採卵後の卵、賞味期限を最大限に延ばす保存テクニック!冷蔵庫・冷凍庫での保存方法

採れたて新鮮な卵、せっかくなら少しでも長く美味しく食べたいですよね。でも、パックに記載されている賞味期限は一体いつから数えているのでしょうか?
実は、スーパーに並ぶまでに色々な過程を経ている卵の賞味期限は、採卵日から計算されているわけではないんです。
この記事では、採卵後の卵の賞味期限の目安や、鮮度を最大限に保つ冷蔵庫での保存方法、さらに賞味期限切れ間近の卵の活用法や冷凍保存の方法まで、徹底的に解説します。
冷蔵庫の正しい保存場所や、卵を置く向き、やってはいけないNGな保存方法などもご紹介。卵を清潔に保つための卵ケースの洗い方や、ひび割れを防ぐ方法など、小さな工夫で卵を長持ちさせるテクニックが満載です。
毎日使う卵だからこそ、正しい知識で保存し、おいしく安全に食べ切りましょう。この記事を読めば、卵の鮮度を保つための具体的な方法が分かり、無駄なく卵を使い切ることができるようになりますよ。
卵の賞味期限、採卵後からどれくらい?
スーパーなどで私たちが購入する卵のパックには賞味期限が表示されていますが、これは採卵後ではなく、パック詰めされた日付からの期限です。採卵された卵は、適切に保存されていればパック詰めされるまで約2週間鮮度を保つと言われています。つまり、私たちが手に取る卵は、既に採卵後数日経過している可能性があるのです。
そのため、パックに記載されている賞味期限は、あくまで目安と考えてください。保存環境によっては、賞味期限内でも鮮度が落ちていたり、逆に賞味期限を過ぎても美味しく食べられる場合もあります。卵の状態を自分で判断できるようになることが大切です。
パックに記載されている賞味期限の表示について
卵のパックに記載されている賞味期限は、生食できる期限として賞味期限を設定することが推奨されています。各養鶏場やパック詰め業者は、それぞれの流通経路や保存方法などを考慮し、適切な賞味期限を設定しています。
具体的な賞味期限の日数は、季節や保存温度によっても変動します。例えば、夏場は気温が高いため、冬場よりも賞味期限が短く設定されることが多いです。また、パック詰めされた卵は、冷蔵保存(10℃以下)で保存することが前提となっています。
賞味期限と消費期限の違い
食品には、「賞味期限」と「消費期限」の2種類の期限表示があります。賞味期限は、記載された保存方法を守って正しく保存した場合に、おいしく食べられる期限を示しています。一方、消費期限は、記載された保存方法を守って正しく保存した場合に、安全に食べられる期限を示しています。卵には、消費期限ではなく賞味期限が表示されています。これは、卵が適切に保存されていれば、賞味期限が過ぎても加熱調理することで安全に食べられる場合があるためです。
期限の種類 | 意味 | 対象食品 |
---|---|---|
賞味期限 | おいしく食べられる期限 | 卵、牛乳、ヨーグルトなど |
消費期限 | 安全に食べられる期限 | 弁当、生菓子、生肉など |
賞味期限が切れた卵は、生食は避け、しっかり加熱調理するようにしましょう。新鮮な卵と比べて、卵白の粘り気が少なくなっていたり、卵黄が崩れやすくなっている場合は、特に注意が必要です。加熱調理しても不安な場合は、廃棄することをおすすめします。
卵の鮮度を保つ冷蔵庫での保存方法
卵はデリケートな食材。適切な保存方法で鮮度を保ち、美味しく安全に食べましょう。冷蔵庫での卵の保存、意外と知らない落とし穴があるかもしれません。ちょっとした工夫で、卵をより長く新鮮な状態で保つことができます。
冷蔵庫の適切な保存場所
冷蔵庫の中でも、卵の鮮度を保つのに最適な場所があります。それは、冷蔵庫の奥です。ドアポケットは開閉のたびに温度変化が激しく、卵の鮮度劣化を早めてしまいます。冷蔵庫の奥は温度が安定しているため、卵の保存に最適です。また、野菜室での保存は避けましょう。野菜室の湿度は卵の保存には適しておらず、雑菌が繁殖しやすくなります。
卵の向きに注意!尖った方を下にする理由
卵を保存する際、尖った方を下にするのがおすすめです。卵の中には気室と呼ばれる空洞があり、尖った方を下にすることで気室が卵の上部に固定され、黄身の位置が安定します。これにより、黄身が白身に絡まりにくくなり、卵白の濃厚な部分であるカラザも切断しにくくなるため、鮮度が保たれやすくなります。また、黄身が殻に付着するのを防ぎ、サルモネラ菌などの食中毒リスクも軽減できます。
温度変化を避ける!ドアポケット保存はNG
冷蔵庫のドアポケットは、開閉のたびに温度変化が激しい場所です。卵は温度変化に敏感なため、ドアポケットに保存すると鮮度が落ちやすくなります。ドアポケットでの保存は避け、冷蔵庫の奥に保存しましょう。温度変化の少ない奥の方に保存することで、卵の鮮度を長く保つことができます。
卵ケースは清潔に!洗う頻度と方法
卵ケースは清潔に保つことが大切です。卵の殻にはサルモネラ菌が付着している可能性があり、それがケースに付着して繁殖するのを防ぐ必要があります。卵ケースは冷蔵庫から卵を取り出したタイミングで、こまめに洗うようにしましょう。洗剤を使って洗い、しっかりと乾燥させることが重要です。卵のパックをそのまま冷蔵庫に入れる方もいますが、パックにもサルモネラ菌が付着している可能性があるため、卵ケースに移し替えて保存することをおすすめします。
頻度 | 方法 |
---|---|
卵を取り出したタイミングで | 中性洗剤で洗い、よくすすぎ、乾燥させる |
また、卵を割った際に殻の破片がケースに落ちることがあります。その破片にもサルモネラ菌が付着している可能性があるため、こまめに掃除することが大切です。清潔な卵ケースで保存することで、卵を安全に美味しく食べることができます。
これらの保存方法を実践することで、卵をより長く新鮮な状態で保つことができます。ぜひ、毎日の卵料理にお役立てください。
賞味期限切れ間近の卵の活用法
賞味期限が迫っている卵、捨てるのはもったいないですよね。でも、安全に美味しく食べたい!そんな時に役立つ活用法をご紹介します。
加熱調理で美味しく安全に
賞味期限切れ間近の卵は生食は避け、必ず加熱調理しましょう。加熱することでサルモネラ菌などの食中毒のリスクを減らすことができます。おすすめのレシピをいくつかご紹介します。
卵焼き

定番の卵焼きは、だし巻き卵、甘めの卵焼きなど、アレンジも自在です。お弁当にもぴったりです。
オムレツ

チーズや野菜など、お好みの具材を加えてアレンジを楽しめます。朝食やブランチにもおすすめです。
チャーハン

パラパラチャーハンを作る際に卵を加えると、コクと旨味がアップします。
プリン

なめらかプリンやカスタードプリンなど、卵をたっぷり使ったスイーツもおすすめです。加熱することで卵の風味が引き立ちます。
その他
その他、天津飯、親子丼、茶碗蒸し、マヨネーズを使った料理(エビマヨ、タルタルソース)など、様々な料理に活用できます。冷蔵庫にある残り野菜と組み合わせるのもおすすめです。
冷凍保存でさらに長持ち!
賞味期限が近い卵は冷凍保存することで、さらに長持ちさせることができます。冷凍保存の方法と、解凍後の使い方をご紹介します。
冷凍方法 | 解凍方法 | おすすめの料理 |
---|---|---|
卵白と卵黄を分けて冷凍 卵白と卵黄を別々の容器に入れて冷凍します。卵黄は冷凍する前に砂糖か塩を少量加えて混ぜておくと、解凍後の食感が良くなります。 | 冷蔵庫で自然解凍 | メレンゲ、スポンジケーキ、カスタードクリームなど |
全卵を冷凍 溶き卵にして冷凍します。砂糖や塩を加えても構いません。 | 冷蔵庫で自然解凍 | 卵焼き、オムレツ、チャーハンなど |
冷凍卵は、解凍後に生食はできません。必ず加熱調理して食べましょう。冷凍卵を使ったレシピも豊富なので、ぜひ試してみてください。冷凍保存することで、賞味期限を大幅に延ばすことができます。
冷凍庫で卵を保存する方法
賞味期限が近づいた卵や、たくさん卵をもらって使い切れない時など、冷凍保存は非常に便利です。卵を冷凍保存することで、賞味期限をさらに延ばすことができます。冷凍方法は、卵白と卵黄を分けて冷凍する方法と、全卵を冷凍する方法があります。それぞれ見ていきましょう。
卵白と卵黄を分けて冷凍
卵白と卵黄を分けて冷凍保存すれば、それぞれを必要な時に必要な分だけ解凍して使えて便利です。お菓子作りに卵白だけを使いたい時や、卵黄だけを料理に使いたい時に重宝します。
卵白の冷凍方法
卵白は冷凍すると粘度が下がるため、解凍後に泡立てにくくなりますが、メレンゲを作る以外の用途には問題なく使用できます。製氷皿を使うと、1個分ずつ小分けに冷凍できて便利です。解凍する際は、冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。
卵黄の冷凍方法
卵黄は冷凍すると粘度が増し、ゼリー状になってしまいます。これは卵黄に含まれる脂質とタンパク質が結合するためです。そのまま冷凍すると解凍後に使いにくいので、砂糖や塩を混ぜてから冷凍しましょう。砂糖は卵黄1個に対して小さじ1/2、塩はひとつまみ程度が目安です。よく混ぜてから製氷皿や密閉容器に入れて冷凍します。解凍は冷蔵庫で自然解凍します。砂糖や塩を加えた卵黄は、主に加熱調理に使用するのがおすすめです。
全卵を冷凍する方法と注意点
全卵を冷凍保存することも可能です。ただし、殻のまま冷凍することはできません。殻を割って溶き卵にしてから冷凍しましょう。
殻付きのまま冷凍すると、殻が破裂する可能性があります。これは卵が凍ると体積が増えるためです。必ず殻を割ってから冷凍しましょう。
溶き卵を冷凍する際は、金属製の容器は避けるようにしましょう。金属臭が移ってしまう可能性があります。保存容器やフリーザーバッグに入れて冷凍するのがおすすめです。冷凍する際は薄く平らにして冷凍すると、解凍時間を短縮できます。
冷凍方法 | メリット | デメリット | 解凍方法 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
卵白 | 小分け冷凍で便利 冷凍庫のスペースを取らない | 解凍後、泡立てにくい | 冷蔵庫で自然解凍 | 卵焼き、衣、プリンなど |
卵黄(砂糖/塩を加える) | 小分け冷凍で便利 冷凍庫のスペースを取らない | 解凍後、粘度が増す | 冷蔵庫で自然解凍 | カスタードクリーム、卵焼き、炒め物など |
全卵 | 一度にたくさん冷凍できる | 解凍に時間がかかる場合がある | 冷蔵庫で自然解凍 | 卵焼き、炒め物、チャーハンなど |
冷凍卵の解凍方法と使い方
冷凍卵を解凍する際は、冷蔵庫に移して自然解凍するのが基本です。電子レンジでの解凍は、卵白が固まってしまうことがあるため、おすすめしません。解凍した卵は、再冷凍はせず、早めに使い切るようにしましょう。
解凍した卵は、加熱調理に使用するようにしましょう。生食は食中毒のリスクがあるため避けてください。卵白は冷凍することで泡立ちにくくなりますが、炒め物や卵焼きなどには問題なく使用できます。卵黄は、砂糖や塩を加えて冷凍した場合、お菓子作りや加熱調理に利用できます。
全卵を冷凍した場合、解凍後に多少食感が変化することがありますが、卵焼きやチャーハン、オムレツなど、加熱調理に利用すれば美味しく食べられます。
採卵後、卵を長持ちさせるためのその他のポイント
採卵後の卵をより長く美味しく安全に食べるためには、冷蔵庫での保存方法だけでなく、いくつかのポイントに注意することが大切です。ちょっとした心がけで、卵の鮮度を長く保ち、無駄なく活用できます。
卵の保管場所と温度管理の徹底
卵は温度変化に敏感です。冷蔵庫の開閉による温度変化の影響を受けにくい、冷蔵庫内の奥の方に保管しましょう。ドアポケットは開閉のたびに温度が変化しやすいため、卵の保管場所としては適していません。また、野菜室も湿度が高いため、卵の保管には向きません。冷蔵庫内の温度を一定に保つことも重要です。設定温度を頻繁に変更したり、冷蔵庫の開閉を必要以上に繰り返したりしないようにしましょう。
清潔な環境を保つ
卵の殻には目に見えない小さな穴があり、そこから雑菌が侵入する可能性があります。卵を扱う前には必ず手を洗い、清潔な環境を保つようにしましょう。卵ケースも定期的に洗って清潔に保ち、卵を割った際に殻の破片などが混入しないように注意しましょう。また、濡れた手で卵を触るのも避けましょう。水分は雑菌の繁殖を促す可能性があります。
適切な包装と取り扱い
購入時のパックのまま保存するのが一番です。パックは卵を衝撃から守り、乾燥を防ぐ役割も果たします。パックから卵を取り出す際は、優しく丁寧に扱い、ひび割れを作らないように注意しましょう。ひび割れた卵は雑菌が侵入しやすいため、早めに消費するようにしてください。また、卵同士をぶつけたり、落としたりしないように気をつけましょう。割れた卵はすぐに片付け、周囲を清潔に保つことが大切です。
卵の購入量と消費期限の確認
項目 | 内容 |
---|---|
購入量 | 一度に大量に購入するのではなく、消費できる量を購入するように心がけましょう。 |
消費期限の確認 | 冷蔵庫に保管している卵の消費期限を定期的に確認し、期限が近いものから優先的に使用しましょう。 |
卵の個体差 | 同じパックに詰められた卵でも、個体差によって鮮度が異なる場合があります。賞味期限に関わらず、気になる卵があれば早めに消費しましょう。 |
金属との接触を避ける
卵白に含まれる硫黄は金属と反応し、硫化水素が発生することがあります。これは卵の風味を損なう原因となるため、金属製の容器やスプーンで卵を混ぜることは避け、樹脂製や木製のものを使用するようにしましょう。
冷蔵庫の適切な温度管理
冷蔵庫の温度は、10℃以下で一定に保つことが重要です。温度変化が大きいと卵の鮮度が早く低下するため、冷蔵庫の開閉は最小限に抑え、ドアの開けっ放しにも注意しましょう。また、冷蔵庫の温度設定が適切か定期的に確認することも大切です。
まとめ
採卵後の卵を少しでも長く美味しく安全に食べるためには、正しい保存方法を知ることが大切です。パックに記載されている賞味期限は、生食できる目安となる期限です。生で食べる場合は、この賞味期限を守りましょう。賞味期限切れ間近の卵は、加熱調理すれば安全に食べることができます。また、冷凍保存することでさらに長持ちさせることも可能です。
冷蔵庫で保存する際は、尖った方を下にして卵ケースに入れ、ドアポケットは避けましょう。温度変化の少ない場所に置くことで鮮度を保てます。卵ケースは清潔に保ち、定期的に洗うようにしましょう。卵は割れやすいので、優しく扱い、濡れた手で触らないように注意しましょう。冷蔵庫の開閉も最小限にすることで、庫内の温度変化を抑えられます。
冷凍保存する場合は、卵白と卵黄を分けて冷凍する方法と、全卵を冷凍する方法があります。用途に合わせて使い分けましょう。解凍する際は冷蔵庫に移し、低温でゆっくり解凍するのがおすすめです。解凍後は速やかに使い切りましょう。
これらの保存方法とポイントを実践することで、採卵後の卵を無駄なく美味しく食べきることができます。新鮮なうちに食べるのはもちろんのこと、保存方法を工夫することで、卵料理のバリエーションも広がります。ぜひ、今回ご紹介した方法を参考に、卵を最大限に活用してみてくださいね。