卵のカロリー&糖質量を完全網羅!賢く食べて健康的な食生活を送ろう

「卵1個って実際何カロリーなんだろう?」「ダイエット中だけど卵は食べていい?」そんな疑問をお持ちではありませんか?この記事では、卵のカロリーと糖質量に関するあらゆる情報を徹底解説します。卵は1個あたり約80kcalと低カロリーながら、良質なタンパク質やビタミン、ミネラルを豊富に含む栄養価の高い食品です。
この記事を読めば、栄養満点の卵を上手に活用して、家族みんなの健康管理に役立てることができますよ。
1. 卵のカロリーと栄養成分について
卵は私たちの食生活に欠かせない食材のひとつです。お手頃価格で栄養価が高く、様々な料理に使える万能食材ですね。ダイエット中の方から健康を気にする方まで、卵のカロリーや栄養成分が気になる方も多いのではないでしょうか?
この章では、卵のカロリーや栄養成分について詳しくご紹介します。正しい知識を身につけて、健康的な食生活に役立てましょう。
1.1 卵1個あたりのカロリーと重量
まず、卵1個あたりのカロリーと重量についてお伝えします。一般的な鶏卵(Mサイズ)の場合、殻を含めた重量は約60g、食べられる部分は約50gとなります。
卵のサイズ | 重量(殻込み) | 可食部重量 | カロリー |
---|---|---|---|
SS(極小) | 40g未満 | 約33g | 約47kcal |
S(小) | 40〜52g | 約38g | 約54kcal |
M(中) | 52〜60g | 約50g | 約72kcal |
L(大) | 60〜70g | 約58g | 約83kcal |
LL(特大) | 70g以上 | 約63g | 約90kcal |
一般的に流通しているMサイズの卵1個のカロリーは約72kcalです。これは女性の1日の摂取カロリー目安(約1,800kcal)の約4%に相当します。朝食に卵1個を食べても、カロリー的にはそれほど高くないことがわかりますね。
卵は比較的低カロリーでありながら、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なタンパク質源です。また、ビタミンやミネラルも豊富に含まれており、栄養価の高い食品と言えます。
1.2 卵の栄養成分表
卵には様々な栄養素が含まれています。以下の表は、Mサイズの卵1個(可食部約50g)あたりの主な栄養成分をまとめたものです。
栄養素 | 含有量(卵1個あたり) | 1日の推奨摂取量に対する割合 |
---|---|---|
エネルギー | 72kcal | 約4%(1,800kcal基準) |
タンパク質 | 6.2g | 約12%(50g基準) |
脂質 | 5.0g | 約8%(60g基準) |
炭水化物 | 0.2g | 約0.1%(250g基準) |
ビタミンA | 80μg | 約10%(800μg基準) |
ビタミンD | 1.6μg | 約16%(10μg基準) |
ビタミンE | 0.6mg | 約6%(10mg基準) |
ビタミンB2 | 0.44mg | 約31%(1.4mg基準) |
ビタミンB12 | 0.5μg | 約21%(2.4μg基準) |
葉酸 | 45μg | 約11%(400μg基準) |
鉄分 | 0.8mg | 約7%(12mg基準・女性) |
カルシウム | 25mg | 約3%(800mg基準) |
コレステロール | 210mg | – |
上記の表から分かるように、卵はビタミンB2やビタミンB12、ビタミンDなどが豊富に含まれています。特にビタミンB2は1日の推奨摂取量の約31%も含まれており、エネルギー代謝や皮膚・粘膜の健康維持に役立ちます。
また、卵に含まれるレシチンは脳の働きを助け、ルテインやゼアキサンチンは目の健康をサポートする栄養素として注目されています。
1.2.1 卵に含まれる主要なアミノ酸
卵は「完全タンパク質」と呼ばれるほど、アミノ酸スコアが高い食品です。人間の体に必要な9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいます。
必須アミノ酸 | 含有量(mg/卵1個あたり) | 主な働き |
---|---|---|
リジン | 452mg | 骨や筋肉の形成、カルシウム吸収の促進 |
メチオニン | 200mg | 肝機能のサポート、解毒作用 |
トリプトファン | 83mg | セロトニン(幸せホルモン)の原料 |
バリン | 390mg | 筋肉の修復と成長 |
ロイシン | 540mg | 筋肉の合成、血糖値の調整 |
イソロイシン | 340mg | エネルギー生成、免疫機能の強化 |
フェニルアラニン | 340mg | 脳内神経伝達物質の生成 |
スレオニン | 300mg | コラーゲン生成、免疫機能のサポート |
ヒスチジン | 150mg | 赤血球の生成、組織修復 |
このような栄養バランスの良さから、卵は「完全食品」とも呼ばれることがあります。特に成長期のお子さんや、筋肉増強を目指すアスリートの方にとって、卵は理想的なタンパク質源と言えるでしょう。
1.3 卵の糖質量と炭水化物量
卵は低糖質・低炭水化物の食品として知られています。特に糖質制限ダイエットをされている方にとっては、とても心強い食材です。
Mサイズの卵1個(可食部約50g)あたりの糖質量と炭水化物量は以下の通りです:
成分 | 含有量 | 備考 |
---|---|---|
炭水化物 | 0.2g | 可食部100gあたり0.4g |
糖質 | 0.1g | 可食部100gあたり約0.2g |
食物繊維 | 0.1g | 可食部100gあたり約0.2g |
炭水化物からは食物繊維を差し引いたものが糖質となります。卵1個あたりの糖質はわずか0.1gしかなく、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、1日の糖質摂取目安量は約200〜300gとされていますので、卵の糖質量はほぼ無視できるレベルと言えるでしょう。
1.3.1 糖質制限ダイエットにおける卵の位置づけ
糖質制限ダイエットでは、1日の糖質摂取量を50〜130g程度に抑える方法が一般的です。その中で卵は糖質がほとんどない上に、タンパク質や良質な脂質が豊富なため、非常に重宝される食材です。
例えば、朝食で食パン(糖質約30g/1枚)の代わりにゆで卵2個(糖質約0.2g)に変えるだけで、大幅な糖質カットが可能になります。
食品 | 糖質量 | カロリー |
---|---|---|
食パン1枚(6枚切り) | 約30g | 約160kcal |
白米1膳(150g) | 約55g | 約235kcal |
うどん1玉(200g) | 約50g | 約240kcal |
卵1個(M) | 約0.1g | 約72kcal |
卵2個(M) | 約0.2g | 約144kcal |
このように、卵は糖質制限中の方にとって最適な食材のひとつと言えます。特に朝食で卵を取り入れることで、一日の始まりに良質なタンパク質を摂取でき、長時間の満腹感を得られるというメリットもあります。
また、卵は様々な調理法で楽しめるため、糖質制限中でも食事のバリエーションを増やすことができます。低糖質の野菜と組み合わせて、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
次の章では、卵の黄身と白身に分けて、それぞれのカロリーや栄養価について詳しく見ていきます。
2. 卵の部位別カロリーと栄養価

卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、豊富な栄養素を含んでいます。しかし、卵黄と卵白ではカロリーや栄養価が大きく異なります。ここでは、卵の部位別に詳しく解説していきましょう。
2.1 卵黄のカロリーと栄養素
卵黄は卵全体の約30%の重量を占めますが、カロリーの約75%が集中している部分です。一般的な鶏卵(Mサイズ)の卵黄は約17gで、そのカロリーは約55〜60kcalとなります。
卵黄には、脂質やコレステロール、ビタミン類が豊富に含まれています。特に脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やビタミンB群、ミネラル(鉄分、亜鉛、セレン)などが豊富で、健康維持に重要な役割を果たします。
栄養素 | 含有量(卵黄1個あたり・約17g) | 特徴・効果 |
---|---|---|
カロリー | 約55〜60kcal | 卵全体の約75%のカロリーを占める |
タンパク質 | 約2.7g | 良質なタンパク質源 |
脂質 | 約4.5g | 不飽和脂肪酸を含む |
コレステロール | 約210mg | 卵のコレステロールはほぼ卵黄に集中 |
ビタミンA | 約150μg | 視力維持、皮膚や粘膜の健康維持 |
ビタミンD | 約0.9μg | カルシウム吸収を助け、骨の健康を維持 |
ビタミンE | 約0.5mg | 抗酸化作用 |
ビタミンB12 | 約0.5μg | 赤血球の形成、神経機能の維持 |
葉酸 | 約25μg | 細胞分裂と成長に必要 |
鉄 | 約0.6mg | 貧血予防に効果的 |
亜鉛 | 約0.5mg | 免疫機能の維持、味覚の正常化 |
レシチン | 約1.7g | 脳の機能向上、肝機能の改善 |
また、卵黄に含まれるレシチンは脳の神経伝達物質の合成に関わり、記憶力や集中力の向上に役立つと言われています。さらに、黄色の色素であるルテインやゼアキサンチンは、目の健康維持に役立ち、加齢による黄斑変性の予防に効果があるとされています。
厚生労働省の日本食品標準成分表によると、卵黄には多くの栄養素が凝縮されていることがわかります。
2.2 卵白のカロリーと栄養素
卵白は卵全体の約60%の重量を占めますが、カロリーは非常に低く、一般的な鶏卵(Mサイズ)の卵白(約33g)のカロリーはわずか約17kcalです。
卵白の主成分は水分(約88%)とタンパク質(約10%)で、脂質やコレステロールをほとんど含まないため、低カロリーで高タンパクな食材として、ダイエット中や筋トレをしている方に人気があります。
栄養素 | 含有量(卵白1個あたり・約33g) | 特徴・効果 |
---|---|---|
カロリー | 約17kcal | 非常に低カロリー |
タンパク質 | 約3.6g | アルブミンという良質なタンパク質を含む |
脂質 | ほぼ0g | 脂質をほとんど含まない |
コレステロール | 0mg | コレステロールを含まない |
ナトリウム | 約55mg | 少量のミネラルを含む |
カリウム | 約48mg | 電解質バランスの維持に役立つ |
リボフラビン(B2) | 約0.2mg | エネルギー代謝に関与 |
ナイアシン | 約0.1mg | エネルギー産生に必要 |
マグネシウム | 約4mg | 筋肉機能や神経機能に関与 |
卵白に含まれるアルブミンというタンパク質は、筋肉の合成や修復に必要な必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、スポーツ選手やボディビルダーなど体づくりを意識している方に好まれています。
また、卵白に含まれるリゾチームという酵素には抗菌作用があり、体内で免疫力を高める働きがあると言われています。
日本栄養・食糧学会誌の研究によると、卵白タンパク質は生体内での利用効率が高く、他のタンパク質源と比較しても優れた栄養価を持っています。
2.3 全卵と部分食べの比較
卵は全卵として食べるか、卵白だけ、または卵黄だけを食べるかによって、摂取できる栄養素やカロリーが大きく異なります。それぞれの特徴を比較してみましょう。
食べ方 | カロリー | 特徴 | おすすめの人 |
---|---|---|---|
全卵(1個) | 約76kcal | バランスの良い栄養素を摂取できる | 成長期の子供、高齢者、栄養バランスを重視する人 |
卵白のみ(1個分) | 約17kcal | 低カロリー高タンパク、コレステロールゼロ | ダイエット中の人、筋トレをしている人、コレステロールが気になる人 |
卵黄のみ(1個分) | 約55〜60kcal | ビタミン、ミネラル、脂溶性栄養素が豊富 | 貧血気味の人、ビタミンD不足の人、成長期の子供 |
卵白2個分 | 約34kcal | 全卵より低カロリーで同等のタンパク質量 | タンパク質を増やしたいアスリート、ダイエット中の人 |
全卵1個+卵白1個 | 約93kcal | タンパク質増量+必須栄養素確保 | 筋トレ後の食事、成長期の子供、アクティブな高齢者 |
2.3.1 部分食べのメリットとデメリット
卵白だけを食べるメリットは、低カロリーながら良質なタンパク質を摂取できる点です。コレステロールをほとんど含まないため、コレステロール値が気になる方や、カロリー制限をしている方に適しています。デメリットは、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素が少ないことです。
一方、卵黄だけを食べるメリットは、ビタミンD、E、Aなどの脂溶性ビタミンや鉄分、亜鉛などのミネラルを効率よく摂取できる点です。特に鉄分は卵黄に多く含まれるため、鉄分不足が気になる方には有効です。デメリットは、カロリーやコレステロールが高めである点です。
実際には、ほとんどの人にとって全卵として食べるのが最もバランスがよく、自然な食べ方です。最近の研究では、健康な成人の場合、1日1〜2個程度の卵の摂取は心臓病リスクを高めないとされています。
2.3.2 部分食べの活用法
料理によって卵の部位を使い分けることで、栄養バランスを調整できます。例えば:
- 朝食のオムレツには全卵を使用し、バランスの良い栄養を摂取
- 筋トレ後のプロテインスムージーには卵白を追加し、低カロリーでタンパク質を強化
- お子さんのプリンや茶碗蒸しには卵黄を多めに使い、脳の発達に必要な栄養素を提供
- サラダのドレッシングに卵黄を使い、ビタミンの吸収率を高める
いずれにしても、自分の健康状態や目的に合わせて、卵の部位を上手に活用することが大切です。特に、成長期のお子さんや妊娠中の方、高齢者の方は、栄養価の高い全卵をバランス良く取り入れることをおすすめします。
3. 卵の調理法別カロリー比較

卵は調理法によってカロリーや栄養価が変わってきます。油の使用量や加熱方法によって、同じ卵でもカロリー摂取量が大きく変わることを知っておくと、ダイエットや健康管理に役立ちます。ここでは代表的な卵料理のカロリーを詳しく比較していきましょう。
3.1 生卵のカロリー
生卵は最も調理による追加カロリーがない状態の卵です。Mサイズの卵(約60g)を基準にすると、生卵1個あたりのカロリーは約90kcalです。
生卵は卵黄と卵白をそのまま摂取するため、卵の持つ栄養素をほぼ損なうことなく摂ることができます。特にビタミンBやビオチンなどの熱に弱い栄養素を効率よく摂取できるのが特徴です。
卵のサイズ | 重量 | カロリー | タンパク質 | 脂質 | 糖質 |
---|---|---|---|---|---|
SS(極小) | 約40g | 約60kcal | 約5.2g | 約4.2g | 約0.1g |
S(小) | 約50g | 約75kcal | 約6.5g | 約5.2g | 約0.2g |
M(中) | 約60g | 約90kcal | 約7.8g | 約6.3g | 約0.3g |
L(大) | 約70g | 約105kcal | 約9.1g | 約7.3g | 約0.3g |
LL(特大) | 約80g | 約120kcal | 約10.4g | 約8.4g | 約0.4g |
ただし、生卵を食べる際はサルモネラ菌などの食中毒リスクも考慮する必要があります。日本では比較的安全性の高い卵が流通していますが、特に小さなお子さんや高齢者、妊婦さんは注意が必要です。
厚生労働省の食中毒予防のページでは、生卵を食べる際の注意点が詳しく解説されています。
3.2 ゆで卵のカロリー
ゆで卵は油を使わない調理法のため、生卵とほぼ同じカロリーを維持しています。Mサイズの卵(約60g)で、約90kcalです。
ゆで時間によって半熟卵と完全な固ゆで卵に分かれますが、カロリーに大きな違いはありません。ただし、栄養素の吸収率には若干の違いがあります。
ゆで加減 | ゆで時間の目安 | カロリー(Mサイズ) | 特徴 |
---|---|---|---|
半熟卵 | 6〜7分 | 約90kcal | 卵黄がとろっとしており、まろやかな味わい |
固ゆで卵 | 10〜12分 | 約90kcal | 卵黄が完全に固まり、サラダなどに最適 |
温泉卵 | 65℃で20〜30分 | 約90kcal | 卵白が半透明でふわっと、卵黄はとろり |
ゆで卵はサラダのトッピングやお弁当のおかず、ダイエット中の間食としても人気があります。タンパク質が豊富で低糖質なため、満腹感を得やすく、ダイエットに適した食品と言えるでしょう。
日本食品科学工学会誌の研究によると、ゆで卵は消化吸収率が高く、効率よくタンパク質を摂取できることが示されています。
3.3 目玉焼きのカロリー
目玉焼きは調理に油を使用するため、生卵やゆで卵よりもカロリーが高くなります。Mサイズの卵1個を使った目玉焼き1個のカロリーは、使用する油の量によって変わります。
使用する油の量 | カロリー(Mサイズ卵使用) | 脂質量 |
---|---|---|
小さじ1(約4g) | 約125kcal | 約10.3g |
小さじ2(約8g) | 約160kcal | 約14.3g |
大さじ1(約12g) | 約195kcal | 約18.3g |
カロリーを抑えたい場合は、ノンスティックのフライパンを使用して油の量を減らしたり、オリーブオイルなど健康的な油を選んだりする工夫が効果的です。
また、最近では油を使わずに電子レンジで作る目玉焼きの方法も人気があります。電子レンジで作る場合は油を使わないため、カロリーは生卵とほぼ同じ約90kcalに抑えられます。
目玉焼きの黄身は「半熟」か「完全に火を通す」かによっても栄養素の吸収率が変わります。日本栄養・食糧学会誌の研究によると、タンパク質の消化率は加熱により向上する傾向があります。
3.4 スクランブルエッグのカロリー
スクランブルエッグは卵をかき混ぜて炒める料理で、調理の際に油やバター、牛乳などを加えることが多いため、カロリーは材料によって変動します。
材料(Mサイズ卵1個分) | カロリー | 特徴 |
---|---|---|
卵のみ + 油小さじ1 | 約125kcal | シンプルな味わい |
卵 + 油小さじ1 + 牛乳大さじ1 | 約135kcal | ふんわり仕上がる |
卵 + バター5g + 牛乳大さじ1 | 約150kcal | コクのある味わい |
卵 + バター5g + 生クリーム大さじ1 | 約180kcal | リッチな味わい |
スクランブルエッグは他の具材と合わせることも多いですが、その分カロリーも増加します。例えば、チーズを10g加えると約40kcal、ベーコン1枚(約10g)で約40kcalほど増加します。
低カロリーで栄養バランスの良いスクランブルエッグを作るなら、オイルスプレーを使って油の量を減らし、野菜(ほうれん草やトマトなど)を加えるのがおすすめです。野菜を加えることで食物繊維も摂取でき、満腹感も増します。
農畜産業振興機構の資料によると、卵料理に野菜を組み合わせることで栄養バランスが向上することが示されています。
3.5 オムレツのカロリー
オムレツは卵を薄く焼き、具材を包む料理で、具材の種類や量、使用する油の量によってカロリーが大きく変わります。基本的なプレーンオムレツ(具なし)のカロリーは以下の通りです。
材料 | カロリー | タンパク質 | 脂質 |
---|---|---|---|
Mサイズ卵2個 + 油小さじ1 | 約215kcal | 約15.6g | 約14.6g |
Mサイズ卵2個 + 油小さじ2 | 約250kcal | 約15.6g | 約18.6g |
Mサイズ卵2個 + バター10g + 牛乳大さじ1 | 約275kcal | 約16.1g | 約20.3g |
オムレツに具材を加える場合は、それぞれの具材のカロリーを考慮する必要があります。一般的な具材のカロリー目安(約30gあたり)は以下の通りです:
- チーズ:約120kcal
- ハム:約45kcal
- きのこ類:約10kcal
- ほうれん草:約7kcal
- 玉ねぎ:約12kcal
ヘルシーなオムレツを作るなら、脂質の多い具材(チーズやベーコンなど)の量を控えめにし、代わりに低カロリーな野菜を多く使用することがポイントです。また、卵白のみを使ったオムレツを作ることで、カロリーを約半分に抑えることも可能です。
フランス風のオムレツは中が半熟状態で、日本風のオムレツは完全に火を通すことが多いですが、どちらもタンパク質の消化吸収率は良好です。
栄養学雑誌の研究によると、卵料理の調理方法によってタンパク質の消化率に違いがあることが報告されています。
3.5.1 卵料理の調理法比較まとめ
ここでは、主な卵料理のカロリーを比較しました。カロリーが低い順に並べると以下のようになります(Mサイズ卵1個使用時):
- 生卵・ゆで卵:約90kcal(追加油脂なし)
- 電子レンジ加熱卵:約90kcal(追加油脂なし)
- 目玉焼き(油少なめ):約125kcal
- スクランブルエッグ(シンプル):約125kcal
- 目玉焼き(油多め):約160〜195kcal
- オムレツ(1人前/卵2個使用):約215〜275kcal
健康的な食生活を心がけるなら、調理法によるカロリーの違いを理解し、油の使用量を意識することが大切です。ダイエット中は、油を使わないゆで卵や電子レンジ調理、油の量を控えめにした調理法を選ぶと良いでしょう。また、栄養面では卵黄にビタミンD、E、Kなどの脂溶性ビタミンが多く含まれるため、卵黄も適量摂取することが栄養バランスの面では重要です。
日々の食事で卵を上手に取り入れて、効率よく栄養を摂取しましょう。
4. 卵料理のカロリーと糖質

卵はそのままでも栄養価が高く優れた食材ですが、さまざまな料理に活用されることでより一層美味しく楽しむことができます。ここでは、代表的な卵料理のカロリーと糖質量を詳しく解説します。日々の食事管理や献立作りの参考にしてください。
4.1 卵かけご飯のカロリーと糖質
朝食の定番として多くの日本人に愛されている卵かけご飯は、シンプルながらも満足感のある料理です。
内容量 | カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 脂質 |
---|---|---|---|---|
卵かけご飯1杯(卵1個+ご飯150g) | 約430kcal | 約52g | 約13g | 約6g |
卵のみ(1個) | 約90kcal | 約0.3g | 約7.4g | 約6.5g |
白米(150g) | 約340kcal | 約52g | 約5g | 約0.5g |
卵かけご飯のカロリーの大部分はご飯由来であり、糖質もほとんどがご飯に含まれています。卵自体の糖質は非常に少ないため、糖質制限中の方は白米の量を調整することでコントロールできます。
また、醤油や薬味を加えても、カロリーや糖質への影響はわずかです。例えば、醤油小さじ1(約5g)のカロリーは約5kcal、糖質は約0.5gほどです。
糖質を抑えたい場合は、以下の工夫が効果的です:
- 白米を減らし、卵を2個に増やす
- 白米を混ぜご飯(雑穀米など)に変更する
- 白米の代わりにカリフラワーライスを使用する
4.2 親子丼のカロリーと糖質
鶏肉と卵を組み合わせた栄養バランスに優れた親子丼は、一品で満足感のある料理です。
内容量 | カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 脂質 |
---|---|---|---|---|
親子丼1人前(約400g) | 約650kcal | 約60g | 約30g | 約25g |
白米(150g) | 約340kcal | 約52g | 約5g | 約0.5g |
具材(鶏肉、卵、玉ねぎなど) | 約310kcal | 約8g | 約25g | 約24.5g |
親子丼の具材部分には、通常以下の食材が含まれています:
- 卵2個:約180kcal、糖質約0.6g
- 鶏もも肉50g:約100kcal、糖質0g
- 玉ねぎ30g:約12kcal、糖質約2.5g
- 調味料(砂糖、みりん、醤油など):約20kcal、糖質約5g
親子丼は栄養バランスが良い一方で、カロリーと糖質がやや高めの料理です。厚生労働省の健康情報サイトによると、1食あたりの摂取カロリー目安は成人女性で500〜650kcal程度とされています。
カロリーや糖質を抑えるためのポイント:
- ご飯の量を通常の2/3程度に減らす
- 鶏もも肉より低脂質な鶏むね肉を使用する
- 砂糖の代わりに人工甘味料やオリゴ糖を使用する
- 卵は全卵1個と卵白1個分を使うなど工夫する
4.3 茶碗蒸しのカロリーと糖質
和食の定番である茶碗蒸しは、低カロリーかつ低糖質なうえに、温かくて消化にも優しい卵料理です。
内容量 | カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 脂質 |
---|---|---|---|---|
茶碗蒸し1人前(約120g) | 約100kcal | 約2g | 約9g | 約6g |
基本材料(卵1個+だし汁100ml) | 約95kcal | 約0.5g | 約8g | 約6g |
具材(鶏肉、かまぼこ、銀杏など) | 約5〜30kcal | 約1.5g | 約1〜3g | 約0〜2g |
茶碗蒸しは卵料理の中でも特に低カロリー・低糖質で、ダイエット中でも安心して楽しめる一品です。具材の選び方やだし汁の取り方によって、さらに栄養価を高めることができます。
栄養バランスを考えた具材の例:
- 鶏むね肉:良質なたんぱく質源
- しいたけやえのき:食物繊維が豊富
- 三つ葉やミツバ:ビタミンとミネラルを補給
- 銀杏:ビタミンEが豊富
茶碗蒸しは日本スポーツ振興センターの栄養ガイドでも紹介されているように、高齢者や胃腸の弱い方、離乳食後期の子どもにも適した消化吸収の良い料理です。
4.4 オムライスのカロリーと糖質
子どもから大人まで人気のオムライスは、卵、ご飯、具材が一度に摂れる栄養バランスの良い料理です。ただし、カロリーと糖質はやや高めに注意が必要です。
内容量 | カロリー | 糖質 | たんぱく質 | 脂質 |
---|---|---|---|---|
オムライス1人前(約450g) | 約700kcal | 約70g | 約20g | 約30g |
卵部分(2個使用) | 約180kcal | 約0.6g | 約14g | 約13g |
チキンライス部分(ご飯150g+具材) | 約450kcal | 約65g | 約6g | 約12g |
ケチャップソース(大さじ2) | 約70kcal | 約5g | 約0g | 約5g |
オムライスは一般的な卵料理の中では比較的高カロリーで、特に糖質量が多い料理です。これはご飯の量と、ケチャップなどの調味料に含まれる糖分によるものです。
カロリーと糖質を抑えるアレンジ方法:
- ご飯の量を120g程度に減らす(約-70kcal、-15g糖質)
- 油の使用量を減らし、テフロン加工のフライパンを活用する(約-50kcal)
- ケチャップは糖質オフタイプを選ぶ(約-3g糖質)
- チキンライスの具材に野菜をたっぷり加える(食物繊維アップ)
- 白米を玄米や雑穀米に変更する(GI値を下げる効果)
子供向けのオムライスでは、卵を薄焼きにして包むよりも、スクランブルエッグ状にしてご飯の上にのせる「オムライス風」にすると、調理も簡単で油の使用量も減らせます。
農林水産省の食育ページによると、主食・主菜・副菜のバランスを考えると、オムライスだけでなく野菜サラダなどを添えると理想的な食事になります。
妊娠中や授乳中の方にとって、オムライスは鉄分(卵黄)やカルシウム、良質なたんぱく質を手軽に摂れる優れた料理です。ただし、卵はしっかり加熱して食べるよう心がけましょう。
4.4.1 その他の人気卵料理のカロリーと糖質
他にも日常的によく食べられる卵料理のカロリーと糖質について見てみましょう。
料理名(1人前) | カロリー | 糖質 | 特徴 |
---|---|---|---|
卵サンドイッチ(食パン2枚+卵1個) | 約340kcal | 約30g | 手軽な朝食・ランチに |
カルボナーラ(パスタ100g+卵1個) | 約550kcal | 約60g | パスタが主な糖質源 |
天津飯(卵2個+あんかけ+ご飯150g) | 約580kcal | 約65g | あんかけの片栗粉も糖質源になる |
卵とじうどん(卵1個+うどん180g) | 約400kcal | 約75g | うどんが主な糖質源 |
卵豆腐(卵2個+だし) | 約180kcal | 約1g | 低糖質で栄養価の高い一品 |
卵料理の中でも、主食と合わせた料理は糖質とカロリーが高くなる傾向がありますが、糖質制限中の方は卵豆腐や茶碗蒸しなど、単体の卵料理を選ぶと良いでしょう。
またこれらの料理は、家庭での調理法によってカロリーと糖質が変動します。特に油や調味料の使用量に注意し、できるだけ計量して使うことをおすすめします。
5. 卵のカロリーを抑える調理法

卵は栄養価が高く健康的な食品ですが、調理法によってカロリーが大きく変わります。ダイエット中や健康管理を意識している方は、卵の調理法を工夫することでカロリーを抑えつつ、必要な栄養素を摂取することができます。ここでは、カロリーを抑えた卵の調理法と活用方法をご紹介します。
5.1 油を使わない調理方法
卵料理でカロリーが高くなる主な原因は「油」です。油を使わない、または使用量を減らす調理法を選ぶことで、卵本来のカロリーに近い状態で楽しむことができます。
5.1.1 ゆで卵のすすめ
最もカロリーを抑えられる調理法はゆで卵です。油を一切使わないため、卵本来のカロリーのまま摂取できます。また、ゆで加減を変えることで様々な食感を楽しめます。
ゆで時間 | 状態 | カロリー(卵1個・M玉) | 特徴 |
---|---|---|---|
3〜4分 | 半熟卵 | 約90kcal | とろっとした黄身が特徴。サラダのトッピングに最適 |
7〜8分 | しっかり目の半熟卵 | 約90kcal | 黄身が少し固まっている。おにぎりの具やサンドイッチにも |
10〜12分 | 完全な固ゆで卵 | 約90kcal | お弁当やピクルスエッグなどに向いている |
ゆで卵は時間をコントロールするだけで様々な料理に活用できる便利な調理法です。冷蔵庫で3〜4日保存できるので、まとめて作っておくと忙しい朝やお弁当作りにも重宝します。
5.1.2 電子レンジを活用した油なし調理
電子レンジを使った調理法も油を使わずにカロリーを抑えられる方法です。
【電子レンジで作るスクランブルエッグの作り方】
- 耐熱容器に卵1〜2個を割り入れ、塩・こしょう少々を加えて混ぜる
- ラップをかけて600Wで30秒加熱
- 一度取り出して混ぜ、再度30秒加熱
- お好みの固さになるまで、10〜20秒ずつ加熱を繰り返す
油を使わないので、通常のスクランブルエッグ(油使用)と比べて約40〜60kcalカットできます。牛乳を少量加えると、ふんわりとした仕上がりになります。
5.1.3 シリコン調理器具の活用
最近人気のシリコン製の調理器具を使うと、油をほとんど使わずに卵料理が作れます。特に食品安全情報でも安全性が確認されているシリコン調理器具は、健康志向の方に人気です。
シリコンスチーマーを使えば、蒸し卵やふわふわオムレツが油なしで作れます。蒸し調理は栄養素の流出も少なく、健康的な調理法です。
5.2 糖質オフの卵料理レシピ
卵自体の糖質は非常に低いですが(1個あたり約0.2g)、卵料理には糖質の高い材料が組み合わされることが多いです。糖質を意識した卵料理のレシピをいくつかご紹介します。
5.2.1 アボカドエッグボート
アボカドと卵の組み合わせは、低糖質かつ栄養バランスの良い組み合わせです。
【材料(1人前)】
- アボカド 1/2個
- 卵 1個
- 塩・こしょう 少々
- 粉チーズ(なければなくても可) 小さじ1
【作り方】
- アボカドを半分に切り、種を取り除く
- 種があった部分をスプーンでもう少し広げて、卵が入るようにする
- くぼみに卵を割り入れる
- 塩・こしょうをふり、オーブントースターで8〜10分焼く
- お好みで粉チーズをふりかける
このレシピは糖質約2g、カロリー約230kcalで、良質な脂質とタンパク質を同時に摂取できる理想的な低糖質メニューです。アボカドに含まれる脂質は健康的な不飽和脂肪酸なので、ダイエット中でも安心して食べられます。
5.2.2 キャベツと卵のシンプル炒め
キャベツは低カロリー・低糖質な野菜で、卵との相性も抜群です。
【材料(2人前)】
- キャベツ 1/4個(約200g)
- 卵 2個
- オリーブオイル 小さじ1(約4g)
- 塩・こしょう 少々
- 鶏ガラスープの素 小さじ1/2
【作り方】
- キャベツを一口大にざく切りにする
- フライパンに少量のオリーブオイルを熱し、キャベツを炒める
- キャベツがしんなりしてきたら、溶き卵を回し入れる
- ふんわりと炒め、塩・こしょう・鶏ガラスープの素で味付けする
このレシピは1人前あたり糖質約4g、カロリー約130kcalです。油の量を最小限に抑えることで、カロリーを抑えつつも満足感のある一品に仕上がります。
5.2.3 豆腐と卵のヘルシースープ
豆腐と卵を組み合わせると、タンパク質が豊富で満足感のある低カロリースープができます。
【材料(2人前)】
- 絹豆腐 1/2丁
- 卵 1個
- 長ネギ 1/4本
- わかめ(乾燥) 小さじ1
- 和風だしの素 小さじ1
- 水 400ml
- 醤油 小さじ1
【作り方】
- 鍋に水とだしの素を入れて火にかける
- 沸騰したら豆腐を一口大に切って入れる
- 再び沸騰したら溶き卵を回し入れる
- 卵が固まったら醤油で味を調え、小口切りにしたネギとわかめを加える
このスープは1人前あたり糖質約2g、カロリー約90kcalと非常に低カロリーです。朝食やダイエット中の夕食の汁物として最適です。
5.3 ダイエット中におすすめの卵の食べ方
ダイエット中は単にカロリーを抑えるだけでなく、満腹感を得ながら栄養バランスを整えることが重要です。卵は満腹感を与えるタンパク質が豊富で、ダイエット中の強い味方になります。
5.3.1 朝食に卵を取り入れる効果
e-ヘルスネット(厚生労働省)によると、朝食にタンパク質を含む食品を摂ることで、その日一日の食欲コントロールがしやすくなるとされています。
朝食におすすめの卵メニュー:
- ゆで卵とサラダ
- 野菜たっぷりオープンオムレツ(油は少量のオリーブオイルを使用)
- 茹で卵とアボカドのトースト(糖質制限中の方は低糖質パンを使用)
朝食に卵を取り入れることで、昼食までの空腹感を抑え、間食を減らすことができます。タンパク質は消化に時間がかかるため、腹持ちが良く、血糖値の急上昇も防ぎます。
5.3.2 間食としての卵活用法
小腹が空いたときのおやつとして、ゆで卵は最適な選択肢です。カロリーは控えめながら満足感があり、糖質もほとんどないため、血糖値の急上昇を防ぎます。
一般的なおやつ | カロリー | 糖質 | 卵を使ったおやつ | カロリー | 糖質 |
---|---|---|---|---|---|
チョコレート(50g) | 約270kcal | 約28g | ゆで卵(1個) | 約90kcal | 約0.2g |
ポテトチップス(60g) | 約330kcal | 約30g | 卵とアボカドのディップ(1人前) | 約150kcal | 約3g |
クッキー(5枚) | 約250kcal | 約35g | 卵白のココアムース(1人前) | 約85kcal | 約5g |
5.3.3 運動とタンパク質摂取のタイミング
運動後30分〜1時間以内にタンパク質を摂取すると、筋肉の修復と成長を促進します。卵は良質なタンパク質源として、運動後の食事に最適です。
【運動後におすすめの卵料理】
- ゆで卵とサラダチキンのサラダ
- 卵白と野菜のプロテインスムージー(卵白2個+野菜+果物少々)
- 豆腐と卵のヘルシー丼(白米の代わりに玄米や雑穀米を使用するとさらに良い)
運動後は体がタンパク質を効率的に利用できる状態になっているため、この時間帯に卵などの良質なタンパク質を摂ることで、ダイエット効果と筋力維持・向上の両方が期待できます。
5.3.4 糖質制限中の卵活用術
糖質制限ダイエットを行っている方にとって、卵は頼もしい味方です。糖質がほとんどなく、良質なタンパク質と脂質が含まれているため、主食の代わりとしても活用できます。
【糖質制限中のアイデア】
- 米の代わりに卵を使った「cauliflower rice(カリフラワーライス)」と卵のチャーハン
- パンの代わりに卵と野菜で作る「エッグラップ」サンドイッチ
- 麺の代わりに薄焼き卵を細切りにした「卵麺」でラーメン風
糖質制限中は、卵と野菜、適量の良質な脂質を組み合わせることで、満足感のある食事を実現できます。
卵は低カロリー・低糖質ながら、調理法を工夫することで様々なメニューに展開できる万能食材です。ダイエット中や健康管理をされている方は、ぜひ上記のレシピやアイデアを参考に、卵を賢く活用してみてください。食事の満足感を損なわずに、カロリーと糖質をコントロールすることができます。
6. 卵の健康効果と1日の適正摂取量

卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど栄養価が高い食材です。そのカロリーを知ることも大切ですが、含まれる栄養素や健康効果、適切な摂取量を理解することで、より賢く卵を食生活に取り入れることができます。
6.1 卵に含まれる栄養素の健康効果
卵には私たちの健康維持に欠かせない様々な栄養素が含まれています。それぞれの栄養素がどのような健康効果をもたらすのか見ていきましょう。
栄養素 | 含有量(1個あたり) | 健康効果 |
---|---|---|
良質なタンパク質 | 約6.2g | 筋肉の形成・維持、免疫機能の向上 |
ビタミンD | 約1.1μg | カルシウムの吸収促進、骨の健康維持 |
ビタミンB2 | 約0.43mg | エネルギー代謝の促進、皮膚や粘膜の健康維持 |
ビタミンB12 | 約0.5μg | 赤血球の形成、神経機能の維持 |
ルテイン・ゼアキサンチン | 約0.25mg | 目の健康維持、加齢黄斑変性症の予防 |
コリン | 約147mg | 脳の発達、記憶力向上、肝機能の促進 |
セレン | 約15.4μg | 抗酸化作用、免疫機能の強化 |
6.1.1 卵の良質なタンパク質
卵に含まれるタンパク質は「完全タンパク質」と呼ばれ、人間の体に必要な9種類の必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。卵のタンパク質は消化吸収率が約98%と非常に高く、体の組織を作るための最も効率的な栄養源の一つです。
特に卵白に多く含まれるタンパク質は、筋肉の形成や修復に役立つため、スポーツ選手やフィットネス愛好家に好まれています。また、お年寄りの筋肉量維持にも効果的です。
6.1.2 卵に含まれるビタミン類
卵黄には脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、Kが豊富に含まれています。特にビタミンDは、日光を浴びることで体内でも生成されますが、現代の生活スタイルでは不足しがちな栄養素です。
卵からのビタミンD摂取は、特に冬場や高齢者にとって重要で、骨粗鬆症予防に役立ちます。また、ビタミンB群も豊富に含まれており、エネルギー代謝や神経機能の維持に貢献します。
6.1.3 目の健康を守るルテイン・ゼアキサンチン
卵黄に含まれるルテインとゼアキサンチンは、目の網膜に存在するカロテノイドで、ブルーライトから目を保護し、加齢による黄斑変性症のリスクを低減する効果があります。
特に現代社会ではスマートフォンやパソコンの使用時間が長く、ブルーライトの暴露が増えているため、これらの栄養素の摂取は目の健康維持に重要です。
日本眼科学会の調査によると、ルテインの摂取は加齢黄斑変性症の予防に効果的とされています。
6.1.4 脳の発達に重要なコリン
卵には神経伝達物質の材料となるコリンが豊富に含まれています。コリンは特に胎児や乳幼児の脳の発達に重要な栄養素で、妊婦さんや子育て中のママにとって卵は優れた栄養源となります。
また、コリンは肝臓の健康維持にも役立ち、脂肪肝の予防にも効果があるとされています。
6.2 卵とコレステロールの関係
かつて卵はコレステロール含有量が多いことから、心臓病のリスクを高めるとして制限が推奨されていました。しかし、最近の研究では、この考え方は大きく変わってきています。
6.2.1 卵のコレステロールと血中コレステロール
卵1個には約186mgのコレステロールが含まれていますが、食事から摂取するコレステロールと血中コレステロール値の関係は、以前考えられていたほど単純ではないことがわかってきました。
私たちの体は日々約800〜1,500mgのコレステロールを肝臓で生成しており、食事からのコレステロール摂取量が増えると、体内での生成量を自動的に調節するメカニズムが備わっています。
日本動脈硬化学会の2020年版ガイドラインでも、健康な人の場合、食事のコレステロール制限は必ずしも必要ないという見解が示されています。
6.2.2 卵の良質な脂質成分
卵に含まれる脂質はただのコレステロールだけではありません。オメガ3脂肪酸や良質なリン脂質も含まれており、これらは脳の健康や細胞膜の形成に重要な役割を果たします。
特に卵黄に含まれるレシチンは、コレステロールの代謝や脂質の運搬に関わる成分で、むしろ血中コレステロール値を下げる効果があるとする研究もあります。
6.2.3 卵の摂取と心血管疾患リスク
最新の疫学研究によると、健康な人が1日1〜2個程度の卵を食べることは、心血管疾患のリスク増加とは関連していないとされています。
ただし、糖尿病患者や心臓病の既往歴がある方は、医師や栄養士の指導に従って摂取量を調整することが推奨されています。
アメリカ心臓協会のガイドラインを参考にした日本栄養士会の見解でも、卵の摂取制限よりも、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取制限の方が重要視されています。
6.3 1日に食べても良い卵の量
では実際に、健康を維持するために1日どれくらいの卵を食べるのが適切なのでしょうか?年齢や健康状態別に見ていきましょう。
6.3.1 健康な成人の場合
健康な成人の場合、一般的には1日1〜2個の卵の摂取は問題ないとされています。むしろ卵に含まれる豊富な栄養素を考えると、適度に摂取することで健康維持に役立つでしょう。
日本人の食事摂取基準(2020年版)では、コレステロールの上限値は設定されていませんが、バランスの良い食事の一部として卵を取り入れることが推奨されています。
6.3.2 子どもの場合
成長期の子どもにとって、卵は良質なタンパク質やビタミン、ミネラルの優れた供給源です。1日1個程度の卵は、子どもの健やかな成長を支える栄養バランスに貢献します。
特に、好き嫌いが多い子どもや偏食気味の場合、卵料理は栄養を効率よく摂取できる貴重な食材となります。
6.3.3 高齢者の場合
高齢者は筋肉量の維持が重要課題となります。卵に含まれる良質なタンパク質は、サルコペニア(加齢による筋肉量減少)の予防に役立ちます。
高齢者の方も基本的には1日1〜2個の卵を摂取することで、必要な栄養素を効率よく取り入れることができます。特に咀嚼力が落ちてきた方にとって、卵料理は消化しやすく重要な栄養源となります。
6.3.4 特別な健康状態の場合
以下のような特別な健康状態にある方は、卵の摂取について医師や栄養士に相談することをお勧めします:
- 糖尿病患者
- 心臓病や脳卒中の既往歴がある方
- 家族性高コレステロール血症の方
- 腎臓病患者(たんぱく質制限が必要な場合)
- 卵アレルギーがある方
東京大学医学部附属病院の栄養管理室によると、個々の健康状態に合わせた栄養指導が重要とされています。
6.4 運動とタンパク質源としての卵
運動を定期的に行う方にとって、卵は特に重要なタンパク質源となります。特に筋力トレーニングを行う方や、アスリートにとっては注目すべき食材です。
6.4.1 筋肉合成と卵のタンパク質
筋肉の合成には質の高いタンパク質が欠かせません。卵に含まれるタンパク質は、必須アミノ酸のバランスが優れており、特に筋肉の合成に重要なロイシンを豊富に含んでいます。
運動後30分〜1時間以内にタンパク質を摂取することで、筋肉の回復と合成が促進されるとされており、ゆで卵やオムレツなどは手軽な運動後の補給食として適しています。
6.4.2 持久系運動と卵
持久系運動を行う方にとっても、卵は重要な栄養源です。運動中のエネルギー代謝を助けるビタミンB群が豊富に含まれており、持久力の維持に貢献します。
また、鉄分やビタミンB12などの造血に関わる栄養素も含まれているため、有酸素運動のパフォーマンス向上にも役立ちます。
6.4.3 アスリートの卵摂取量
アスリートや積極的に筋力トレーニングを行う方の場合、一般の方よりもタンパク質の必要量が多くなります。体重1kgあたり1.2〜2.0gのタンパク質摂取が推奨されることを考えると、1日に2〜3個の卵を食事に取り入れることも有効な栄養戦略となります。
日本スポーツ栄養学会のアスリートのための栄養ガイドラインでも、良質なタンパク質源として卵の活用が推奨されています。
6.4.4 高齢者の筋肉維持と卵
高齢になると筋肉量が自然に減少していくサルコペニアが問題となりますが、適度な運動と良質なタンパク質の摂取でこの進行を遅らせることができます。
国立長寿医療研究センターの研究によると、高齢者が軽い運動と共に良質なタンパク質を摂取することで、筋肉量の維持と転倒リスクの低減に効果があることが示されています。
卵は消化吸収に優れたタンパク質源なので、高齢者の筋肉維持のための食材として最適です。朝食に卵料理を取り入れることで、一日のスタートから効率よくタンパク質を摂取できます。
東京都健康長寿医療センターの研究でも、高齢者の低栄養予防に卵などの良質なタンパク質が重要という結果が報告されています。
7. 特別な卵のカロリーと栄養価

スーパーや八百屋さんで卵を購入する際、様々な種類の卵が並んでいるのを見たことがありませんか?「特別な卵」と呼ばれるブランド卵や有精卵、さらには鶏卵以外の卵も、近年注目を集めています。これらの卵は一般的な卵と比べてカロリーや栄養価に違いがあるのでしょうか?この章では、特別な卵の種類とその特徴について詳しくご紹介します。
7.1 ブランド卵と一般卵のカロリー比較
スーパーの卵売り場には「赤玉」「白玉」の他にも、「温泉卵」「たまごかけご飯専用卵」「有精卵」など様々な種類の卵が並んでいます。これらのブランド卵は一般卵と比べてカロリーや栄養価に違いがあるのでしょうか?
結論から言うと、ブランド卵と一般卵では、カロリーにほとんど差はありません。鶏の品種や飼料によって卵の色や風味は変わりますが、カロリー自体は約70〜80kcal/個(Mサイズ)とほぼ同じです。
卵の種類 | カロリー(1個・Mサイズ) | 特徴 |
---|---|---|
一般卵(白色卵) | 約76kcal | 最も一般的な卵 |
一般卵(赤色卵) | 約77kcal | 鶏の品種の違いによる色の差 |
たまごかけご飯専用卵 | 約78kcal | 新鮮さと風味を重視 |
ブランド卵(光黒) | 約79kcal | 特別な飼料で育てた鶏の卵 |
エグロワイヤル(高級卵) | 約77kcal | 飼料にこだわった濃厚な味わい |
ただし、栄養価については若干の違いがあります。特に飼料にこだわったブランド卵は、一般卵と比較してビタミンEやDHA(ドコサヘキサエン酸)などの含有量が多い傾向があります。例えば、青森県の「田子たまご」は、にんにくを含む特別な飼料で育てられた鶏の卵で、一般卵よりもビタミンEが1.5倍程度多く含まれているとされています。
また、平飼いや放し飼いなどの飼育方法の違いによっても栄養価に差が出る場合があります。農林水産省の資料によると、放し飼いの鶏の卵は、ケージ飼いの鶏の卵と比較してビタミンA・Eなどの含有量が高い傾向があるとされています。
7.2 有精卵と無精卵の違い
有精卵とは、オスとメスの鶏が交尾して受精した卵のことを指します。一方、私たちが普段スーパーで購入している卵の多くは無精卵(受精していない卵)です。
有精卵と無精卵では、カロリーにほとんど差はありません。Mサイズの卵1個あたり約76kcalと同程度です。しかし、栄養成分には若干の違いがあると言われています。
項目 | 有精卵 | 無精卵 |
---|---|---|
カロリー(1個・Mサイズ) | 約76kcal | 約76kcal |
栄養価 | アミノ酸やビタミンなどがやや多い傾向 | 標準的な栄養価 |
特徴 | 生命力があるとされ、自然な環境で育った鶏から産まれる | 一般的に流通している卵のほとんど |
価格 | 高め | 標準 |
有精卵は、「生命力がある」「栄養価が高い」などと言われることがありますが、日本家禽学会誌の研究によると、科学的にはっきりとした栄養価の優位性は証明されていません。
ただし、有精卵を産む鶏は一般的に平飼いや放し飼いなど、より自然に近い環境で飼育されていることが多いため、飼育環境による栄養価の違いが反映されている可能性はあります。
7.3 鶏卵以外の卵のカロリー
私たちが普段「卵」と呼ぶのは鶏の卵ですが、実際にはさまざまな鳥類や魚類の卵が食用として利用されています。これらの卵のカロリーや栄養価を比較してみましょう。
鶏卵以外の卵はそれぞれに特徴的な栄養素を持ち、カロリーにも違いがあります。
卵の種類 | カロリー(100gあたり) | 特徴的な栄養素 |
---|---|---|
鶏卵(比較用) | 約151kcal | バランスの良い栄養素 |
うずらの卵 | 約177kcal | ビタミンB1、B2が鶏卵より多い |
あひるの卵(アヒル卵) | 約185kcal | 鶏卵より脂肪分が多い |
いくら(鮭の卵) | 約84kcal | DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富 |
たらこ(鱈の卵) | 約124kcal | ビタミンB12が豊富 |
キャビア(チョウザメの卵) | 約264kcal | 良質なタンパク質、オメガ3脂肪酸が豊富 |
うずらの卵は鶏卵と比べて小さく、Mサイズの鶏卵1個(約60g)に対して、うずらの卵は1個約10gほどです。そのため1個あたりのカロリーは約17kcalと少なくなりますが、100gあたりで比較すると鶏卵よりやや高カロリーです。
あひるの卵(アヒル卵)は鶏卵より大きく、1個70〜80gほどで、約130kcalとなります。脂質含有量が鶏卵より多いため、より濃厚な味わいが特徴です。
魚卵類は、海洋性の脂肪酸であるDHAやEPAが豊富に含まれていることが大きな特徴です。特にいくらには、日本水産資源保護協会の調査によると、100gあたり約1,300mgのDHAが含まれており、これは一般的な青魚と同等以上の含有量です。
7.3.1 ダチョウの卵の特徴とカロリー
ダチョウの卵は、鶏卵の約24個分に相当する大きさで、1個約1.5kgもあります。そのカロリーは100gあたり約135kcalで、鶏卵よりやや低めです。全卵で約2,000kcal以上となるため、1個丸ごと食べることはほとんどなく、料理店や特別なイベントなどで分けて食べることが一般的です。
ダチョウの卵は鶏卵と比較して、コレステロール値が低く、不飽和脂肪酸の割合が高いという特徴があります。また、殻が非常に硬く、厚みがあるため、割るのに専用の道具が必要なほどです。
日本国内では一部の専門店や観光地、ダチョウ牧場などで購入することができますが、一般的なスーパーマーケットではほとんど見かけることはありません。
7.3.2 幻の卵「鶉(ハネシナ)」のカロリーと栄養価
ハネシナはキジ科の鳥で、その卵は「幻の卵」と呼ばれるほど希少です。サイズは鶏卵より小さく、約40g程度で、カロリーは1個あたり約60kcalと言われています。
栄養価については詳細な研究が少ないですが、一般的にはうずらの卵に近い栄養組成と言われています。タンパク質含有量が高く、ビタミンB群も豊富に含まれているとされています。
日本では一部の高級料亭や専門店でしか取り扱われておらず、一般消費者が購入するのは難しい食材です。
このように、卵の種類によってカロリーや栄養価はさまざまです。ご家庭での日常的な食事では鶏卵が中心になりますが、時には違う種類の卵を取り入れることで、バラエティ豊かな栄養摂取が可能になります。特に魚卵は独特の栄養素を含んでいるため、鶏卵と組み合わせて摂取することで、より総合的な栄養バランスを実現できるでしょう。
8. 卵アレルギーと代替食品

卵は栄養価が高く便利な食材ですが、アレルギーを持つ方にとっては避けるべき食品でもあります。日本では、乳幼児の約3%が卵アレルギーを持っていると言われています。ここでは、卵アレルギーの症状や対策、そして卵の代わりになる食品とそのカロリーについて詳しく解説します。
8.1 卵アレルギーの症状と対策
卵アレルギーは、卵に含まれるたんぱく質(主にオボムコイドやオボアルブミン)に対して免疫系が過剰に反応することで起こります。卵アレルギーの症状は人によって異なり、軽度から重度まで様々です。
症状の分類 | 主な症状 | 発症までの時間 |
---|---|---|
皮膚症状 | じんましん、湿疹、かゆみ、赤み | 数分〜2時間 |
消化器症状 | 腹痛、嘔吐、下痢、吐き気 | 30分〜数時間 |
呼吸器症状 | くしゃみ、鼻水、咳、喘鳴、呼吸困難 | 数分〜1時間 |
アナフィラキシー | 血圧低下、意識障害、複数臓器の症状 | 数分〜30分 |
アナフィラキシーは命に関わる重篤なアレルギー反応であり、すぐに医療機関を受診する必要があります。エピペン®(アドレナリン自己注射薬)を処方されている方は、症状が出たらすぐに使用しましょう。
8.1.1 卵アレルギーの検査と診断
卵アレルギーが疑われる場合は、以下の検査で診断されます:
- 血液検査(特異的IgE抗体検査)
- 皮膚プリックテスト
- 食物経口負荷試験(医師の監視下で少量の卵を摂取し反応を見る)
アレルギーの診断は必ず医師に相談しましょう。自己判断は危険です。
8.1.2 卵アレルギーへの対策
卵アレルギーがある場合の主な対策は次のとおりです:
- 完全除去:アレルギー反応が強い場合は、卵を含む食品を完全に避ける
- 部分除去:医師の指導のもと、加熱卵のみ摂取するなどの対応
- 経口免疫療法:医師の監督下で少量から卵を摂取し、徐々に耐性をつける治療法
- 食品表示の確認:加工食品の原材料表示を必ず確認する習慣をつける
日本の食品表示法では、卵は特定原材料(アレルギー表示義務のある7品目)に指定されているため、加工食品には必ず表示されています。消費者庁の食品表示についても確認しておくと安心です。
8.1.3 卵アレルギーの予防と寛解
近年の研究では、生後早期からの適切な卵の導入が卵アレルギーの予防に効果的である可能性が示されています。ただし、これはアレルギーリスクのある乳児に対して医師の指導のもとで行うべきものです。
また、卵アレルギーの多くは成長とともに改善(寛解)することが知られています。日本小児アレルギー学会のデータによると、学童期までに約7割の子どもで卵アレルギーが寛解するとされています。
8.2 卵の代替食品とそのカロリー
卵アレルギーがある方でも、栄養バランスを崩さず美味しく食事を楽しむための代替食品があります。料理の目的によって適切な代替品を選びましょう。
8.2.1 卵の栄養素を補う代替食品
卵に含まれる主要な栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)を他の食品から摂取する方法をご紹介します。
卵の栄養素 | 代替となる食品 | 100gあたりのカロリー |
---|---|---|
タンパク質 | 豆腐、納豆、豆乳、鶏肉、魚 | 豆腐(56kcal)、納豆(200kcal)、豆乳(33kcal) |
ビタミンB2 | レバー、乳製品、緑黄色野菜 | レバー(132kcal)、ほうれん草(20kcal) |
ビタミンD | きのこ類、魚、日光浴 | しいたけ(18kcal)、さんま(217kcal) |
ビタミンA | にんじん、かぼちゃ、ほうれん草 | にんじん(37kcal)、かぼちゃ(49kcal) |
コリン | レバー、大豆製品、ブロッコリー | ブロッコリー(33kcal)、大豆(417kcal) |
卵は一つの食品でバランスよく多くの栄養素を含んでいますが、他の食品を組み合わせることで必要な栄養素を補うことができます。
8.2.2 料理別の卵代替品
料理の種類によって最適な卵の代替品は異なります。以下に主な用途別の代替品をご紹介します。
8.2.2.1 バインダー(つなぎ)としての代替品
ハンバーグやコロッケなどのつなぎとして使う場合:
- 豆腐:100gあたり約56kcal(卵1個の約1/3のカロリー)
- おから:100gあたり約125kcal
- パン粉に水や牛乳を混ぜたもの:分量により異なる
- すりおろしたじゃがいも:100gあたり約76kcal
例えば、ハンバーグの場合は卵1個の代わりに絹ごし豆腐50gを使うと、カロリーを約半分に抑えることができます。
8.2.2.2 膨化剤(ふくらませる)としての代替品
ケーキやパンケーキなどで卵の膨化作用を代替する場合:
- 重曹+酢:5gの重曹と15mlの酢(ほぼカロリーなし)
- ベーキングパウダー:適量(ほぼカロリーなし)
- 豆腐+ベーキングパウダー:豆腐のカロリー+α
- バナナ(つぶしたもの):100gあたり約86kcal
お菓子作りでは、卵1個の代わりにつぶしたバナナ1/2本(約50g)を使うと、自然な甘みも加わります。
8.2.2.3 市販の卵代替品
最近では便利な卵代替商品も販売されています:
商品名 | 主原料 | カロリー(卵1個分) | 特徴 |
---|---|---|---|
おからパウダー | 大豆 | 約20〜30kcal | お菓子作りに向いている |
大豆粉 | 大豆 | 約30〜40kcal | 多用途に使える |
コンニャク粉 | コンニャク芋 | 約5kcal未満 | 低カロリー、つなぎに向く |
アマランサス | アマランサス種子 | 約30kcal | グルテンフリー、栄養価が高い |
これらの商品は健康食品店やオンラインショップで購入できます。商品によって使い方が異なるので、パッケージの説明をよく読みましょう。
8.2.3 卵不使用のレシピ例
卵アレルギーの方でも楽しめる簡単レシピをいくつかご紹介します。
8.2.3.1 卵不使用のパンケーキ(2人分)
材料:
- 薄力粉:150g(約534kcal)
- 豆乳:200ml(約66kcal)
- バナナ:1本(約86kcal)
- ベーキングパウダー:小さじ2(約5kcal)
- 砂糖:大さじ1(約30kcal)
- 塩:ひとつまみ
合計カロリー:約721kcal(1人分:約360kcal)
作り方は、バナナをつぶして他の材料と混ぜるだけの簡単レシピです。卵を使ったパンケーキより約15%低カロリーになります。
8.2.3.2 卵不使用のハンバーグ(4人分)
材料:
- 合挽き肉:400g(約1000kcal)
- 絹ごし豆腐:100g(約56kcal)
- 玉ねぎ:1個(約37kcal)
- パン粉:50g(約185kcal)
- 塩・こしょう:適量
合計カロリー:約1278kcal(1人分:約320kcal)
つなぎに豆腐を使うことで、卵を使わなくてもジューシーなハンバーグに仕上がります。通常の卵を使ったレシピと比べて約10%カロリーカットできます。
卵アレルギーがあっても、工夫次第で多くの料理を楽しむことができます。また、代替食品を使うことでカロリーを抑えた料理を作ることもできるため、ダイエット中の方にもおすすめです。
8.2.4 外食時の注意点
卵アレルギーの方が外食する際のポイントをまとめました:
- 事前に店舗のアレルギー対応を確認する
- 店員に卵アレルギーであることを明確に伝える
- 疑わしい場合は食べないことが原則
- アレルギー対応メニューのある飲食店を調べておく
- 緊急時の対応(薬の携帯など)を準備する
最近では日本アレルギー学会のウェブサイトなどで、アレルギー対応レストランの情報も公開されています。また、ファミリーレストランなどの大手チェーン店では、アレルギー情報が詳細に記載されたメニューを用意していることが多いので活用しましょう。
卵アレルギーは適切な対応と代替食品の活用で、食生活の質を大きく下げることなく管理できます。特に子どもの場合は成長とともに改善する可能性もあるため、医師と相談しながら適切な対応を心がけましょう。
9. まとめ
卵は私たちの食生活に欠かせない食材であり、そのカロリーと栄養価について詳しく見てきました。1個約60gの鶏卵は約90kcalと、コンパクトながら良質なタンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく含む栄養の宝庫です。特に注目すべきは糖質が約0.4gと非常に低く、糖質制限中の方にも安心して食べられる点でしょう。
調理法によってカロリーは変わり、シンプルな茹で卵や温泉卵は90kcal前後ですが、油を使う目玉焼きやオムレツは100〜150kcalになることもあります。お子さんに人気のオムライスや親子丼などは300〜500kcalと高めですので、食べる頻度や量に注意が必要です。ダイエット中は油を使わない調理法や、サラダと組み合わせる食べ方がおすすめです。
卵のコレステロールについては、以前ほど神経質になる必要はなく、健康な方なら1日1〜2個程度の摂取は問題ないとされています。その証拠に、管理栄養士の方々も「良質なタンパク質源として卵は積極的に摂りましょう」と勧めています。特に成長期のお子さんや高齢の方には、消化吸収の良い卵は理想的な栄養源となります。
最近では「たまご庵」や「光の卵」などのブランド卵も人気ですが、カロリー面では一般卵と大きな差はありません。卵アレルギーをお持ちの方は、豆腐や納豆などの大豆製品を代替食品として取り入れるとよいでしょう。毎日の食卓に彩りを添える卵を、栄養とカロリーのバランスを考えながら、健康的に楽しみましょう。