卵を常温保存した場合の賞味期限は?冷蔵との違いや保存方法を徹底解説!

卵って冷蔵庫に入れるべき?それとも常温保存でも大丈夫?賞味期限切れ間近だけど、いつまで食べられるの?…そんな疑問、毎日のお料理で卵を使うあなたなら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。実は卵の保存方法、賞味期限、そして消費期限には、意外と知らない落とし穴があるんです。この記事では、卵の常温保存と冷蔵保存の違い、それぞれの賞味期限の目安、そして安全に美味しく食べるための保存方法を徹底解説します。卵を常温保存できる条件や、夏場と冬場で保存期間が変わるのかといった季節ごとの注意点、冷蔵保存する際の正しいパックの向きまで、具体的な方法を分かりやすくお伝えします。さらに、賞味期限切れの卵の見分け方や活用法、万が一に備えたサルモネラ菌食中毒の予防策まで、知っておきたい情報を網羅しています。この記事を読めば、卵の保存に関する疑問が全て解消し、毎日安心して卵料理を楽しめるようになりますよ。卵をもっと美味しく、もっと安全に食べるためのヒントが満載です。ぜひ最後まで読んで、あなたにぴったりの卵の保存方法を見つけてくださいね。

目次

1. 卵の賞味期限と消費期限の違い

食品を選ぶ際に必ずと言っていいほど目にする「賞味期限」と「消費期限」。一見似たように見えますが、実はそれぞれ異なる意味を持っています。卵を購入する際にも、この2つの違いを正しく理解することが、安全でおいしく卵を食べるための重要なポイントとなります。

1.1 賞味期限とは

賞味期限とは、定められた方法で保存した場合に、期待される品質を維持できる期限のことです。おいしく食べられる期限の目安と考えてください。賞味期限を過ぎても、すぐに食べられないわけではありませんが、風味や食感などが徐々に劣化していく可能性があります。ただし、適切に保存されていれば、賞味期限が多少過ぎても食べられる場合もあります。見た目や匂いなどを確認し、自己責任で判断するようにしましょう。

1.2 消費期限とは

消費期限とは、定められた方法で保存した場合に、安全に食べられる期限のことです。消費期限を過ぎた食品は、腐敗や食中毒のリスクが高まるため、食べるのは避けましょう。消費期限は、生肉や魚介類、お弁当など、傷みやすい食品に表示されています。

1.3 卵の場合

卵には消費期限ではなく、賞味期限が表示されています。これは、卵が比較的保存性の高い食品であるためです。ただし、賞味期限は冷蔵保存(10℃以下)した場合の期限です。常温で保存した場合、賞味期限は短くなります。また、賞味期限内であっても、ヒビが入っていたり、保存状態が悪かったりする場合は、食べずに廃棄しましょう。

以下の表に、賞味期限と消費期限の違いをまとめました。

項目 賞味期限 消費期限
意味 おいしく食べられる期限の目安 安全に食べられる期限
対象食品 スナック菓子、缶詰、卵など 生肉、魚介類、お弁当など
期限切れ後の対応 期限が多少過ぎても、状態を確認して食べられる場合も有り。 食べない

より詳しい情報は、消費者庁のウェブサイトをご覧ください。

2. 卵を常温保存した場合の賞味期限

卵を常温保存する場合、その賞味期限は冷蔵保存の場合と比べて大きく異なります。常温保存できる条件や、保存期間の目安、季節による変化などを詳しく見ていきましょう。

2.1 常温保存できる条件

まず、大前提として、すべての卵が常温保存に適しているわけではありません。日本では、卵の流通過程で冷蔵が義務付けられていないため、スーパーなどで売られている卵は常温保存できるものと冷蔵保存が必要なものがあります。常温保存できる卵は、採卵後すぐに洗浄・殺菌処理され、GPセンターと呼ばれる施設でパック詰めされたものです。この処理によって、卵の表面に付着しているサルモネラ菌などの細菌が除去され、常温での保存が可能になります。一方、パックに「要冷蔵」と表示されている卵は、洗浄・殺菌処理がされていないため、必ず冷蔵庫で保存する必要があります。購入する際は、パックの表示をよく確認しましょう。

また、気温も重要な要素です。常温保存といっても、高温多湿の環境は避けなければなりません。一般的に、卵の常温保存に適した温度は10~25℃とされています。夏場など気温が高い時期は、冷蔵庫での保存が推奨されます。農林水産省:鶏卵の表示に関するQ&Aを参照すると、生食の場合は10℃以下で保存することが推奨されています。

2.2 常温保存した場合の目安

常温保存できる条件を満たしている卵の場合、賞味期限はおおよそ10日~2週間程度です。ただし、これはあくまで目安であり、保存環境によって変化します。気温が高い場合は、賞味期限内であっても劣化が進む可能性があるため、早めに消費することが大切です。また、パックに印字されている日付は製造日ではなく、パック詰めされた日付であるため、実際に採卵された日から計算するとさらに日数が経過している可能性があります。より安全に卵を消費するためには、記載されている賞味期限よりも早めに消費することを心がけましょう。

2.3 夏場と冬場で変わる?

卵の常温保存は、季節によって大きく影響を受けます。夏場は気温が高く、湿度も高いため、卵の劣化が早まります。そのため、夏場は常温保存を避け、冷蔵庫で保存することが推奨されます。冬場は気温が低いため、常温保存が可能ですが、暖房の効いた部屋など、極端に温度変化が激しい場所は避け、適切な場所に保管するようにしましょう。

季節 常温保存 推奨保存方法 注意点
夏場(25℃以上) 不可 冷蔵保存 高温多湿を避ける
春・秋(10~25℃) 可能(条件付き) 冷蔵保存推奨 直射日光、温度変化を避ける
冬場(10℃以下) 可能(条件付き) 冷蔵保存推奨 暖房の効いた部屋は避ける

上記はあくまで目安であり、個々の環境によって適切な保存方法は異なります。少しでも不安がある場合は、冷蔵保存を選択することをおすすめします。特に、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、食中毒のリスクを最小限に抑えるためにも、冷蔵庫での保存を徹底しましょう。

3. 卵を冷蔵保存した場合の賞味期限

卵は冷蔵保存することで、常温保存よりも賞味期限を長く保つことができます。冷蔵庫内の適切な環境で保存すれば、鮮度を保ちながら安全に美味しく食べられます。

3.1 冷蔵保存のメリット

卵を冷蔵保存する最大のメリットは、賞味期限を延ばせることです。常温保存に比べて、数週間程度長く保存できます。また、冷蔵保存することで、サルモネラ菌などの食中毒のリスクを低減できます。さらに、卵白の泡立ちが良くなるため、お菓子作りなどに使用する際にもメリットがあります。

3.2 冷蔵保存した場合の目安

冷蔵保存した場合の卵の賞味期限の目安は、パックに記載されている日付を基準として、約2~3週間です。ただし、これはあくまで目安であり、保存状態や個体差によって前後する可能性があります。購入後はなるべく早く冷蔵庫に入れ、賞味期限内に消費するようにしましょう。

以下の表は、一般的な卵の賞味期限の目安です。あくまで目安なので、パックに記載されている日付を優先してください。

購入日からの経過日数 賞味期限の目安
1週間 問題なく食べられる
2週間 加熱調理すれば食べられる
3週間 消費期限切れの可能性が高いので、食べるのは控える

参考:農林水産省 卵のQ&A

3.3 パックのまま保存?それとも別の容器?

卵は、購入したときのパックのまま冷蔵庫で保存するのがおすすめです。パックには卵を衝撃から守り、乾燥を防ぐ役割があります。また、パックに記載されている賞味期限や生産者情報を確認できるというメリットもあります。別の容器に移し替える場合は、密閉できる清潔な容器を選び、冷蔵庫内で立てて保存しましょう。卵は尖った方を下にして保存することで、黄身の位置が安定し、鮮度が保たれやすくなります。

冷蔵庫のドアポケットに卵を保存する場合は、温度変化の影響を受けやすいため、賞味期限内であっても早めに消費することをおすすめします。ドアポケットは開閉のたびに温度が変動しやすく、卵の品質劣化を早める可能性があります。冷蔵庫内の奥の方など、温度が安定している場所に保存するのが理想的です。

参考:キユーピー マヨネーズの保存方法 (卵の保存に関する記述を含む)

4. 常温保存と冷蔵保存、賞味期限の違いを比較

卵の保存方法として、常温保存と冷蔵保存がありますが、それぞれ賞味期限や品質の変化に違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に合った保存方法を選びましょう。

4.1 賞味期限の長さの違い

常温保存と冷蔵保存では、賞味期限の長さに大きな違いがあります。一般的に、卵は冷蔵保存した場合、パックに記載されている賞味期限は約2~3週間です。 一方、常温保存できる卵は限られており、仮に常温保存が可能な場合でも、賞味期限は1週間程度と短くなります。 これは、常温では細菌が繁殖しやすいためです。卵の鮮度を長く保つためには、冷蔵保存が適しています。

保存方法 賞味期限の目安
冷蔵保存 パックに記載されている日付から約2~3週間
常温保存(可能な場合) 約1週間

参考:農林水産省:鶏卵の賞味期限設定に関するQ&A

4.2 品質の変化の違い

賞味期限内であっても、保存方法によって卵の品質は変化します。冷蔵保存では、卵の鮮度が比較的長く保たれ、白身の弾力や黄身の盛り上がりも維持されます。 しかし、常温保存では、時間の経過とともに白身が水っぽくなり、黄身の膜が弱くなって割れやすくなります。また、風味も落ちてしまう可能性があります。特に夏場など気温が高い時期は、品質劣化が早まるため注意が必要です。

4.3 保存方法によるメリット・デメリット

それぞれの保存方法にはメリットとデメリットがあります。冷蔵保存のメリットは、賞味期限が長く、品質を保ちやすいことです。デメリットは、冷蔵庫のスペースを占めること、そして冷たい卵を急に調理に使うと温度差で卵が割れやすくなる場合があることです。常温保存のメリットは、冷蔵庫のスペースを節約できること、調理にすぐ使えることです。デメリットは、賞味期限が短いこと、品質劣化が早いこと、そして食中毒のリスクが高まる可能性があることです。そのため、常温保存は短期間で消費する場合に限るのが安全です。また、日本では、スーパーなどで売られている多くの卵は冷蔵保存を前提としているため、購入後は速やかに冷蔵庫で保存することが推奨されています。

保存方法 メリット デメリット
冷蔵保存 賞味期限が長い、品質を保ちやすい 冷蔵庫のスペースを占める、冷たい卵は割れやすい場合がある
常温保存 冷蔵庫のスペース節約、調理にすぐ使える 賞味期限が短い、品質劣化が早い、食中毒リスクの可能性増加

参考:日本養鶏協会:たまごの保存方法

5. 卵の正しい保存方法

卵は適切に保存することで、鮮度を保ち、食中毒のリスクを減らすことができます。冷蔵保存が基本ですが、常温保存できる場合もあります。それぞれの保存方法のポイントを詳しく見ていきましょう。

5.1 冷蔵保存のポイント

冷蔵庫での卵の保存は、温度、置き場所、パックの向きに注意することでより効果的になります。

5.1.1 温度

冷蔵庫内の温度は、0℃~10℃に保つのが理想的です。ドアポケットは開閉のたびに温度変化が大きいため、卵の保存には適していません。冷蔵庫の奥の方で、温度が安定している場所に保存しましょう。

5.1.2 置き場所

卵は尖った方を下にして保存するのがおすすめです。こうすることで黄身が白身に包まれ、安定するため、鮮度が長持ちしやすくなります。また、卵は他の食品の匂いを吸収しやすいので、匂いの強い食品の近くに置かないようにしましょう。

5.1.3 パックの向き

卵のパックは、購入した時と同じ向きで保存しましょう。パックには、卵の呼吸を助ける小さな穴が開いているため、上下を逆さまにすると呼吸がしづらくなり、鮮度が落ちやすくなります。

5.2 常温保存する場合の注意点

日本では、卵は冷蔵保存が推奨されていますが、気温が低く安定している時期であれば、常温保存も可能です。ただし、常温保存する場合は、以下の点に注意が必要です。

5.2.1 温度管理の重要性

常温保存する際の温度は、10℃~15℃が適温です。室温が25℃を超える場合は、冷蔵庫での保存をおすすめします。特に夏場は、常温保存は避けた方が無難です。

5.2.2 直射日光を避ける

卵は直射日光に当たると、温度が上昇し、品質が劣化しやすくなります。冷暗所で保存するようにしましょう。

5.2.3 湿度に注意

湿度の高い場所はカビが発生しやすいため、卵の保存には適していません。風通しの良い場所に保存するか、冷蔵庫で保存しましょう。

項目 冷蔵保存 常温保存
温度 0℃~10℃ 10℃~15℃
保存場所 冷蔵庫の奥 冷暗所
注意点 ドアポケットは避ける、匂いの強いものと一緒に保存しない 25℃以上は避ける、直射日光に当てない、湿度に注意
推奨 △(条件付き)

上記の表を参考に、状況に応じて適切な保存方法を選択してください。詳しくは農林水産省のサルモネラに関するページもご参照ください。

6. 賞味期限切れの卵の見分け方

卵の賞味期限が切れてしまった場合、すぐに食べられないと判断するのではなく、まずは鮮度を確認することが大切です。見た目、割った時の状態、匂いなど、五感を活用して判断しましょう。以下の方法を参考に、卵の状態をチェックしてみてください。

6.1 見た目での確認

パックから卵を取り出し、以下の点を確認します。

  • ひび割れ:ひび割れがあると、そこから細菌が侵入する可能性があります。ひび割れのある卵は使用を控えましょう。
  • 汚れ:卵の表面に目に見える汚れが付着している場合は、洗ってから使用するか、使用を控えましょう。汚れが付着したまま保存すると、そこから腐敗が進む可能性があります。
  • 殻の光沢:新鮮な卵は殻の表面にツヤがありますが、時間が経つにつれてツヤが失われ、ザラザラとした質感に変化していきます。ただし、光沢だけで判断するのは難しいため、他の項目も合わせて確認しましょう。

6.2 割ってみた時の確認

卵を割って、以下の点を確認します。これは最も確実な方法です。

状態 鮮度 食べられる?
卵白が盛り上がり、卵黄が丸く立っている 新鮮 食べられる
卵白が水っぽく広がり、卵黄が平べったい 鮮度が落ちている 加熱調理なら食べられる可能性あり
生食は避ける
卵黄が崩れている かなり鮮度が落ちている 食べない方が良い
異臭がする 腐敗している 絶対に食べない
ピンク色や緑色に変色 腐敗している 絶対に食べない

6.3 匂いで確認

卵を割った際に、硫黄のような異臭がする場合は、腐敗が進んでいる証拠です。このような卵は絶対に食べないようにしましょう。新鮮な卵はほとんど無臭です。

これらの方法で確認しても判断が難しい場合は、安全のため食べない方が良いでしょう。特に、小さな子ども、高齢者、妊娠中の方などは、食中毒のリスクを避けるためにも注意が必要です。

参考:農林水産省 サルモネラについて

参考:日本養鶏協会

7. 賞味期限切れの卵の活用法

卵の賞味期限が切れてしまった…とがっかりする前に、ちょっと待ってください!賞味期限は「美味しく食べられる期限」のこと。過ぎたからといってすぐに食べられないわけではありません。少しの工夫で、安全でおいしく食べることができる活用法がたくさんあります。

7.1 加熱調理して食べる

賞味期限切れの卵は、生食は避け、必ず加熱調理しましょう。加熱することでサルモネラ菌などの食中毒のリスクを減らすことができます。おすすめの活用法は以下の通りです。

  • 卵焼きやオムレツ:定番の卵料理。しっかり火を通せば問題なく美味しく食べられます。
  • チャーハンや炒め物:卵を加えることで風味やコクがアップします。
  • お菓子作り:パウンドケーキやクッキーなど、加熱するお菓子に利用できます。プリンやカスタードクリームなど、卵液を加熱するタイプのスイーツにもおすすめです。

7.2 冷凍保存する

すぐに使い切れない場合は、冷凍保存も可能です。冷凍保存することで、さらに長く卵を保存できます。ただし、殻のまま冷凍すると殻が割れてしまうため、解凍後に使いにくい状態になってしまいます。以下の方法で冷凍保存するのがおすすめです。

7.2.1 卵白と卵黄を分けて冷凍する

卵白と卵黄を別々に冷凍保存する方法です。用途に合わせて解凍して使えます。

  1. 卵白:製氷皿などに小分けにして冷凍します。メレンゲや卵白焼きなどに活用できます。
  2. 卵黄:卵黄だけを冷凍すると、解凍後に粘り気が強くなり、使いにくくなってしまいます。砂糖や塩を少量加えて混ぜてから冷凍すると、解凍後も滑らかな状態を保てます。卵黄は、カスタードクリームやマヨネーズ作りに最適です。

7.2.2 溶き卵を冷凍する

全卵を溶いて冷凍保存する方法です。チャーハンや炒め物などに使う際に便利です。

  1. 卵を割り、白身と黄身をよく混ぜ合わせます。
  2. フリーザーバッグなどに入れて薄く平らにして冷凍します。薄くすることで解凍時間を短縮できます。
冷凍方法 メリット デメリット 活用例
卵白と卵黄を分けて冷凍 用途に合わせて使い分けられる 少し手間がかかる メレンゲ、卵白焼き、カスタードクリーム、マヨネーズ
溶き卵を冷凍 解凍後すぐに使える 卵白と卵黄を分けて使えない チャーハン、炒め物、卵焼き

冷凍卵の解凍は、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。電子レンジでの解凍は、加熱ムラが生じやすく、食中毒のリスクが高まるため避けましょう。解凍した卵は、再冷凍せずに使い切ってください。

より詳しい情報は、農林水産省のQ&Aページをご覧ください。

8. パックに記載されている以外の保存方法

卵のパックには冷蔵保存が推奨されていますが、状況によっては冷蔵以外の保存方法が必要となるケースもあります。ここでは、パックに記載されている以外の保存方法として、冷凍保存とゆで卵での保存について詳しく解説します。

8.1 冷凍保存の方法と注意点

生の卵を冷凍保存する場合、殻付きのまま冷凍すると殻が割れてしまうため、必ず殻を割ってから冷凍しましょう。冷凍する際は、卵白と卵黄を分けて保存する方法と、混ぜて保存する方法があります。

8.1.1 卵白と卵黄を分けて冷凍保存

卵白と卵黄を分けて冷凍保存する方法は、それぞれを別々の容器に入れて冷凍します。卵白は解凍後も泡立てやすく、メレンゲ作りなどに適しています。卵黄はそのまま冷凍すると粘り気が強くなり、解凍後に使いにくくなってしまうため、砂糖や塩を少量加えて混ぜてから冷凍すると、解凍後の食感が良くなります。砂糖を加える場合は卵黄1個に対して小さじ1/2程度、塩を加える場合はひとつまみ程度が目安です。

8.1.2 卵白と卵黄を混ぜて冷凍保存

全卵を冷凍保存する場合は、卵白と卵黄をよく混ぜ合わせてから冷凍用保存袋などに入れて冷凍します。解凍後は卵焼きや炒め物などに使用できます。

冷凍方法 解凍後の用途 注意点
卵白 メレンゲ、スポンジケーキなど 解凍後も泡立てやすい
卵黄(砂糖/塩を加える) カスタードクリーム、プリンなど 砂糖/塩を加えることで解凍後の食感が良くなる
全卵 卵焼き、炒め物など 白身と黄身をしっかり混ぜて冷凍する

冷凍卵の解凍は、冷蔵庫に移して自然解凍するのがおすすめです。電子レンジでの解凍は加熱ムラが起こりやすく、食感が悪くなるため避けましょう。解凍した卵はなるべく早く使い切るようにし、再冷凍は避けてください。

参考:キユーピー|たまごの保存方法|マヨネーズの使い方

8.2 ゆで卵にして保存

ゆで卵にして保存する場合は、固ゆで卵がおすすめです。半熟卵は日持ちしないため、冷蔵庫で保存しても2日以内に食べきりましょう。固ゆで卵は殻をむかずに冷蔵庫で保存すれば3~4日程度日持ちします。殻をむいた場合は、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存し、2日以内に食べきりましょう。保存の際は、冷蔵庫内の温度が低い場所に置くようにし、他の食品の匂いが移らないように注意しましょう。

参考:サルモネラ食中毒予防対策について:農林水産省

ゆで卵を冷凍保存することも可能です。殻をむいたゆで卵を冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保存します。解凍は冷蔵庫に移して自然解凍するか、流水解凍します。冷凍ゆで卵はサラダやラーメンのトッピングなどに活用できます。ただし、解凍後の黄身はパサつきやすいため、マヨネーズなどで和えると美味しく食べられます。

参考:卵を冷凍保存する方法と注意点|株式会社アグリテクノ

9. サルモネラ菌食中毒の予防

サルモネラ菌による食中毒は、年間を通して発生していますが、特に気温が高くなる夏場に多く見られます。卵はサルモネラ菌に汚染されている可能性があるため、適切な取り扱いと予防策を講じることが重要です。

9.1 サルモネラ菌とは

サルモネラ菌は、鶏などの家禽、豚、牛などの腸内に生息する細菌です。感染経路は主に食品を介しており、特に卵、肉、魚介類などが原因となることが多いです。サルモネラ菌は熱に弱いため、十分に加熱することで死滅しますが、生卵や加熱不十分な食品を摂取すると食中毒を発症するリスクがあります。

9.2 食中毒を防ぐためのポイント

サルモネラ菌食中毒を予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。

予防策 具体的な方法
卵は適切な温度で保存

卵は買ってきたらすぐに冷蔵庫に入れ、10℃以下で保存しましょう。冷蔵庫のドアポケットは温度変化が大きいため、パックのまま冷蔵庫の奥の方に保存するのがおすすめです。常温保存は避けてください。特に夏場は短時間でも常温保存すると菌が繁殖するリスクが高まります。

調理器具の衛生管理

卵を割る際に使用した包丁やまな板、ボウルなどは、使用後すぐに洗剤で洗い、熱湯で消毒するか、食器乾燥機で乾燥させましょう。他の食材と調理器具を共有すると、交差汚染のリスクがあります。

手洗いの徹底

卵を触る前、調理した後、食事の前には必ず石鹸で手を洗いましょう。特に、生卵を触った後は念入りに手を洗うことが重要です。

十分に加熱調理

卵は中心部までしっかり加熱しましょう。目安として、黄身と白身が固まるまで加熱することが重要です。半熟卵や温泉卵などはサルモネラ菌による食中毒のリスクが高いため、抵抗力の弱い乳幼児、高齢者、妊婦などは避けた方が安全です。また、卵料理は調理後すぐに食べ、長時間放置しないようにしましょう。

割れた卵は使用しない

ひび割れた卵は、サルモネラ菌が侵入している可能性が高いため、使用しないようにしましょう。また、賞味期限が切れていたり、腐敗臭がする卵も使用しないでください。

上記に加えて、食中毒予防の基本である「つけない・増やさない・やっつける」を意識することも重要です。 生肉や生魚を扱う際にも同様の注意を払い、調理器具の使い分けや手洗いを徹底することで、サルモネラ菌だけでなく、他の食中毒菌の感染も予防できます。

参考:厚生労働省:サルモネラ

参考:農林水産省:サルモネラ食中毒について

10. まとめ

この記事では、卵の常温保存と冷蔵保存における賞味期限の違い、正しい保存方法、賞味期限切れの卵の見分け方などについて詳しく解説しました。卵の賞味期限は、記載されている保存方法(冷蔵)を守った場合に、美味しく食べられる期限です。消費期限とは異なり、賞味期限を過ぎてもすぐに食べられないわけではありませんが、品質の劣化が始まっている可能性があります。

常温保存できる卵は、産卵後パック詰めされるまでの間に洗浄されていないことが条件です。スーパーで一般的に販売されているパック入りの卵は洗浄されているため、必ず冷蔵庫で保存しましょう。常温保存できる卵の場合でも、夏場は気温が高くなるため、冷蔵庫での保存がおすすめです。冷蔵保存することで、サルモネラ菌の増殖も抑えられます。

卵を冷蔵保存する際は、パックのままドアポケットではなく、庫内の温度変化の少ない場所に置くのがベストです。パックに記載されている賞味期限はあくまで目安なので、保存状態によっては期限内でも劣化している場合もあります。賞味期限切れの卵は、加熱調理すれば食べることができますが、生食は避けましょう。見た目や匂いで判断が難しい場合は、割って中身を確認し、少しでも異変を感じたら廃棄してください。

正しい保存方法で卵を美味しく安全に食べましょう。卵の保存に関する疑問が解消され、より安心して卵料理を楽しんでいただければ幸いです。

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