卵1個のカロリーは?白身・黄身・Mサイズ・Lサイズ別でカロリーを比較!

卵は毎日の食事に欠かせない身近な食材ですが、そのカロリーについて正確に知っていますか?「卵1個あたりのカロリーはどのくらい?」「白身と黄身ではカロリーに差があるの?」「サイズによってカロリーは変わるの?」といった疑問をお持ちの方も多いはず。
この記事を読めば、毎日の食事作りやカロリー管理に役立つ具体的な情報が得られます。サイズ別・調理法別の一覧表も用意しましたので、いつでも参考にしてくださいね。
1. 卵のカロリーを知って健康的な食生活を
日本人の食生活において欠かせない食材である卵。朝食の定番として目玉焼きやゆで卵を食べる方も多いのではないでしょうか。手軽に使えて栄養価も高い卵ですが、ダイエットや健康管理のためにカロリーが気になる方も多いと思います。
実は卵は、そのサイズや調理法によってカロリー値が変わってきます。また、白身と黄身でもカロリーが大きく異なるのをご存知でしょうか?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人女性の1日あたりの推奨エネルギー摂取量は約1,800〜2,200kcalとされています。この中で卵はどれくらいの割合を占めるのか、正確に把握することが健康的な食生活の第一歩です。
特に、厚生労働省の調査によると、日本人は1人あたり年間約320個の卵を消費しており、世界でもトップクラスの卵消費国です。毎日のように食べるものだからこそ、そのカロリー値を正確に知ることは大切です。
食品名 | カロリー(100gあたり) | 1食分の目安量 | 1食分のカロリー |
---|---|---|---|
卵(Mサイズ) | 約151kcal | 1個(約58g) | 約88kcal |
食パン | 約264kcal | 1枚(約60g) | 約158kcal |
ごはん | 約168kcal | 茶碗1杯(約150g) | 約252kcal |
上記の表からもわかるように、卵1個のカロリーは意外と低めです。朝食の主要食材として考えると、食パン1枚やごはん茶碗1杯よりもカロリーが低いことがわかります。
また、卵は「完全栄養食品」とも呼ばれ、そのカロリーの割に非常に栄養価が高い食品です。たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく含んでおり、体に必要な栄養素を効率良く摂取できます。
健康的な食生活を送るためには、単にカロリーを抑えるだけでなく、必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。卵は低カロリーながら栄養価が高いため、ダイエット中の方にもおすすめの食材と言えるでしょう。
ただし、調理法によってはカロリーが大きく変わることもあります。例えば、油をたっぷり使った目玉焼きと、茹でただけのゆで卵では、同じ卵1個でもカロリー値に差が出てきます。この点については、後の章で詳しく解説します。
さらに、日本栄養・食糧学会誌の研究によると、卵の摂取は血中コレステロール値に大きな影響を与えないことが示されています。以前は「コレステロールが気になる人は卵の摂取を控えるべき」と言われていましたが、最近の研究ではそのような心配は少ないとされています。
このように、卵は低カロリーながら栄養価が高く、健康的な食生活に取り入れやすい食材です。正確なカロリー値を知り、自分の食生活に上手に取り入れていくことで、バランスの取れた食事を実現できるでしょう。
次の章からは、卵のサイズごとのカロリー差や、白身・黄身それぞれのカロリーについて詳しく見ていきます。卵を毎日の食事に上手に取り入れるための参考にしてください。
2. 卵1個あたりのカロリーの基本
卵は私たちの食生活に欠かせない栄養価の高い食品です。料理の幅も広く、毎日の食卓に登場することも多いでしょう。そんな卵のカロリーについて、基本的な知識をご紹介します。
2.1 卵のサイズによるカロリー差
卵のカロリーは、そのサイズによって大きく異なります。日本では、卵のサイズはSSからLLまでの5段階に分類されています。一般的に、卵が大きくなるほどカロリーも高くなります。
サイズ | 重量(g) | カロリー(kcal) |
---|---|---|
SS | 40g未満 | 約52kcal |
S | 40g以上52g未満 | 約65kcal |
M | 52g以上58g未満 | 約76kcal |
L | 58g以上64g未満 | 約87kcal |
LL | 64g以上 | 約98kcal |
サイズの違いによるカロリー差は、メニュー作りや食事管理をする際の参考になります。例えば、ダイエット中ならSサイズを選ぶことで、無理なく摂取カロリーを抑えることができるでしょう。
2.2 生卵と加熱調理後のカロリー比較
卵は調理法によってもカロリーに違いが生じます。基本的に、生卵と加熱した卵自体のカロリーに大きな差はありませんが、調理に使用する油や調味料によって総カロリーは変化します。
調理法 | Mサイズ1個あたりのカロリー | 備考 |
---|---|---|
生卵 | 約76kcal | そのままの状態 |
ゆで卵 | 約76kcal | 調味料なし |
目玉焼き | 約110kcal | サラダ油小さじ1(4g)使用 |
スクランブルエッグ | 約125kcal | サラダ油小さじ1、牛乳大さじ1使用 |
加熱による卵自体のカロリー変化はほとんどありませんが、調理方法によって付加されるカロリーに注意が必要です。特に油を使った調理法では、使用する油の量によってカロリーが大きく変わります。
例えば、厚生労働省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によると、ゆで卵は生卵とほぼ同じカロリーですが、油で調理した卵料理はカロリーが増加することが示されています。
2.3 一般的な卵(Mサイズ)のカロリー値
日本で最も一般的に流通しているのはMサイズの卵です。スーパーマーケットで購入する場合、特にサイズを意識せず選ぶとMサイズになることが多いでしょう。
Mサイズの卵1個(殻なし、約52〜58g)のカロリーは約76kcalです。これは、ごはん小盛り1杯(約140g、約235kcal)の約3分の1程度のカロリーに相当します。
内訳 | 重量(g) | カロリー(kcal) |
---|---|---|
殻を含む全体 | 約58g | – |
殻を除いた可食部 | 約52g | 約76kcal |
白身 | 約33g | 約17kcal |
黄身 | 約19g | 約59kcal |
Mサイズの卵1個の栄養素の内訳は以下の通りです:
- タンパク質:約6.2g
- 脂質:約5.2g
- 炭水化物:約0.3g
卵はタンパク質が豊富で、脂質も含まれていますが、炭水化物は非常に少ないのが特徴です。このバランスから、低炭水化物ダイエットを実践している方にも適した食材といえます。
また、卵のカロリーのほとんどは黄身に含まれています。白身は水分が多く、低カロリーなので、カロリー制限中の方は白身中心の料理を選ぶと良いでしょう。
卵は比較的低カロリーながら栄養価が高く、満腹感も得られるため、健康的な食生活を送る上で非常に優れた食材です。毎日の食事に取り入れることで、バランスの良い栄養摂取が可能になります。
3. 卵の白身と黄身それぞれのカロリー

卵を割ると、透明な「白身」と黄色い「黄身」の2つの部分に分かれていることは皆さんもご存知でしょう。この2つの部分は見た目だけでなく、含まれる栄養素やカロリーも大きく異なります。ダイエット中の方や栄養管理に気を使っている方にとって、白身と黄身それぞれのカロリーを理解することは、健康的な食生活を送るために重要です。
3.1 白身のカロリーと栄養素
卵の白身は、主にタンパク質と水分で構成されており、脂質がほとんど含まれていないのが特徴です。そのため、カロリーが非常に低いのです。
一般的なMサイズの卵(約60g)の白身部分(約35g)のカロリーは、わずか約17kcalしかありません。100gあたりに換算すると約48kcalとなります。
白身は低カロリーながら、良質なタンパク質の宝庫です。特にアルブミンというタンパク質が豊富で、体内でのタンパク質合成や筋肉の修復に役立ちます。また、ビタミンB2やナイアシン、マグネシウムなどのミネラルも含まれています。
栄養素 | 白身(35g)あたりの含有量 | 1日の推奨摂取量に対する割合(%) |
---|---|---|
エネルギー | 17kcal | 約0.85%(2000kcalベース) |
タンパク質 | 約3.6g | 約6%(60gベース) |
脂質 | 約0.1g | 約0.2%(50gベース) |
炭水化物 | 約0.4g | 約0.13%(300gベース) |
ナトリウム | 約55mg | 約2.75%(2000mgベース) |
白身はほぼ脂質を含まないため、ダイエット中の方や低カロリー食を摂りたい方にとって理想的な食材です。また、コレステロールもほとんど含まれていないので、コレステロール値が気になる方でも安心して摂取できます。
3.2 黄身のカロリーと栄養素
卵の黄身は、白身と比較すると脂質やコレステロールが豊富に含まれているため、カロリーも格段に高くなります。
一般的なMサイズの卵の黄身部分(約18g)のカロリーは、約55kcalです。100gあたりに換算すると約305kcalとなります。白身と比べると、量が半分ほどなのにカロリーは3倍以上になります。
しかし、黄身は単にカロリーが高いだけではなく、様々な栄養素の宝庫でもあります。ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンや、ビタミンB群、ミネラル(特に鉄分)、コリン、レシチンなどの栄養素が豊富に含まれています。
栄養素 | 黄身(18g)あたりの含有量 | 1日の推奨摂取量に対する割合(%) |
---|---|---|
エネルギー | 55kcal | 約2.75%(2000kcalベース) |
タンパク質 | 約2.7g | 約4.5%(60gベース) |
脂質 | 約4.5g | 約9%(50gベース) |
コレステロール | 約210mg | 約70%(300mgベース) |
ビタミンA | 約80μg | 約10%(800μgベース) |
ビタミンD | 約0.9μg | 約9%(10μgベース) |
鉄分 | 約0.6mg | 約5%(12mgベース) |
黄身に含まれるコリンは、脳や神経の発達に重要な栄養素で、特に妊婦さんや赤ちゃんの成長に欠かせません。また、ルテインやゼアキサンチンといった抗酸化物質も含まれており、目の健康維持に役立つことが研究で示されています。
3.3 白身と黄身のカロリー比率
卵1個全体のカロリーを100%とした場合、白身と黄身のカロリー比率は大きく異なります。Mサイズの卵(約60g)を例にとると、全体で約72kcalのうち、白身が約17kcal(約24%)、黄身が約55kcal(約76%)となります。
つまり、卵のカロリーの約4分の3は黄身から、残りの4分の1が白身から摂取していることになります。この比率は、卵のサイズによって多少変動しますが、およそこの割合で推移します。
部位 | 重量比率 | カロリー | カロリー比率 |
---|---|---|---|
全卵(Mサイズ) | 100%(約60g) | 72kcal | 100% |
白身 | 約58%(約35g) | 17kcal | 約24% |
黄身 | 約30%(約18g) | 55kcal | 約76% |
殻など | 約12%(約7g) | 0kcal | 0% |
この比率からわかるように、ダイエット中にカロリーを抑えたい場合は、黄身を減らして白身を多く摂取するという方法が効果的です。例えば、料理に卵を使う場合、全卵2個ではなく、白身3個と黄身1個を使うことで、カロリーを約30%削減することができます。
3.3.1 白身と黄身の栄養素バランス
カロリーだけで見ると、白身が優れているように思えますが、栄養素のバランスを考えると、黄身にも重要な役割があります。特に、黄身に含まれる脂溶性ビタミンは、白身だけでは摂取できない貴重な栄養素です。
栄養バランスを考えると、白身だけ、または黄身だけを摂取するよりも、全卵として摂取するのが理想的です。ただし、カロリー制限が必要な場合や、コレステロールの摂取に気をつけたい場合は、白身の割合を増やした調理法を選ぶと良いでしょう。
なお、卵アレルギーの方の多くは卵白(白身)のタンパク質に反応するため、医師の指導のもとで黄身のみを摂取することもあります。アレルギーについては、必ず専門医に相談してください。
また、日本栄養・食糧学会誌の研究によると、卵の黄身に含まれるコレステロールについては、かつて考えられていたほど血中コレステロール値への影響は大きくないとされています。健康な成人であれば、1日1個程度の卵の摂取は問題ないとされています。
3.3.2 料理による白身と黄身の活用法
卵の白身と黄身の特性を活かした料理方法も、カロリーコントロールに役立ちます。
- 白身のみを使った料理:メレンゲ、エッグホワイトオムレツ、クラリティ(卵白で出汁を清澄にする技法)など
- 黄身のみを使った料理:カルボナーラ、マヨネーズ、プリン、クレームブリュレなど
- 白身と黄身を別々に調理する料理:かまぼこ(白身を使用)とゆで卵の黄身の組み合わせなど
白身は泡立てるとメレンゲになり、お菓子作りに活用できます。黄身は乳化剤としての性質があり、マヨネーズやホランデーズソースなどの調味料作りに重宝します。それぞれの特性を理解して活用することで、カロリーを抑えながらも美味しく栄養価の高い料理を作ることができます。
4. サイズ別の卵カロリー一覧表

卵は大きさによってカロリー値が異なります。日本では卵のサイズはSS、S、M、L、LLの5段階に分けられており、それぞれのサイズによってカロリー値も変わってきます。ここでは各サイズの卵のカロリーを詳しく解説します。
サイズ | 重量(g) | カロリー(kcal) | 特徴 |
---|---|---|---|
SS | 40g未満 | 約52kcal | 最も小さいサイズ |
S | 40〜52g | 約65kcal | 小さめの一般的なサイズ |
M | 52〜60g | 約76kcal | もっとも流通量の多いサイズ |
L | 60〜70g | 約90kcal | 大きめのサイズ |
LL | 70g以上 | 約105kcal | 最も大きいサイズ |
それでは、各サイズの卵のカロリーについて詳しく見ていきましょう。
4.1 SSサイズの卵カロリー
SSサイズの卵は、重量が40g未満の最も小さなサイズです。1個あたりのカロリーは約52kcalと、全サイズの中で最も低カロリーとなっています。
SSサイズの卵は一般的なスーパーではあまり見かけることが少なく、主に業務用として使われることが多いサイズです。しかし、カロリー控えめなので、ダイエット中の方にはぴったりの選択肢と言えるでしょう。
SSサイズの卵の栄養成分(1個あたりの目安):
栄養素 | 含有量 |
---|---|
カロリー | 約52kcal |
たんぱく質 | 約4.0g |
脂質 | 約3.5g |
炭水化物 | 約0.1g |
4.2 Sサイズの卵カロリー
Sサイズの卵は重量が40〜52gで、1個あたりのカロリーは約65kcalです。SSサイズに比べるとやや大きく、一般的なスーパーでも見かけることができるサイズです。
Sサイズは料理によっては使いやすい大きさで、特に複数の卵を使う料理の場合、カロリーをやや抑えたい時に選ぶと良いでしょう。例えば、3個使う予定のレシピでMサイズではなくSサイズを選ぶと、約30kcal程度のカロリーカットが可能です。
Sサイズの卵の栄養成分(1個あたりの目安):
栄養素 | 含有量 |
---|---|
カロリー | 約65kcal |
たんぱく質 | 約5.1g |
脂質 | 約4.5g |
炭水化物 | 約0.2g |
4.3 Mサイズの卵カロリー
Mサイズの卵は重量が52〜60gで、日本で最も一般的なサイズです。1個あたりのカロリーは約76kcalとなっています。多くのレシピや栄養成分表で「卵1個」と表記されている場合、このMサイズを指すことが多いです。
農林水産省の統計によると、市場に流通している卵の約半数はMサイズだとされています。レシピを作る際の基準サイズとしても使われているため、料理本や栄養計算の際にはこのサイズを参考にすると良いでしょう。
Mサイズの卵は、栄養バランスも良く、一般的な成人の1食分の卵としては適量と言われています。朝食で1〜2個程度を目安に摂取すると良いでしょう。
Mサイズの卵の栄養成分(1個あたりの目安):
栄養素 | 含有量 |
---|---|
カロリー | 約76kcal |
たんぱく質 | 約6.2g |
脂質 | 約5.2g |
炭水化物 | 約0.3g |
コレステロール | 約250mg |
4.4 Lサイズの卵カロリー
Lサイズの卵は重量が60〜70gで、Mサイズより一回り大きく、1個あたりのカロリーは約90kcalです。見た目にも大きく感じられるサイズで、卵料理をメインで楽しみたい時におすすめです。
特に目玉焼きやゆで卵など、卵そのものを楽しむ料理に適しています。Lサイズは満足感も高いため、食事の量を控えたい方でも1個で十分な満足感が得られるでしょう。
ただし、カロリーはMサイズより約14kcal高いので、カロリー管理をしている方は注意が必要です。例えば、毎日の朝食で卵を食べる習慣がある場合、Mサイズに変えるだけで1週間で約100kcal近くのカロリーカットになります。
Lサイズの卵の栄養成分(1個あたりの目安):
栄養素 | 含有量 |
---|---|
カロリー | 約90kcal |
たんぱく質 | 約7.4g |
脂質 | 約6.3g |
炭水化物 | 約0.4g |
コレステロール | 約300mg |
4.5 LLサイズの卵カロリー
LLサイズの卵は重量が70g以上で、すべてのサイズの中で最も大きく、カロリーも1個あたり約105kcalと最も高くなっています。一般的な家庭用よりも業務用やギフト用として流通していることが多いサイズです。
LLサイズの卵は見た目のインパクトも大きく、特別な料理や来客時のおもてなし料理に使うと印象的です。例えば、ベネディクトエッグやスコッチエッグなど、卵をメインにした料理で使うと見栄えが良くなります。
ただし、カロリーが高いため、日常的に摂取する場合はカロリー計算に注意が必要です。LLサイズの卵1個は、Mサイズと比べると約29kcal高くなります。
特にメタボリックシンドロームやダイエットを気にしている方は、週に数回程度の使用にとどめるのが良いでしょう。厚生労働省e-ヘルスネットでは、1日あたりの目安は1〜2個程度とされています。
LLサイズの卵の栄養成分(1個あたりの目安):
栄養素 | 含有量 |
---|---|
カロリー | 約105kcal |
たんぱく質 | 約8.6g |
脂質 | 約7.4g |
炭水化物 | 約0.4g |
コレステロール | 約350mg |
サイズに関わらず、卵はたんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含む優れた食材です。自分の健康目標や料理の目的に合わせて、適切なサイズの卵を選ぶことをおすすめします。また、日本食品標準成分表によると、同じサイズでも鶏の種類や飼育方法によってカロリーに若干の違いがあることも覚えておくと良いでしょう。
5. 調理法による卵カロリーの変化

卵は調理方法によってカロリー値が変化します。油を使った調理法では当然カロリーが高くなりますし、水や蒸気を使った調理法ではカロリーの上昇を抑えることができます。ここでは代表的な卵料理のカロリーと、調理法による変化を詳しく見ていきましょう。
5.1 ゆで卵のカロリー
ゆで卵は最も基本的で、調理による余分なカロリー増加がない調理法です。Mサイズの卵一個をゆでた場合のカロリーは約80kcalで、生卵とほぼ変わりません。
ゆで時間によっても栄養価に若干の違いがありますが、カロリー自体には大きな差はありません。
ゆで加減 | 特徴 | カロリー(Mサイズ1個) |
---|---|---|
半熟卵 | 黄身が半熟状態 | 約80kcal |
温泉卵 | 白身はふんわり、黄身は生に近い | 約76kcal |
固ゆで卵 | 白身も黄身も完全に固まった状態 | 約80kcal |
ゆで卵は添加物が不要で、シンプルながら栄養価の高い調理法です。ダイエット中の方にもおすすめできる調理法といえるでしょう。
水からゆでるか沸騰したお湯に入れるかでカロリーに違いはありませんが、殻のむきやすさが変わります。低カロリーな卵料理を手軽に楽しみたい方にぴったりの調理法です。
5.2 目玉焼きのカロリー
目玉焼きは油を使用する調理法のため、ゆで卵よりもカロリーが高くなります。使用する油の量によってカロリーは変動します。
調理法 | 使用油脂 | カロリー(Mサイズ1個分) |
---|---|---|
少量の油で焼く | サラダ油小さじ1(約4g) | 約115kcal |
標準的な量の油で焼く | サラダ油小さじ2(約8g) | 約150kcal |
バターで焼く | バター10g | 約155kcal |
ノンスティックパンで油なし | 油不使用 | 約80kcal |
目玉焼きを低カロリーに抑えるコツは、テフロン加工などのノンスティックパンを使い、油をできるだけ少なくすることです。油を使わずに焼けば、ほぼゆで卵と同じカロリーに抑えることができます。
また、目玉焼きに塩こしょうなどの調味料を加えても、カロリーにはほとんど影響しません。
5.3 スクランブルエッグのカロリー
スクランブルエッグは調理の仕方によってカロリーに大きな差が出る料理です。油の量だけでなく、牛乳やバターなどを加えるかどうかでもカロリーが変わります。
調理法 | 追加材料 | カロリー(Mサイズ1個分) |
---|---|---|
シンプルな卵のみ | 油小さじ1(約4g) | 約115kcal |
牛乳入り | 油小さじ1+牛乳大さじ1(約15g) | 約125kcal |
リッチなスクランブルエッグ | バター10g+生クリーム大さじ1(約15g) | 約180kcal |
ダイエット向け | 油不使用+豆乳大さじ1(約15g) | 約90kcal |
スクランブルエッグをふんわりと仕上げるためには牛乳や生クリームを加えることが多いですが、カロリーを抑えたい場合は豆乳や無調整豆乳を使うと良いでしょう。
電子レンジを使って調理すれば油を使わずにスクランブルエッグを作ることができ、カロリーを80kcal程度に抑えることが可能です。容器に卵を割り入れ、よく混ぜてから500Wで約40秒〜1分加熱するだけで簡単に作れます。
レンジ調理の場合は途中で一度かき混ぜると、より均一に仕上がります。
5.4 オムレツのカロリー
オムレツは卵を使った料理の中でも比較的カロリーが高めです。油を使う上に、具材によってさらにカロリーが上乗せされます。
オムレツの種類 | 材料(卵2個分) | カロリー(1人前) |
---|---|---|
プレーンオムレツ | 卵2個+油小さじ2(約8g) | 約230kcal |
チーズオムレツ | 卵2個+油小さじ2+チーズ20g | 約300kcal |
野菜オムレツ | 卵2個+油小さじ2+野菜30g | 約250kcal |
オムライス用オムレツ | 卵2個+油小さじ2+牛乳大さじ1 | 約250kcal |
オムレツは一般的に2個以上の卵を使うため、1食あたりのカロリーは他の卵料理よりも高くなりがちです。カロリーを抑えるためには、具材に低カロリーな野菜を選び、油の量を極力減らすことがポイントです。
また、農林水産省が紹介する食育情報によると、卵は良質なたんぱく質を含むため、適量であれば健康的な食事に取り入れることが推奨されています。オムレツも食べ方を工夫すれば、栄養バランスの良い一品になります。
5.4.1 オムレツの調理法によるカロリー差
同じオムレツでも、調理法によってカロリーに差が出ます。
- フライパンでじっくり焼く通常の方法:約230kcal(卵2個使用時)
- オーブンで焼く方法(油少なめ):約210kcal(卵2個使用時)
- 電子レンジで加熱する方法(油不使用):約160kcal(卵2個使用時)
オーブンやレンジを使うと油の使用量を減らせるため、カロリーを抑えることができます。特に電子レンジを使った調理法は簡単で時短にもなり、忙しい朝食やダイエット中の方におすすめです。
5.4.2 フランス風オムレツと日本風オムレツのカロリー比較
オムレツには大きく分けてフランス風と日本風があります。
種類 | 特徴 | カロリー(卵2個使用時) |
---|---|---|
フランス風オムレツ | 中はとろっとした半熟状態で、バターを多く使用 | 約280kcal |
日本風オムレツ | しっかり火を通し、サラダ油で調理することが多い | 約230kcal |
フランス風オムレツはバターを多く使用するため、日本風よりもカロリーが高めです。ただし、どちらも具材によってカロリーは変動します。
オムレツを低カロリーに仕上げるなら、油の量を減らし、具材はキノコ類や緑黄色野菜など低カロリーな食材を選ぶことがおすすめです。また、日本卵業協会が公開しているレシピには、健康に配慮した卵料理のアイデアが豊富にあります。
調理法によって変わる卵のカロリーを把握しておくと、ダイエット中でも卵料理を楽しむことができます。油を使わない調理法を選んだり、使用する油の量を調整したりすることで、カロリーコントロールをしながら、栄養価の高い卵を日々の食事に取り入れていきましょう。
6. 卵料理のカロリーコントロール方法

卵は栄養価が高く、様々な料理に使える万能食材ですが、調理法によってカロリーが大きく変わります。ここでは、卵料理をより健康的に楽しむための、カロリーコントロール方法をご紹介します。
6.1 低カロリーな卵料理のコツ
卵料理のカロリーを抑えるには、調理法と使用する材料に気を配ることが大切です。以下のポイントを意識すれば、卵の栄養はしっかり摂りながらカロリーを抑えることができます。
コツ | 効果 | カロリー削減量(目安) |
---|---|---|
油の使用量を減らす | フライパンにスプレー油を使用するか、テフロン加工のフライパンで少量の油で調理 | 大さじ1杯の油(約120kcal)→小さじ1/2(約20kcal) |
白身メインの料理にする | 黄身の一部を減らし、白身の割合を増やす | 黄身1個(約55kcal)→白身のみだと(約17kcal) |
蒸し調理を活用する | 油を使わず、蒸し器やレンジで調理 | 油で焼く場合と比べて約50-100kcal削減 |
野菜をたっぷり加える | 同じ量でも満足感が増し、卵の使用量を減らせる | 野菜50gを追加すると約10-20kcalの増加で満足感アップ |
マヨネーズを減らす | マヨネーズの代わりにヨーグルトやお酢を使う | マヨネーズ大さじ1(約100kcal)→プレーンヨーグルト大さじ1(約15kcal) |
特に効果的なのは「油の使用量を減らす」ことです。卵自体のカロリーよりも、調理に使う油や追加する材料のカロリーの方が料理全体のカロリーに大きく影響します。
例えば、卵1個をゆでるだけなら約80kcalですが、同じ卵1個を使った目玉焼きでも、油を大さじ1杯(約120kcal)使うと合計約200kcalになってしまいます。
6.2 カロリーを抑えた卵レシピ例
具体的に、カロリーを抑えながらも満足感のある卵料理のレシピをいくつかご紹介します。日々の食事に取り入れやすいものばかりです。
6.2.1 1. 蒸し野菜と卵のヘルシーサラダ(約150kcal)
材料(1人分):
- ゆで卵 1個(約80kcal)
- ブロッコリー 50g(約15kcal)
- トマト 1/2個(約10kcal)
- レタス 30g(約5kcal)
- ドレッシング 小さじ2(約40kcal)
作り方:
- ブロッコリーを小房に分け、電子レンジで2分加熱します
- トマトを一口大に切り、レタスは食べやすくちぎります
- ゆで卵は4等分に切ります
- 全ての材料を盛り付け、低カロリードレッシングをかけます
ポイント:マヨネーズの代わりに、酢やレモン汁、塩、こしょうで作る簡単ドレッシングを使えば、さらにカロリーダウンできます。
6.2.2 2. 野菜たっぷり蒸し卵(約120kcal)
材料(1人分):
- 卵 1個(約80kcal)
- にんじん 20g(約8kcal)
- しいたけ 2個(約8kcal)
- ほうれん草 30g(約7kcal)
- だし汁 100ml(約5kcal)
- 塩 少々(0kcal)
- 薄口醤油 小さじ1/2(約12kcal)
作り方:
- 野菜を全て小さく切ります
- 卵をボウルに割り入れ、だし汁、塩、醤油を加えて混ぜます
- 耐熱容器に野菜を入れ、その上から卵液を注ぎます
- ラップをかけて電子レンジで3分ほど加熱します(様子を見ながら調整)
ポイント:電子レンジで蒸すことで、油を一切使わずに仕上げることができます。冷蔵庫にある野菜を活用できるので、食材の無駄も減らせます。
6.2.3 3. トマト入り卵白のオムレツ(約100kcal)
材料(1人分):
- 卵白 2個分(約34kcal)
- トマト 1/2個(約10kcal)
- 玉ねぎ 1/8個(約15kcal)
- ピーマン 1/2個(約8kcal)
- 塩こしょう 少々(0kcal)
- オリーブオイル 小さじ1/2(約20kcal)
- パセリ 少々(約1kcal)
作り方:
- 野菜を全て小さめのさいの目切りにします
- 卵白をボウルに入れ、塩こしょうを加えて泡立て器で軽く混ぜます
- テフロン加工のフライパンに少量のオリーブオイルを熱し、野菜を炒めます
- 野菜がしんなりしたら、卵白を流し入れ、蓋をして弱火で2分ほど焼きます
- 半分に折りたたみ、お皿に盛り、刻んだパセリを散らします
ポイント:卵白だけを使うことで、卵黄に含まれるカロリーをカットできます。また、卵白はたんぱく質が豊富なので、ダイエット中の方におすすめです。余った卵黄は、プリンやカスタードクリームなど別の料理に活用しましょう。
厚生労働省e-ヘルスネットによると、卵の栄養バランスは優れているため、カロリーを抑えつつ適量を摂取することが推奨されています。
6.2.4 4. 豆腐と卵のヘルシーチャーハン(約300kcal)
材料(1人分):
- ご飯 100g(約168kcal)
- 卵 1/2個(約40kcal)
- 木綿豆腐 50g(約35kcal)
- ねぎ 10g(約3kcal)
- 人参 20g(約8kcal)
- 冷凍グリーンピース 10g(約10kcal)
- ごま油 小さじ1/2(約20kcal)
- 醤油 小さじ1(約6kcal)
- 塩こしょう 少々(0kcal)
作り方:
- 木綿豆腐はキッチンペーパーで包み、水気を絞っておきます
- ねぎ、人参は小さめのみじん切りにします
- フライパンに少量のごま油を熱し、野菜を炒めます
- 野菜がしんなりしたら、手でくずした豆腐を加えて炒めます
- 溶き卵を加えて軽く炒め、ご飯を加えます
- 全体に火が通ったら、醤油と塩こしょうで味を調えます
ポイント:通常のチャーハンより卵の量を減らし、代わりに豆腐を加えることでカロリーを抑えつつ、満足感のあるボリュームに仕上げることができます。
これらのレシピは、農林水産省の食育レシピを参考にアレンジしたものです。日々の食事に取り入れることで、健康的な食生活につながります。
6.2.5 5. 低カロリー和風卵とじ(約200kcal)
材料(1人分):
- 卵 1個(約80kcal)
- 玉ねぎ 1/4個(約30kcal)
- しめじ 30g(約10kcal)
- 小松菜 50g(約10kcal)
- だし汁 150ml(約5kcal)
- みりん 小さじ1(約15kcal)
- 薄口醤油 小さじ2(約24kcal)
- 砂糖 小さじ1/2(約8kcal)
作り方:
- 玉ねぎは薄切り、しめじはほぐし、小松菜は3cm長さに切ります
- 鍋にだし汁、みりん、醤油、砂糖を入れて火にかけます
- 沸騰したら野菜としめじを加え、野菜がしんなりするまで煮ます
- 溶き卵を回し入れ、半熟状態で火を止めます
ポイント:油を使わず、だし汁で具材を煮ることでカロリーを抑えられます。味付けも薄味にすることで、素材の味を楽しみながら塩分も控えめに仕上がります。
これらのレシピに共通するのは、卵の良質なたんぱく質や栄養素はしっかり摂りながら、調理法や組み合わせる食材を工夫することでカロリーを抑えている点です。日々の食生活に取り入れて、健康的な食習慣を続けていきましょう。
7. 卵のカロリーと他の食品との比較

毎日の食生活で卵を取り入れる際、他の食品と比較してカロリーがどの程度なのか気になりますよね。ここでは卵のカロリーを肉類、乳製品、主食と比較して、バランスの良い食事計画の参考にしていただけるよう詳しくご紹介します。
7.1 肉類と卵のカロリー比較
タンパク質源として卵と肉類はどちらも優れた食品ですが、カロリー面では大きな違いがあります。卵1個(Mサイズ・約60g)のカロリーは約90kcalですが、同じ量の肉類と比べるとどうでしょうか。
食品名(60g相当) | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|---|
卵(M・1個) | 90 | 7.4 | 6.3 |
鶏むね肉(皮なし) | 72 | 13.8 | 1.5 |
鶏もも肉(皮つき) | 132 | 11.4 | 8.7 |
豚ロース | 156 | 12.0 | 11.4 |
牛もも肉 | 126 | 13.2 | 7.2 |
マグロ(赤身) | 78 | 16.8 | 0.6 |
卵は鶏むね肉や赤身魚に比べるとやや高カロリーですが、豚ロースや鶏もも肉(皮つき)よりは低カロリーです。タンパク質含有量は肉類より少なめですが、脂質のバランスや栄養素の豊富さを考慮すると、非常に優れた食品と言えます。
例えば、タンパク質を10g摂取するための比較では以下のようになります:
- 卵なら約1.4個(120kcal程度)
- 鶏むね肉なら約43g(52kcal程度)
- 牛もも肉なら約45g(95kcal程度)
このように、純粋なタンパク質効率では鶏むね肉に軍配が上がりますが、卵には良質な脂質や多様なビタミン・ミネラルが含まれているというメリットがあります。
7.2 乳製品と卵のカロリー比較
卵と乳製品は両方とも良質なタンパク質源として知られていますが、カロリーや栄養成分にはどのような違いがあるのでしょうか。
食品名 | 一般的な量 | カロリー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
---|---|---|---|---|
卵(M・1個) | 約60g | 90 | 7.4 | 6.3 |
牛乳 | 200ml(コップ1杯) | 138 | 6.8 | 7.6 |
ヨーグルト(無糖) | 100g | 62 | 4.3 | 3.0 |
プロセスチーズ | 20g(1切れ) | 65 | 4.1 | 5.2 |
カッテージチーズ | 100g | 105 | 12.6 | 4.5 |
重量あたりで比較すると、卵は乳製品に比べて一般的に高タンパク・高カロリーな傾向があります。しかし、通常の摂取量で考えると、コップ1杯の牛乳(200ml)のカロリーは卵1個よりも高くなります。
特筆すべきは、乳製品はカルシウムが豊富である一方、卵はビタミンDやB群、コリンなどの栄養素が豊富という点です。厚生労働省の栄養調査によると、日本人のカルシウム摂取量は推奨量に達していない傾向があり、卵と乳製品を組み合わせることで栄養バランスが向上します。
7.2.1 乳製品と卵の組み合わせ料理のカロリー
乳製品と卵を組み合わせた一般的な料理のカロリーを見てみましょう:
- 茶碗蒸し(卵1個+牛乳100ml使用)- 約140kcal
- プリン(卵1個+牛乳200ml+砂糖30g)- 約270kcal
- キッシュ一切れ(卵1/2個+生クリーム30ml)- 約200kcal(具材により変動)
7.3 主食と卵のカロリー比較
日本人の主食としてのご飯やパンと卵のカロリーを比較してみましょう。これにより、朝食や他の食事で卵を取り入れる際の参考になります。
食品名 | 一般的な量 | カロリー(kcal) | 炭水化物(g) | タンパク質(g) |
---|---|---|---|---|
卵(M・1個) | 約60g | 90 | 0.3 | 7.4 |
白米(茶碗1杯) | 150g | 252 | 55.2 | 3.8 |
食パン | 60g(6枚切り1枚) | 158 | 30.0 | 5.2 |
うどん(ゆで) | 200g | 210 | 43.4 | 5.8 |
そば(ゆで) | 200g | 190 | 40.2 | 8.4 |
卵1個のカロリーは主食と比較すると約1/2〜1/3程度であり、比較的低カロリーです。しかも、卵には主食に不足しがちなタンパク質や脂溶性ビタミンが豊富に含まれています。
朝食の組み合わせ例として考えると:
- 食パン1枚(158kcal)+ゆで卵1個(90kcal)= 248kcal
- 白米1/2杯(126kcal)+納豆(50kcal)+生卵1個(90kcal)= 266kcal
このように、卵を主食と組み合わせることで、タンパク質摂取量を増やしつつも、カロリーを大幅に増やすことなく、栄養バランスの良い食事にすることができます。日本栄養・食糧学会誌の研究によると、朝食に卵を取り入れると、その日の昼食での過剰摂取が抑えられるという報告もあります。
7.3.1 卵かけご飯のカロリー計算
日本の代表的な卵料理である卵かけご飯のカロリーを計算してみましょう:
- 白米(150g):252kcal
- 生卵(M・1個):90kcal
- 醤油(小さじ1):3kcal
- 合計:約345kcal
これは一般的な定食の主菜(唐揚げ3個で約300kcal)とほぼ同等か、やや高めのカロリーとなります。しかし、栄養バランスは非常に優れており、特に朝食としては理想的なエネルギー量と言えるでしょう。
7.4 他の食品と卵の栄養素・コスト比較
卵のカロリーだけでなく、栄養素あたりのコストパフォーマンスも考慮すると、卵の優位性が明確になります。
食品 | 一般的価格(100gあたり) | タンパク質(100円あたりのg数) | カロリー効率(100円あたりのkcal) |
---|---|---|---|
卵 | 約40円 | 約18.5g | 約225kcal |
鶏むね肉 | 約100円 | 約23.0g | 約120kcal |
豚ロース | 約240円 | 約5.0g | 約65kcal |
牛乳 | 約22円 | 約15.5g | 約315kcal |
白米 | 約25円 | 約10.0g | 約672kcal |
卵は経済的にも優れたタンパク質源であり、カロリーあたりの栄養価も高い食品です。日本栄養士会雑誌の調査によると、食費が限られている世帯や高齢者世帯にとって、卵は栄養素を効率よく摂取できる食品として推奨されています。
このように、卵は他の主要食品と比較しても、カロリー面、栄養面、経済面のバランスが取れた食品であることがわかります。日々の食生活に卵を取り入れることで、コストを抑えながらも栄養バランスの良い食事が可能になります。
ただし、食品の選択は単純にカロリーや価格だけでなく、個人の健康状態や好み、調理方法によっても変わってきます。卵を含めた多様な食品をバランスよく摂ることが、健康的な食生活の基本です。
8. 卵のカロリー以外の栄養価

卵はカロリーだけを考えると約80kcalとそれほど高くありませんが、その栄養価は非常に優れています。実は卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、様々な栄養素をバランスよく含んでいるんです。ここでは、卵に含まれる主要な栄養素について詳しくご紹介します。
8.1 卵に含まれるたんぱく質
卵の最も注目すべき栄養素の一つが「たんぱく質」です。1個のMサイズの卵には約6.2gのたんぱく質が含まれています。これは成人女性の1日の推奨摂取量(約50g)の約12%に相当します。
卵のたんぱく質は「完全たんぱく質」と呼ばれ、人間の体に必要な9種類の必須アミノ酸をすべて含んでいます。さらに、卵のたんぱく質は生物価(体内で利用される割合)が100と、あらゆる食品の中でもトップクラスの高さなんですよ。
食品名 | たんぱく質量(100gあたり) | 生物価 |
---|---|---|
卵(全卵) | 12.3g | 100 |
牛肉(もも) | 20.2g | 80 |
鶏むね肉 | 23.3g | 79 |
牛乳 | 3.3g | 85 |
大豆 | 35.3g | 74 |
特に注目したいのは、卵白に含まれる「アルブミン」というたんぱく質です。これは筋肉の合成を助け、体のコンディションを整えるのに役立ちます。そのため、アスリートやトレーニングをしている方に卵が推奨されることが多いんですよ。
8.2 卵のビタミン・ミネラル
卵には様々なビタミンやミネラルが豊富に含まれています。特に卵黄は栄養の宝庫といえるでしょう。
8.2.1 卵に含まれる主なビタミン
ビタミンAは目の健康維持や皮膚の健康に重要な栄養素です。1個の卵に含まれるビタミンAは約90μgで、成人女性の1日の推奨量(約650μg)の約14%を摂取できます。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の健康に欠かせません。日本人に不足しがちな栄養素ですが、卵には1個あたり約1.9μg含まれており、日本人の1日の推奨量(8.5μg)の約22%を摂取できます。
ビタミンB群も豊富で、特にビタミンB2(リボフラビン)とビタミンB12が多く含まれています。これらは代謝を助け、エネルギー産生に重要な役割を果たします。
8.2.2 卵に含まれる主なミネラル
卵には以下のような重要なミネラルも含まれています:
- 鉄分:1個あたり約0.9mg(女性の1日推奨量の約10%)
- 亜鉛:1個あたり約0.8mg(約10%)
- セレン:1個あたり約15.4μg(約28%)
- リン:1個あたり約120mg(約17%)
特にセレンは抗酸化作用があり、細胞の酸化ストレスから体を守る働きがあります。卵は日本人が効率よくセレンを摂取できる数少ない食品源なんですよ。
栄養素 | 卵1個あたりの含有量 | 成人女性の1日推奨量に対する割合 | 主な効果 |
---|---|---|---|
ビタミンA | 約90μg | 約14% | 視力維持、皮膚の健康 |
ビタミンD | 約1.9μg | 約22% | カルシウム吸収、骨の健康 |
ビタミンE | 約0.7mg | 約10% | 抗酸化作用、細胞保護 |
ビタミンB2 | 約0.4mg | 約35% | エネルギー代謝 |
ビタミンB12 | 約0.5μg | 約21% | 赤血球形成、神経機能 |
葉酸 | 約25μg | 約12% | 細胞分裂、DNA合成 |
鉄 | 約0.9mg | 約10% | 赤血球形成、酸素運搬 |
セレン | 約15.4μg | 約28% | 抗酸化作用、甲状腺機能 |
8.2.3 卵に含まれる特別な栄養素
卵黄にはレシチンという脂質が含まれています。レシチンは細胞膜の主要成分であり、脳や神経の発達に重要な役割を果たします。また、コリンという栄養素も豊富で、脳の発達や肝機能の維持に役立ちます。
また、卵黄に含まれるルテインとゼアキサンチンという色素成分は、目の健康維持に重要な役割を果たします。特に加齢による黄斑変性症の予防に効果があるとされています。これらの成分は、多くの研究で目の健康に良い影響を与えることが示されています。
8.3 卵の健康効果
卵に含まれる様々な栄養素は、多くの健康効果をもたらします。日々の食事に取り入れることで期待できる効果をご紹介します。
8.3.1 筋肉の維持と成長をサポート
卵の良質なたんぱく質は、筋肉の維持や成長に欠かせません。特に年齢とともに筋肉量が減少しがちな中高年の方には、積極的に摂取したい食品です。朝食に卵を食べることで、一日のたんぱく質摂取の良いスタートを切ることができます。
筋たんぱく質合成には、食事から摂取するたんぱく質の質と量が重要です。卵は質の高いたんぱく質を手軽に摂取できる食品として、多くの栄養専門家から推奨されています。
8.3.2 脳の健康と認知機能をサポート
卵黄に含まれるコリンは脳の神経伝達物質の合成に重要な役割を果たします。研究によれば、定期的にコリンを十分に摂取している人は認知機能が良好であることが示されています。
また、卵に含まれるビタミンB12も神経系の健康維持に欠かせない栄養素です。不足すると神経障害やうつ症状を引き起こす可能性があります。
8.3.3 目の健康維持に貢献
卵黄に含まれるルテインとゼアキサンチンは、目の網膜(特に黄斑部)に集まり、有害な光から目を保護する役割を果たします。これらの成分は体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
日本人の食生活では、ルテインの摂取量が減少傾向にあるといわれています。卵を定期的に食べることで、これらの重要な栄養素を補給できます。
8.3.4 妊婦さんと子どもの成長に重要
卵に含まれる葉酸は、妊娠初期の胎児の神経管閉鎖不全を予防する効果があります。また、卵のたんぱく質やビタミン、ミネラルは子どもの成長発達に欠かせない栄養素です。
特に発育盛りのお子さんには、良質なたんぱく質源として卵を日々の食事に取り入れることをお勧めします。朝食に卵料理を食べることで、集中力アップにもつながりますよ。
8.3.5 美肌効果も期待できる
卵に含まれるビタミンAやビタミンE、良質なたんぱく質は、肌の健康維持にも役立ちます。たんぱく質は肌のハリや弾力を保つコラーゲンの原料となり、ビタミンEは抗酸化作用によって肌の老化を防ぎます。
また、卵黄に含まれるビオチン(ビタミンB7)は、健康な肌、髪、爪の維持に欠かせない栄養素です。
このように、卵はカロリーだけを見るともったいない、栄養価の高い食品です。バランスの良い食事の一部として、上手に取り入れていきたいですね。
9. ダイエット中の卵摂取について

ダイエット中の食事選びで悩まれている方は多いのではないでしょうか。そんな時に注目したい食材が「卵」です。低カロリーで高たんぱくな卵は、ダイエット中の強い味方になってくれます。ここでは、ダイエット中の卵摂取についての正しい知識をご紹介します。
9.1 卵のカロリーとダイエットの関係
卵は低カロリーでありながら、栄養価が高く満腹感を得やすい食品です。Mサイズの卵1個(約60g)のカロリーは約90kcalで、同じタンパク質源である肉類と比べると非常に低カロリーです。
食品(100gあたり) | カロリー | たんぱく質 |
---|---|---|
卵(全卵) | 約151kcal | 約12.3g |
鶏むね肉(皮なし) | 約116kcal | 約23.3g |
牛肉ももスライス | 約271kcal | 約18.8g |
豚ロース | 約263kcal | 約18.5g |
卵がダイエットに効果的な理由は主に以下の3つです:
- 高たんぱく質で満腹感が持続する:卵に含まれるたんぱく質は消化に時間がかかるため、長時間満腹感を維持できます。
- 代謝を高める効果がある:たんぱく質の消化・吸収には多くのエネルギーを必要とするため、食事誘導性熱産生(TEF)が高まります。
- 血糖値の急上昇を防ぐ:低糖質で高たんぱくな卵は、血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪の蓄積を抑えます。
国際的な研究でも、朝食に卵を摂取したグループは、同カロリーのパンなどの炭水化物を摂取したグループより、次の食事までの空腹感が少なく、カロリー摂取量が少なかったという結果が報告されています。
9.2 1日に食べる卵の適量
「卵は1日何個まで食べても良いの?」という質問をよく耳にします。結論から言うと、健康な成人であれば1日1〜2個程度の卵摂取は問題ないとされています。
以前は卵のコレステロール含有量(Mサイズ1個あたり約200mg)から、摂取制限が厳しく言われていましたが、現在の研究では、卵の摂取と血中コレステロール値の関連性は個人差が大きいことがわかっています。
ただし、以下のような方は医師や栄養士に相談の上、摂取量を調整することをお勧めします:
- 糖尿病の方
- 高コレステロール血症の方
- 心臓病などの持病がある方
ダイエット中の卵摂取の目安は以下の通りです:
目的 | 推奨摂取量 | 摂取タイミング |
---|---|---|
通常のダイエット | 1日1〜2個 | 朝食がおすすめ |
筋トレ併用ダイエット | 1日2〜3個 | トレーニング後2時間以内 |
プチ断食日 | 1日1個 | お昼または夕方 |
9.3 卵を活用したダイエット食事例
卵を活用したダイエットメニューをいくつかご紹介します。どれも簡単に作れて、満足感のある食事です。
9.3.1 朝食におすすめの卵メニュー
シンプル茹で卵トースト
- 全粒粉トースト:1枚(約80kcal)
- ゆで卵:1個(約80kcal)
- アボカド:1/4個(約60kcal)
- トマト:1/2個(約10kcal)
- 塩こしょう:少々
合計:約230kcal
作り方:トーストにスライスしたアボカドとトマト、ゆで卵をのせるだけ!満腹感があり、午前中の活動をサポートします。
9.3.2 ランチにおすすめの卵メニュー
野菜たっぷりオープンオムレツ
- 卵:2個(約180kcal)
- ほうれん草:50g(約15kcal)
- しめじ:30g(約10kcal)
- パプリカ:1/4個(約7kcal)
- 玉ねぎ:1/4個(約15kcal)
- オリーブオイル:小さじ1(約40kcal)
- 粉チーズ:小さじ1(約10kcal)
合計:約277kcal
作り方:野菜を炒めて調味し、溶き卵を流し入れて片面だけ焼き、半熟状態で粉チーズをかけて完成。野菜のボリュームで満腹感アップ!
9.3.3 夕食におすすめの卵メニュー
卵と豆腐のヘルシースープ
- 卵:1個(約90kcal)
- 絹豆腐:1/2丁(約70kcal)
- えのき:50g(約11kcal)
- わかめ:5g(約3kcal)
- 長ねぎ:10g(約3kcal)
- 和風だし:1袋(約8kcal)
合計:約185kcal
作り方:和風だしでスープを作り、豆腐と野菜を加えて煮込み、溶き卵を回し入れます。低カロリーながら満足感があり、夜の食事に最適です。
9.3.4 間食におすすめの卵メニュー
簡単ゆで卵スナック
- ゆで卵:1個(約80kcal)
- ミニトマト:3個(約15kcal)
- きゅうり:1/2本(約14kcal)
- 塩:少々
合計:約109kcal
作り方:ゆで卵を用意し、スティック状に切ったきゅうりとミニトマトと一緒に食べるだけ。シンプルですが、たんぱく質と食物繊維で腹持ちがよく、小腹が空いた時の間食に最適です。
9.3.5 1日の卵活用ダイエットメニュー例
食事 | メニュー | 卵の使用量 | カロリー |
---|---|---|---|
朝食 | シンプル茹で卵トースト | 1個 | 約230kcal |
間食 | ヨーグルト+フルーツ | 0個 | 約120kcal |
昼食 | サラダチキンと野菜のサラダ | 0個 | 約250kcal |
間食 | ナッツミックス少量 | 0個 | 約100kcal |
夕食 | 卵と豆腐のヘルシースープ+玄米1/2杯 | 1個 | 約335kcal |
1日合計:約1,035kcal(卵使用量:2個)
このように、1日の食事に卵を取り入れることで、低カロリーでありながら必要な栄養素を補給し、満腹感を得ることができます。
日本栄養・食糧学会誌の研究によると、朝食に高たんぱく質の食事を摂ることで、1日の総カロリー摂取量が減少する傾向があります。卵はそのための最適な食材の一つといえるでしょう。
ダイエット中は、単に卵の摂取量だけでなく、調理法にも注意が必要です。油をたくさん使った調理法(揚げ物や炒め物)よりも、茹でる、蒸す、電子レンジで調理するなどの方法を選ぶと、余分なカロリーを抑えることができます。
また、卵だけに頼るのではなく、野菜や海藻類、豆類などと組み合わせることで、栄養バランスの取れた食事となり、ダイエット効果もさらに高まります。
10. よくある質問

卵のカロリーについて気になることはたくさんあるものです。ここでは、皆さんからよく寄せられる疑問にお答えしていきます。卵の栄養価を最大限に活かしながら、カロリーとうまく付き合っていくためのヒントをご紹介します。
10.1 卵のカロリーを気にするべきか
卵のカロリーを気にすべきかどうかは、あなたの健康目標によって異なります。1個あたり約80kcal(Mサイズ)の卵は、そのカロリー以上の栄養価を持っています。
卵は高タンパク質かつ必須アミノ酸をバランスよく含む優れた食品です。タンパク質は体の満足感を高め、空腹感を抑える効果があるため、むしろダイエット中の強い味方になります。
カロリーだけを見るより、以下のポイントを考慮すると良いでしょう:
- 全体の食事バランスの中での卵の位置づけ
- 調理法(油を多く使うと当然カロリーは上がります)
- 一緒に食べる食品との組み合わせ
- 1日の活動量や消費カロリー
例えば、日本栄養・食糧学会誌の研究でも、適切な量の卵摂取は健康維持に重要であることが示されています。
10.2 卵はコレステロールが高いがカロリーとの関係は
卵、特に卵黄にはコレステロールが多く含まれていますが、カロリーとコレステロールは別の栄養素です。卵1個(Mサイズ)に含まれるコレステロールは約200〜220mgですが、カロリーは約80kcalです。
かつては卵のコレステロールが血中コレステロール値を上げるとされていましたが、最新の研究ではその関係性は弱いことがわかってきています。食事からのコレステロール摂取と血中コレステロール値の関係は個人差が大きく、多くの人では卵の摂取が直接血中コレステロール値に大きな影響を与えません。
項目 | 卵1個(Mサイズ) | 1日の目安量 |
---|---|---|
カロリー | 約80kcal | 成人女性: 約1,800〜2,000kcal |
コレステロール | 約200〜220mg | 1日の目安: 300mg未満 |
たんぱく質 | 約6.2g | 体重×1g程度 |
日本公衆衛生学会の研究によると、適度な卵の摂取は健康な人であれば血中コレステロール値に大きな影響を与えないとされています。
ただし、脂質異常症や心疾患などの持病がある方は、医師の指導に従うことが重要です。
10.3 卵白だけ食べるとカロリーはどのくらい抑えられるか
卵白だけを食べることで、カロリーを大幅に抑えることができます。卵のカロリーの大部分は黄身に含まれているためです。具体的な数値を比較してみましょう:
部位 | カロリー(Mサイズ) | タンパク質 | 脂質 |
---|---|---|---|
卵1個全体 | 約80kcal | 約6.2g | 約5.8g |
卵白のみ | 約17kcal | 約3.6g | ほぼ0g |
卵黄のみ | 約63kcal | 約2.6g | 約5.7g |
卵白だけを食べると、全卵と比較して約78%ものカロリーカットが可能です。特に脂質をほぼゼロにできるため、低脂質ダイエットを実践している方には効果的です。
プロテインダイエットや筋トレ愛好家の間では、卵白だけを複数個使ったレシピも人気があります。例えば、卵白3個(約51kcal)を使ったオムレツは、全卵2個(約160kcal)を使ったものより低カロリーでも高タンパク質な一品になります。
ただし、卵黄には以下の栄養素が豊富に含まれていることも忘れないようにしましょう:
- ビタミンD(骨の健康に重要)
- ビタミンE(抗酸化作用)
- ビタミンB群(エネルギー代謝に必要)
- 葉酸(細胞の新生に重要)
- コリン(脳と神経の健康維持に役立つ)
栄養学の研究でも示されているように、栄養バランスを考えると、常に卵白だけを食べるのではなく、時には全卵も取り入れるのがおすすめです。
10.4 卵のカロリーを効率的に消費する方法
卵を食べた後に、そのカロリーを効率よく消費するための方法をご紹介します。80kcalのMサイズの卵1個のカロリーを消費するための運動量の目安は以下の通りです:
運動の種類 | 時間目安(体重50kg前後の場合) | 特徴 |
---|---|---|
ウォーキング(普通の速さ) | 約20分 | 誰でも気軽に始められる |
自転車(平地) | 約15分 | 膝への負担が少ない |
水泳(ゆっくり) | 約10分 | 全身運動で効率が良い |
ヨガ | 約25分 | リラックス効果も期待できる |
家事(掃除機かけ) | 約25分 | 日常生活に取り入れやすい |
ジョギング | 約8分 | 短時間で効率よく消費できる |
卵のカロリー消費で最も効率が良いのは、卵を朝食に取り入れることです。朝に摂取したタンパク質は一日の代謝を高める効果があり、自然とカロリー消費が増えます。労働安全衛生総合研究所の報告によると、朝食でタンパク質を摂取することで日中のエネルギー消費が高まることが示されています。
また、卵を食事に取り入れる際のポイントとして:
- 炭水化物と一緒に摂ると、血糖値の急上昇を抑える効果がある
- 筋トレの後に卵を食べると、筋肉の回復と合成を促進する
- 野菜と一緒に食べると、ビタミンの吸収率を高める効果がある
日常生活では、階段を使う、少し遠回りして歩く、テレビを見ながらスクワットするなど、小さな運動を積み重ねることも効果的です。卵の高タンパク質を筋肉づくりに活かせば、基礎代謝が上がり、長期的にはさらに多くのカロリーを消費できるようになります。
10.5 卵の保存方法とカロリーの関係
卵の保存方法そのものはカロリーに直接影響しませんが、保存状態が卵の品質や安全性に影響することがあります。正しい保存方法を知っておくことで、卵の栄養価を最大限に活かすことができます。
日本での一般的な家庭での保存方法は以下の通りです:
- 冷蔵庫での保存:尖った方を下にして保存すると、黄身が中央に位置し鮮度を保ちやすい
- 常温保存:購入から1週間程度であれば可能(特に夏場は避ける)
- 生卵の賞味期限:一般的に産卵日から約3週間
卵は時間が経つにつれてアルカリ性に傾き、タンパク質の質が少しずつ変化しますが、カロリー自体は変わりません。ただし、新鮮な卵ほど栄養素の生体利用率が高いと言われています。
また、調理済みの卵料理の保存についても覚えておきましょう:
調理方法 | 冷蔵保存の目安 | 注意点 |
---|---|---|
ゆで卵 | 1週間程度 | 殻付きで保存すると良い |
目玉焼き・オムレツ | 1〜2日 | 密閉容器に入れて保存 |
茶碗蒸し | 当日中 | 再加熱は十分に |
卵サラダ | 2〜3日 | マヨネーズ使用のため短め |
厚生労働省の食品衛生の指針によると、調理済み食品は適切な温度管理が重要とされています。特に卵料理は食中毒のリスクがあるため、保存と再加熱には注意が必要です。
10.6 卵アレルギーとカロリー代替品について
卵アレルギーがある方にとって、卵の栄養とカロリーを代替できる食品を知ることは重要です。卵の主要な栄養素であるタンパク質と脂質を補うための代替品をご紹介します。
卵1個分(約80kcal)のタンパク質と栄養素を補うための代替食品には以下のようなものがあります:
代替食品 | 量 | カロリー | タンパク質 |
---|---|---|---|
豆腐(絹ごし) | 約100g(1/3丁) | 約56kcal | 約5g |
納豆 | 1パック(約50g) | 約100kcal | 約8g |
鶏むね肉 | 約30g | 約50kcal | 約9g |
サバ缶(水煮) | 約40g | 約80kcal | 約7g |
ヨーグルト(無糖) | 約100g | 約60kcal | 約4g |
料理における卵の代替品としては:
- バインダー(つなぎ)として:おからパウダー、すりつぶしたバナナ、アマニシード+水
- ふわふわ感を出すために:重曹+酢、豆腐をブレンドしたもの
- 風味付けとして:栄養酵母フレーク、黒塩(カラナンク)
日本アレルギー学会の食物アレルギーガイドラインによると、卵アレルギーの方は代替食品から十分な栄養を摂ることが可能とされています。
卵を使わないレシピでも栄養バランスの良い食事を心がけ、必要に応じて医師や栄養士に相談することをおすすめします。卵アレルギーがあっても、工夫次第で満足度の高い食生活を送ることができます。
11. まとめ
卵1個のカロリーについて様々な角度から詳しく見てきました。Mサイズの生卵は約90kcal、白身は約17kcal、黄身は約73kcalであることがわかりました。サイズによってもカロリーは変わり、SSサイズからLLサイズまで約70〜110kcalの範囲で異なります。また調理法によっても変化し、ゆで卵は生卵とほぼ同じですが、油を使う目玉焼きやオムレツはカロリーが高くなります。
卵は高たんぱく質で栄養価が高い食品であり、カロリーの割に満腹感が得られるため、ダイエット中でも上手に取り入れることができます。特に朝食に卵を食べると1日の食事コントロールがしやすくなるという研究結果もあります。コレステロールを気にする方は卵白だけを使った料理も良いでしょう。
結論として、卵は栄養素のバランスが良く、適量を食べれば健康的な食生活に役立つ食材です。カロリーだけでなく、その栄養価も考慮して毎日の食事に取り入れていくことをおすすめします。ニチレイやキユーピーなどの商品を使って時短で卵料理を楽しむのも良いですね。一般的には1日1〜2個の卵摂取が健康維持に適していると言われています。みなさんの食卓に、おいしく栄養たっぷりの卵料理を取り入れてみてください。