーがあっても栄養バランスを保つことができます。

7.2.2 自家製の卵代替品レシピ

お家で簡単に作れる卵代替品のレシピもいくつかご紹介します。

  • バナナ卵代わり:熟したバナナ1本をフォークでつぶし、小さじ1/2のベーキングパウダーを混ぜる(卵1個分の代用に)
  • 亜麻仁卵代わり:大さじ1の亜麻仁(フラックスシード)を粉末にし、大さじ3の水と混ぜて5分置く(卵1個分の代用に)
  • 豆腐スクランブル:木綿豆腐100gを手で細かくほぐし、少量の油でターメリックとともに炒める(スクランブルエッグ風に)

これらの代替品はカロリーも抑えめで、植物性の栄養素も摂取できるメリットがあります。特に亜麻仁にはオメガ3脂肪酸が豊富で、日本栄養・食糧学会誌に掲載された研究によると、健康的な脂質摂取につながります。

7.2.3 栄養面で注意したいポイント

卵の代わりに他の食品を摂る際には、卵に含まれる栄養素を他からも補うことが大切です。特に以下の栄養素に注意しましょう。

  • たんぱく質:大豆製品、肉、魚、ナッツ類から
  • ビタミンB12:魚介類、肉類、強化食品から
  • ビタミンD:日光浴、きのこ類、魚から
  • コリン:レバー、大豆、ブロッコリーなどから

特に小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、成長に必要な栄養素をしっかり摂れるよう、国立健康・栄養研究所の栄養摂取基準なども参考にしながら、バランスよく食品を選ぶことをおすすめします。

卵アレルギーがあっても、これらの代替品を上手に活用すれば、料理の幅を広げることができます。また、カロリーの面でも卵より低カロリーの選択肢が多いため、ダイエット中の方にもおすすめです。地元の「絆養鶏場」のような生産者の直売所でも、最近では卵アレルギーの方向けの情報提供が増えていますので、気軽に相談してみるのも良いでしょう。

8. まとめ

卵1個のカロリーは、サイズによって異なりますが、Mサイズで約80kcalと意外と低カロリー。調理法によっても変わり、ゆで卵は約76kcal、油を使う目玉焼きは約100kcalとなります。栄養面では、良質なたんぱく質や脂質、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれており、特に卵黄に栄養素が集中しています。

健康面では、筋肉づくりに役立つたんぱく質、目の健康を守るルテインやゼアキサンチン、脳の発達に大切なコリンなど、様々な効果が期待できます。以前はコレステロールが気になる食品とされていましたが、最新の研究では健康な方なら1日1〜2個の卵を食べても問題ないことがわかっています。特に「よつ葉バター」や「キユーピーマヨネーズ」などと組み合わせても、バランスの良い食事なら心配はいりません。

ダイエット中でも、炭水化物を控えめにした食事の中で卵を取り入れると、満足感が得られてむしろ効果的。「タニタ食堂」で提供されるような、野菜と組み合わせた卵料理は特におすすめです。卵アレルギーの方は、「明治ソイプロテイン」などの植物性たんぱく質や、「おから」を代替品として活用できます。

卵は安価で手に入りやすく、栄養価が高く、様々な料理に使える万能食材です。毎日の食事に無理なく取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。「ニワトリは一日一個しか産まない」という言葉があるように、一つの卵に込められた栄養の豊かさを大切に、「おいしく・楽しく・健康に」を実践してみてください。

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